表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/31

㉕ 天孫降臨

 「おい、コイツで間違い無いんだよな?」

 二人組のうち、手前のヤツが、助手席の男に確認する。


「ああ、この時間にあそこを歩いていた。背格好、服装、髪型、大きなリュック。間違いない。あの家の息子だ!人通りの少ない路地裏に行ったら、その辺の公衆電話から身代金を要求しろ!」


「あら、やだ。ホントにコナン君的な展開じゃない?」 

 香子は思わず呟やいた。

「ぶつぶつ五月蝿ぇぞ!このガキ!」

 奥の男が怒鳴った。


「ヤダヤダ。弱い犬ほど、良く吠えるってね。」

「何だとぉ!?」

「ねえ、ちょっと訊くけど、アナタたち、お金に困って仕方無く、こんな事をしているのかしら?」


「おい!ちょっとクルマを停めろ!」

 助手席のヤツが指示した。

 多分コイツが主犯だな。香子は見当をつけた。


「コイツ、あのガキじゃねえぞ!」

 クルマを路地裏の公園横に停めると、ソイツが言った。


「そうよ。とんだ人違いだわ。分かったら早く解放してちょうだい。今日の私は機嫌がイイのよ。だから特別に見逃してあげる。」


「なんだあ?妙に落ち着きくさって…気に入らねえオンナめ。仕方が無え。コイツの家族からカネを取るか!?」


「…前言撤回よ。今の発言で、アナタたちを、許せない悪人と認定したわ。」

「何を偉そうに抜かしてやがる。だったらどうだって言うんだ!?」


「…だから、こうするのよ。」

 香子がそう呟やいた瞬間、背中のリュックのフタが開いて、中から緑色の、複数の紐のようなモノが飛び出した。


 数分後、香子は涼しい顔をして、ハイエースのスライドドアから出て来た。


「あら、ラッキー。ウチまで後少しだけ歩けばイイみたい。ちょっと乱暴なタクシーに乗ったと思えばイイわよね?」

 そんな独り言を呟やきつつ、彼女は歩き出したのだった。


 黒いハイエースの車内には、植物のツタでグルグル巻にされた4人の男と"コイツらは誘拐未遂犯です"と筆ペンで黒ぐろと書かれた、ルーズリーフの紙が一枚、残されていた。


 彼等は別れ際に、彼女からこう言われたのだった。

「真冬の夜は気温が下がるけど、運が良ければ、凍死する前に、警ら中のお巡りさんに、見つけて貰えるかもね?ま、せいぜい皆で祈りなさい。」


 そんなこんなで、師走の夜はふけていくのであった。


 そして年は開けて、問題の1月4日の朝9時を迎えた。

 亜空間レストランにやって来た真田香子は、開口一番にこう言ったのだった。

「ねえ?"天孫降臨"を見に行かない?」


「ええ〜っ!?」

 鷹志と由理子は同時に叫んだ。

「…というのは、あくまでも言葉のアヤで…。」

 それを聞いて何故かホッとする二人。 


「今からおよそ1万年前の、日本のとある場所に行きたいのよ。ソコにはきっと、神々に等しいナニかが居るはずなの…大丈夫。歴史的資料に基づく私の予測は、いつも大体当たるのよ?」

 香子はそう言って、ニッコリ笑ったのだった。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ