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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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18/31

⑱ オメデタなのか

「イイですけど…?」

 カグヤが返事をするや否や、雪子は彼女をエレベーターに押し込んで、サン・ジェルマンと共に、地下のラボへと向かった。


 約1時間後、三名はエレベーターで亜空間レストランに戻って来た。

 何故かカグヤは真っ赤な顔をしていた。


「…で、どうだったの?」コソコソ訊く京子。

「ビンゴよ!」

 親指を立てて、コソコソ答える雪子。

「はああ。」ソレを聞いて何とも言えない表情になって、その場でのけ反る京子。


「どうしたんですか?」またまた気になる雪村。

 仕方無く、雪子が彼を部屋の片隅に呼んで、小声で事情を説明した。

「ええっ?」雪村はそう言った切り黙ってしまった。

 

 そしてまた小走りで戻って来る雪子。

「で、どうする?カグヤ。」

「…どうしましょう?」


「このまま、この名護屋テレビ塔の一室を借りて、産み育てるも良し。丁度ミケーネの宇宙船もあるから、ケプラー星系のニビルに戻って、そこで育てるも良し…。」


「…取り敢えず、両親には、報告したいです。」

「まあ、そりゃあ、そうよねえ?」


「はい。でも、この子の父親はガイア人なので、やはりこの地で育てたいです。」

「そうしてもらえると、助かるわ。この子は将来、宮本伊織になるのだから…史実を守るためにもね?」


「じゃあ、早速ミケーネ君に頼みますか?」

 サン・ジェルマンが依頼役を買って出た。


 交渉は直ぐに成立し、カグヤはこの後、彼の船で一旦ニビルに帰る事となった。


 そうと決まったら、善は急げということで、皆で地下駐車場に降りて行った。

 ミケーネが宇宙船の動力を起動し、カグヤが乗り込んだ。


「イロイロお世話になりました。当初の目標とは違う結果になったけど、今、私は幸せな気分です。」 

 とカグヤ。

「それはナニよりです。ご両親にも宜しくお伝え下さい。」

 サン・ジェルマンが挨拶する。


「待ってるわよ?」と雪子。

「また会いましょう。」と京子。

「期待にそえなくてごめんね。」と雪村。


「いつもタクシー代わりみたいに、使ってごめんね?」

 最後に由理子が、ミケーネに謝った。

「いいさ、次はデートに付き合ってくれるならね。」 

 小さくても凛々しい白猫は、そう言って胸を張った。


 鷹志は研究室で、香子はもう帰っていた。


 カグヤは皆に手を振りながら、船内に入って行った。

 船外に響く低い重低音が、急に「ヴン!」という音に変化した瞬間、ミケーネの円盤は時空ジャンプに突入し、皆の目の前から消えてしまったのだった。


「行っちゃったわね。」と京子。

「あの子が輝夜姫で、卑弥呼で、アヌンナキの一柱とはねえ。」と雪村。


「その上、あの宮本武蔵のパートナーとして、これから子どもを産むのよ。全く、マルチな活躍にも程があるわよ。何だか、もう…ねえ?」と雪子。


 最後にそれを聞いて、その場のみんなで、大きなため息をついたのだった。


挿絵(By みてみん)


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