色違いのパーカー
前回、少しセリフ変えてたんですが、「変えないほうがいい」とのこと。いずれ変更する予定ですので、気に入らないと思った方はこちらの報告が来次第見に戻って下さい。
勉強会が一段落つき、テーブルの上に散らばった参考書を閉じたところで、野々花が小さく伸びをした。
「ふぅ……お疲れさま。今日、結構進んだよね」
翔も肩を回しながら頷く。
「まぁな。思ったよりマシだったわ」
そんな中、陽介は二人に向き直ると、少しだけ神妙な顔になる。
「……あ、そうだ。一応言っておくけど、パトロールの件な」
翔と野々花は、急に真面目になった陽介の声に自然と姿勢を整えた。
「ユラナスと二人で分担するから、次の二日間……明日と明後日はどっちも、パトロールに出る予定なんだ」
野々花は「あー……」と口を尖らせ、ちょっと残念そうな目をした。
「そっか……明日か明後日のどっちかはは無理って言ってたけど、どっちもなんだね」
「まぁ……うん。ごめんな」
「ううん、仕方ないよ。大事なことだしね」
苦笑しながらも、どこか寂しさの混じった優しい声。
翔は腕を組み、ぶっきらぼうな顔で言う。
「……気をつけろよ。なんか最近いろいろ起きてんだろ?」
それは、彼なりの気遣いだった。
陽介は「おう」と軽く頷く。
ユラナスは黙って立っていたが、今日の勉強会の間ずっと陽介のそばから離れる気配がなかった。
本来なら一応は監視役のはずなのに、妙に自然体で……妙に頼もしい。
(明日も明後日も一緒に来る気なのか……まぁ、ちょうどいいか。隠してる能力の確認もしたいし)
翔も野々花も気づいていないが、ユラナスの“何か”は確実に常人とは違う。
そのヒントを探る絶好のチャンスだった。
「じゃ、今日は解散かな」
野々花が言い、翔も鞄を肩にかけた。
「陽介、ホント気ぃつけろよ」
「お前らもな。家まで気をつけて帰れよ」
二人はそれぞれ手を振って帰り、部屋には陽介とユラナスだけが残った。
「じゃ、明日の集合時間は……七時半でいいか?」
「了解しました。問題ないですよ」
最近はべったりしなくなってきた分、接しやすい。
なんだかんだで今日もかなり助けられた気がする。
ユラナスも軽く手を上げて帰っていき、窓が閉まった後――
「……クーポンって、結局なんだったんだ?」
今さら気づいた。
今日の会話の流れで、完全に聞き逃していた。
「うわ、まただよ……ほんと俺、タイミング悪い……」
少しだけ凹みつつ、陽介はそのまま風呂へ向かった。
頭を洗いながらも「あれ何だったんだろ」とぼんやり考え、
夕飯を食べ、布団に入ればすぐに眠気が襲ってきた。
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――翌朝。
目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
まだ外は少し肌寒い。
陽介はクローゼットから、フード付きの黒いパーカーを取り出して羽織る。
(……これなら動きやすいだろ)
コーヒーを淹れて朝飯をゆっくり食べ、約束の時刻まで家の中で待機。
やる事も無いのでカップのコーヒーから出てくる湯気を見つめていると。
時間ぴったりに窓が叩かれた。来るときぐらい玄関から来いよと心のなかで突っ込みつつ、鍵を開ける。
窓を開けると、ユラナスが静かに立っていた。
どことなく整った顔立ちで、無駄に目を引く。
このまま連れ歩けば普通に注目される。
「……あー、そのまま外歩くのはちょっとな。ほら」
陽介は、自分が今着ているものの色違い――
灰色のフード付きパーカーを手渡した。
ユラナスは一瞬だけ瞬きをして、
「……これを着れば目立たない、という判断ですか?」
「まぁ、そんなところ」
「ならいいです」
ごく自然な動きでパーカーを羽織ったユラナスは、思った以上に馴染んでしまい、陽介は心の中でちょっとだけ笑った。
「よし……行くか」
「うん」
そして、敬語と自然体の言葉が入り混じるユラナスを連れて、部屋を出た。
――今日からの二日間、ちょっと大変になりそうだ。
それでも陽介は、どこか不思議と気が軽かった。
前回のような、別キャラの現在に至るまでの視点って、連続で投稿すると嫌だったりするかな?
よかったらコメントください。
あと、僕の別の作品ってどうやって読めばいいの?ってコメント来てたんで、
マイページ(?)のURL貼っときます。↓
https://mypage.syosetu.com/2935737/




