① カグヤ登場
真説 竹取物語 第二章 「その後のカグヤ」を読んでから、もう一度コレを読むと、面白さが3割増になるかも知れませんよ?(^_^;)
…そんな感じでサン・ジェルマンが、雪子、鷹志、由理子、香子と、名護屋テレビ塔の亜空間レストランで、談笑していた時だった。
またしても部外者が、エレベーターの扉を開けて、フロアに出て来たのだ。
ここは亜空間だけに、場所的には不安定で、外部の強力なポータルに、うっかり繋がり易い、という欠点があったのだった。
それ故、少しでも、その空間を安定させて扱えるのは、サン・ジェルマンのような、高度な知識と技術を備えた者に限られるのだが…。
その人物は、フロアに脚を踏み入れると、キョロキョロと辺りを見回した。
その様子から、やはりイレギュラーな訪問者に見える。
年齢は…ハタチを過ぎたところか。
髪は美しい直毛のブルネット。
ヘアスタイルはロング。
髪型は70年代に流行した、いわゆる姫カット。
例の"麻丘めぐみ"のヘアスタイルだ。
首には、ちょっと古風な勾玉のネックレス。
腕輪もアンティーク物らしかった。
服装は…何故か巫女の衣装だった。
まさか、あの下鴨神社の関係者じゃあるまいな?
サン・ジェルマンは思った。
「あのぉ…。」
おずおずと、その女性が口を開いた。
「コチラに、サン・ジェルマンの下僕という方は、いらっしゃいませんでしょうか?」
「下僕なんてどこにも居ないわよ。ここに居るのは、みんな仲間!私たちはチームなのよ。」
と、ついさっき仲間入りしたばかりの、香子が答えた。
「因みに、サン・ジェルマンは私ですが…?」
彼は怪訝顔で答えた。
「あの、ご本人じゃなくて…直接私たちの惑星ニビルを、ケプラー星系に移動させて下さった方に、ご挨拶したくて、やって来たのですが…。」
そうか。あの惑星は、爬虫類族だけのモノでは無かったのか。由理子は気がついて、ハタと膝を打った。
「その衣装、アナタはニビルの巫女さんなの?」
雪子が訊く。
「いえ、私は巫女ではありません。非巫女なんです。」
「えっ!?卑弥呼?」と鷹志。
「前にも、現地の方にそう言って驚かれたんですけど、歴史を跨いで流行ってるんですか、ソレ?」
彼女は可愛く首をかしげる。
「申し遅れました。私の名はカグヤと言います。昔、この星で育てていただいた折りには、輝夜姫と呼んでいただいたこともあります。」
「輝夜姫って、あの竹取物語の?まさか実在したの!?」
コレは古典大好き香子さん。
「私も憧れたのよねえ。あんな人生。」と由理子。
「えっ、そうなの?」と鷹志。
「ソレはきっと雪村の事ねえ。みんなバレないように、ちゃんと名前を伏せてくれたんだわ。感心、感心。」
最後に雪子がそう言いながら、一人頷いたのだった。




