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創造神は救いたい  作者: ヒヨコのピヨ


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通学圏

引き続き陽介パート

陽介は、昨日とほとんど同じ時刻に目を覚ました。目覚ましを止め、軽く伸びをしてから起き上がる。特別な夢を見たわけでもないのに、妙に頭が冴えていた。

簡単な朝食を済ませ、制服に着替える。食器を片付けながら、自然と昨日のことが脳裏をよぎった。


増えていた法力総数の数値。理由のわからない違和感。


考え出すときりがない。今は保留だ。

身支度を整え終えた頃、ちょうどユラナスが来た。昨日渡しておいた服をきちんと着ていて、相変わらず無駄のない所作だ。


「お待たせしました」

「いや、ちょうど今終わったところ」


二人は連れ立って家を出た。


昨日と同じルート。

家の近く、最寄り駅周辺、隣駅、その先の隣町まで。小さな異変や軽度の事件を一つずつ潰していく。

今日は意識的に休憩も挟んだ。昨日の反省だ。コンビニで飲み物を買い、ベンチで数分座るだけでも、思った以上に疲労が違う。


そして昼。

例のファーストフード店で、ようやく腰を落ち着けた。トレーを挟んで向かいに座るユラナスを見ながら、陽介はずっと引っかかっていたことを口にする。


「なあ……さっきからっていうか、今日ずっとなんだけどさ。視線、感じないか?」


ユラナスは一瞬だけ目を瞬かせ、それから落ち着いた声で答えた。


「昨日のあの子だと思いますよ。高城陽くん、でしたっけ」

「……は?」


思わず聞き返すと、ユラナスはさらっと続ける。


「昨日、連絡先を交換しましたので」

「いや、なんでそれ言わなかったんだよ」

「作業に支障はありませんでしたから」


あまりに当然のように言われて、陽介は言葉を失った。

ちなみに。陽介はユラナスの電子機器類の扱いが下手だということを思い出したのだが、口には出さないでおいた。


結局、気になって仕方がないまま昼食を終え、店を出たところで陽介は足を止める。


「……出てきなよ」


そう声をかけると、少し離れた電柱の陰から、高城が驚いた顔で姿を現した。


「す、すみません! でも、その……!」

「いや、怒ってるわけじゃない」


顔を見た瞬間、高城は昨日と同じように深々と頭を下げ、再び感謝の言葉を述べた。その必死さに、陽介は少し気が抜ける。


「で、どうやってここまで来たんだ?」

「えっと……学校のワッペンから通学圏を割り出して、そこから“影浦”って表札を探して……」


聞けば聞くほど無茶苦茶だ。呆れるのを通り越して、正直感心してしまう。


「……根性あるな。

それで、なんでついてきてるんだ?」


問いかけると、高城は少し照れたように視線を逸らしながら答えた。


「いろんな事件を解決してるって知って……その……すごいなって」


陽介は思わずユラナスを見る。

ユラナスは、すっと目をそらした。昨日言っていた“信仰心”を育てる、というやつだろう。


「俺は神でもなんでもないぞ」


軽くそう注意すると、ユラナスは珍しく黙り込み、何かを考えるような表情になった。その様子が妙に印象に残る。


結局、高城とは軽く話をしただけで別れ、その後も二人は夕方まで、淡々と事件を解決していった。

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