終わりの始まりの、始まり ②
授業直前の日常です。
影浦陽介たちの時間割(水曜日)
一限目:物理
二限目:国語
三限目:化学
四限目:技術
五限目:数学
六限目:英語
七限目:音楽 ____________________________________
「最初の授業は確か・・・。」
つぶやきながら陽介は記憶を探った。確か化学だ。曜日のことを気にせずにそこまで考え、実験記録書をもって化学室へと移動をしようとした。その時だ。後ろから声が聞こえた。ついでに笑い声。
「おい陽介、水曜日の一限目は物理だぞ。もう認知症でも来たんじゃねーのか?」
バカにしつつも正しい時間割を教えてくれたのは、滝本翔だ。そして気がついた。今日が水曜日だということを。「なんて馬鹿なのだ」と反省しつつも。
「……マジか。ありがと、翔」。
「ったく、昨日も寝不足だったろ。コード書いてたんだろ?」
なんだかんだで優しい翔に感謝を伝える。と同時に、 図星を突かれ陽介は小さく肩をすくめた。
「まあ、そんなとこ」
「お前さ、脳内がずっとパソコンみたいになってんじゃねぇの?」
翔は笑いながら教室を出ていく。
その背中を見送りつつ、陽介も物理の教科書を手に立ち上がった。
授業内容は、次回ざっくりとまとめて書きます。




