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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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㉓ 可能性の未来

「ねえ、他の場所も見に行きましょうよ。名駅とかどう?」香子がそう言うと、皆も同意した。


 三名はクルマに戻ると、また光学迷彩をかけて、上空から名護屋駅周辺を眺めることにした。


 そこの発展ぶりは、久屋大通公園周辺の比では無かった。JRゲートタワービルを始めとする、数々の高層ビル群が、見る者を圧倒した。


「ああ、何だか、"THE21世紀"って感じよねぇ…名護屋もすっかり大都会になってしまって。」

 香子は灌漑深気に言った。


「でも、やっぱり空飛ぶクルマは居ないわね。残念。」

 由理子が言った。


「映画バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2の、未来予想はハズレですね。これじゃあ、ビートルの光学迷彩は解除できません。」 

 鷹志もそう言った。


「今、改めて思うわ。サン・ジェルマン伯爵は、やっぱり凄い人なのね?」

 香子が呟いた。


「そして彼は、既得権益者からの妨害や、技術を軍事転用しようと目論むヤカラたちを恐れて、決してその発明を一般公開しようとは思わない。」

 鷹志が、そう付け加えた。


「それはニコラ・テスラから学んだのね?」と香子。

「恐らく、そうでしょうね。」と鷹志。


「なあ〜に〜い?二人だけで、分かったような会話をして?何だかジェラシーだわ。」

 由理子が言った。


「…ありがとう。何だか満足したわ。帰りましょうか?」

 香子が話を切り上げた。

 

 鷹志は、出発地の座標を、時空転位装置に入力した。

 帰りも、もちろんあっと言う間だった。


 三名は亜空間レストランに戻ると、お茶をしながら休憩した。 


「35年後の未来は素敵だったわ。」

 香子はウットリしていた。

「いつかあの未来がやって来るなら、私、毎日のお仕事、頑張れそうよ。」


「まあ、伯爵によると、さっき見たアレは、一つの可能性に過ぎないらしいんですけどね?」

 鷹志が言う。

「未来は常に未確定。ソレは見に行くモノではなく、現在の我々が、各々の役割りを果たして、作り上げていくモノ。」


「ソレ、いつか伯爵の言ってた言葉よねえ?」

 由理子が言った。

「…そうだよ?なんだよ。ツッコミのつもり?」


「ううん。でも、なんか、さも自分が考えたみたいな言い方だったから…。」

「そ、そんな事はないさ。」


 その二人の遣り取りを見て、香子はクスクス笑った。

「二人、仲がイイのね。うらやましいわ。」


「そうです。ワタシたちは、ラブラブなのです。」

 と由理子。

 鷹志は恥ずかしそうだった。


「願わくば、35年後もそうあって欲しいものだわ。」

「もちろんです!」

 自信たっぷりな由理子であった。


挿絵(By みてみん)

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