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創造神は救いたい  作者: ヒヨコのピヨ


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つくづく不幸な”暴君”

”暴君”ディオニスの日々です

退屈──その一語に尽きる。


宇宙の端で揺蕩いながら、ディオニスは顎に手を当てていた。

“創造神”、そしてその脇にいつもいる“活発”と“柔和”。

あの三柱が仲良くしているだけで、なぜか腹が立つ。

気に入らない。実に気に入らない。


「……あいつら、今日も楽しそうだな? チッ」


視線をそらしたその先に、彼らが妙に大切にしている惑星が目に入った。

あれほど大きい宇宙の中で、なぜ“あの星だけ”あんなに目をかけるのか。

理解できない。


そして、理解できないほど──いじりたくなる。


「ちょっとだけ、軽くつついてやるか」


ディオニスは、悪気のかけらもなく指を鳴らした。

そのとき視界の端に、ひとりの少年が映り込む。

影浦陽介という名らしい。


「……ふん。創造神の好み、変わらんな」


どこかで見覚えのある雰囲気をしていた。


“創造神”に少し似ているような、似ていないような……妙に気になる。

次の瞬間、胸の奥で何かが弾けた。


ああ、コイツに何かやったら面白いかも──

軽率という言葉だけでは表せない衝動で、ディオニスは陽介に力を押しつけた。


「ほら。受け取れ。暴君の力だ。どう料理するか見せてもらおうじゃないか」

___________________________________

……それから数日後。

陽介を観察していたディオニスは、信じられない現象を目の当たりにした。

何にも変化していない。


本当に、何ひとつ。


「あぁ?? オイ、嘘だろ……? どうしてそうなるんだよ……!」


暴君は頭を抱えた。

せっかく力を与えたのに、

せっかく“創造神”たちの顔色を変えようとしたのに、


せっかく、せっかく、せっかく……!


「動けよ、お前ぇ……!!」


だが陽介は、変に慎重で、変に優しくて、変に真面目で、

扱いづらいことこの上ない。


業を煮やしたディオニスは、任務のためかそばにいたユラナスに愚痴をこぼした。


「お前の主、もっと派手にやれって言ってやれよ。全然驚かせられねぇんだよ」


するとユラナスは、やけに清らかな顔で言った。


「私の主は、もっと派手に動かさないと動かないと思いますよ」


その瞬間だけは、ディオニスの眉が跳ね上がった。


「そ・れ・だ!!」


陽介は真面目すぎる。

なら周囲を動かし、環境を爆発させればいい。

その方が派手に事が運ぶ。

案の定、陽介はすぐ動いた。

しかも思ったより全力で。


そして。

”創造神”の使徒が、一斉に地球へ飛び降りたのだ。


「あっはっは! 気づいたな!? やっと俺に気づいたか!!」


ディオニスは両腕を広げ、歓喜に震えた。


「ようやく、ようやく俺の仕掛けに反応したか……ッ!」


だが、そこで予想外のことが発生する。


――陽介の動きが変わった。

妙に慎重になり、

妙に考え込み、

妙に落ち着いている。


「あ? 待て。お前、俺を避けようとしてねぇか?」


面白がってくれればいいのに、

怖がればいいのに、

破壊的に動き回ればいいのに。

なのに、陽介は妙に“整理”しようとしている。


「……チッ。つまらねぇな。じゃあ見る夢くらい、少し味付けしてやるか」


ディオニスは悪い未来の“映像”を、陽介の夢にそっと流し込んだ。

ほんの悪戯。

ほんの刺激。

ほんの

──不安を植え付ける程度。


「これでちょっとは動くだろ」


そう思った矢先。

ユラナスが、陽介の心へ滑り込み、

その夢の主導権をひょいっと奪い去った。


「………………は?」


数秒後、ディオニスは震え始めた。



プルプルと。


小刻みに。


怒りとも…悲しみともつかない感情が胸の奥で渦を巻く。


「おい……俺の……俺の“演出”……返せよ……」


ユラナスは気づいていないのか、

それとも気づいた上でやっているのか、

どちらにせよディオニスは歯を食いしばった。

たかが“創造神”の使徒如きが、自分の“暴君の演出”を打ち消すなど。

許せるわけがなかった。


しかし──

今すぐ出て行くのも、何か負けた気がして悔しい。


「…………もう……限界なんだけど」


神域の片隅で、暴君は拳を握りしめる。

このまま黙って見ていられるか。


あいつらの静かな世界? そんなもん──俺が壊してやるよ。

思ったよりもカマチョ方向に傾いてしまった

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