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創造神は救いたい  作者: ヒヨコのピヨ


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あの、痛いです

明けましておめでとうございます!そして、今年もよろしくお願いします。

少々休みすぎてしまいました。反省。

会議が始まる――はずだったのだが、その前段階で、野々花の両親から矢継ぎ早に言葉が投げられた。


「今日はもう遅いですし、外も騒がしいでしょう」

「泊まっていってください。こちらからご家族へ連絡がつかないのなら、今からでも」


断る隙は、ほとんどなかった。

気づけば「家の方に一言入れておいてくださいね」と穏やかに、しかし有無を言わせぬ口調で促され、翔と陽介は揃って廊下へと連れ出されていた。


翔はというと、緊張感の欠片もない。


「今日、友達の家に泊まるかも。」


そこからしばらく会話は続き、


「べ、別に女子の家じゃないし」


やけに軽い口調でそう言いながら、スマホを耳に当てている。

対して陽介は、廊下の壁に背を預けたまま、なぜか電話をかけようとしなかった。

___________________________________


しばらくして二人が部屋へ戻ると、空気が明らかに変わっていた。

先ほどまでいなかったはずの、縛り上げられた襲撃犯たちが、床に並べられている。


視線が自然とそちらに集まる中、野々花の父親がゆっくりと立ち上がった。


「……全員揃いましたね」

「では、会議を始めましょう」


その一言で、空間が引き締まる。


この会議を開くことを提案した張本人――陽介は、一歩前に出た。

胸の奥で心臓が強く脈打つ。だが、逃げるわけにはいかない。


部屋にいるのは、陽介と翔、野々花とその両親。

それから、信頼できると判断されたメイドと執事が数名。

おそらく、それぞれの現場をまとめる立場の者たちなのだろう。


そして、縛られたままの襲撃犯。


「まず……能力について、話します」


陽介は、意識して落ち着いた声を出した。


「皆さんが使っている能力。それを“配った”のは、俺です」


一瞬、沈黙が落ちる。

驚き、疑念、怒り、様々な感情が顔に浮かんだが、誰も口を挟まなかった。


「公にしないよう制限をかけたのは、能力を使った暴動が多発するのを防ぐためです。

今回みたいな事態を、増やしたくなかった」


ここで、一人が手を挙げた。


「ですが……今まで、能力による暴動など聞いたことがありません」


予想通りの疑問だった。

陽介は、わずかに息を吸う。


「それも、俺の能力の一つです。

……記憶を、改変できます」


ざわ、と空気が揺れた。

顔には出していなくとも、「そんな馬鹿な」「信じがたい」と思っている者がいるのは分かる。


だからこそ――。


「証明します」


陽介は、右手を上げ、人差し指と中指の二本を立てた。


「今、俺は指を二本立てています。これを覚えてください」


全員が頷くのを確認してから、代表者を募る。

一人のメイドが静かに名乗り出た。


翔と野々花も前に出かけたが、「信憑性のため」と伝えて下がってもらう。


「これから行うのは、簡単な“手品”です」


陽介は説明を続ける。


「俺が立てている指の本数を、皆さんに記憶してもらいます。今は二本ですね。

そしてこのメイドさんには、不正がないか確認してもらいます。」


メイドは頷き、陽介の指に触れた。

指がこれ以上動かないことを、しっかりと確かめる。


「……準備できました」


皆が数字を覚えたことを確認し、陽介は手を体の後ろに回した。


「これから、皆さんの“俺が立てていた指の本数”の記憶だけを書き換えます。ですが、このメイドさんの記憶は、そのままです」


了承が得られたのを確認し、能力を発動――する、その瞬間。


「っ……!」


メイドの手に、ぐっと力がこもった。


(き、きつい……!)


不正を警戒しているのだろう。

指が潰れそうなほど強く握られ、陽介は内心で悲鳴を上げながらも、表情を崩さないよう必死に耐えた。


(頼むから、もうちょい優しく……!)


そんな心の叫びとは裏腹に、会議室の空気は張り詰めていく。

この“手品”が成功すれば、会議の進行速度が大幅に早くなるはずだ。


陽介の心の叫びはもちろん聞こえておらず、誰もが手品の結果を固唾を飲んで待っていた。

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