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「魔女と鳳凰と輝夜姫」(セーラー服と雪女 第18巻)  作者: サナダムシオ


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⑫ 次の目的地へ

「…それでムサシが61歳になったら、彼を死んだことにして、アナタの故郷、ニビルに連れて帰ってもイイわよ。」


「ホントですか!?」

「大丈夫、私に任せて。」

 カグヤにそう言うと、雪子は少しワルイ笑顔を見せた。


「それじゃあ、ムサシさん、今日のところはこれでお暇するわね。」

「おう。次の再会を、楽しみに待っているぞ。カグヤ、それまで達者でな?」

「ムサシ様も。」


 カグヤは名残り惜しそうにしながら、洞窟前にムサシを残し、ビートルの後部座席に乗り込んだ。

 雪村も助手席に乗ったのを確かめると、雪子はクルマを垂直上昇させたのだった。


 そして雪子は直ぐに、次の目的地の座標を打ち込んだ。

 雪村がそれを隣から覗き込んで、ギョッとしていた。


「…あの、それ、入力した数値、合ってますか?」

「もちろんよ。どうかしたの?」

「…いや、紀元前2万年近くだから、イイのかなって。」


「大丈夫、心配しないで。それに実は、次の目的地の主役は、アナタなのよ。」

「ええっ?」

「うふふ…。乞うご期待!」

 またまたワルイ笑顔の雪子である。


 現地到着まで、体感で少しかかりそうなので、徐ろに、雪子が話し始めた。


「カグヤさん、アナタたちは、惑星ニビルで、色濃く鳥の因子を残しながら、霊長類に進化した一族なのよね?」

「はい。ご先祖様からは、代々そう言い伝えられています。」


「対して私たちニンゲンは、惑星ガイア…つまりこの地球で、猿の因子を残しながら、霊長類に進化した一族なのよ。」

 雪子の話は続く。


「でも結果的に、遠く離れた場所で進化したはずの二つの種族は、ご覧の通り、とても似通った形態に落ち着いたのよね。コレを専門用語で、"収束進化"と言うらしいんだけど、ナニかそれ以上の、造物主の意思のようなモノを感じるのよね。」 


「なるほど。サメとイルカのようなモノですね?」

 雪村が口を挟んだ。

「そう、それ以上よ。多分、遺伝子レベルでも、相当近いのではないかしら。だから、仮に交雑すれば、高確率で雑種が生まれると思うのよ。」

 雪子はそう言うと、チラリとカグヤの方を見た。


「因みに、フィジカル的なポテンシャルは、今まで見たところ、ニビル人は地球人の、およそ3倍といったところかしら。」

「…まるで、シャア・アズナブルですね?」

「なあに、それ?」

「ああ、すいません。ガノタにしか分からない事を、つい言ってしまいました。」


「…まあ、いいわ…話を戻すと、多分それは、彼等の環境が私たちよりも、戦闘を日常的で身近なモノとしているからよね。そして恐らく、同じ理由で、子どもの成長速度も、私たち人類より、遥かに速いはず…。」


「それって、まさに輝夜姫の…。」

 雪村が何か言いかけた時、ビートルは目的の時空に到着したのだった。


挿絵(By みてみん)

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