終わりの始まりの、始まり ①
最近はなろうで「Re.ゼロから始める異世界生活」と、紙の本で「幼女戦記」を読んでいます。面白いです。
朝のホームルームが始まる。
担任の成瀬隆也先生が、いつものようにドアを開けて入ってきた。
「おーい、席につけー。まだ寝てるやつ、顔洗ってこい」
低いけれど、不思議と優しさの混じった声。
その響きに、生徒たちはゆっくりと腰を上げ、ざわめきが少しずつ静まっていった。
出席を取る間、教室には鉛筆の音と紙が擦れる音だけが残る。
窓の外では、薄い雲が空を覆っていた。
……なんか、気味が悪い天気だ。
もうすぐ自分の番が来る。そう思って、窓に向けていた焦点を教卓へ戻す。
「……影浦」
「はい」
短く返すと、成瀬先生は軽く頷いて次の名前へ進んだ。
ただそれだけ。けれど、妙に“静かすぎる”空気が引っかかった。
胸の奥で、小さな警鐘が鳴る。
――何かが起きる。
そう確信できるほどの勘が働いた。
けれど、教室にはいつも通りの朝が流れている。
何が起こるのかまでは分からない。考えすぎだ、と自分に言い聞かせて思考を止めた。
……まあ、いいか。
陽介はそう区切りをつけ、ノートを開いた。
そのとき、隣の席から小さな声が聞こえた。
「ねぇ、今日も部活、行くでしょ? コンピュータ部だったっけ?」
南野々花が、いつものように柔らかく微笑んでいる。
「そうだよ。……まあ、たぶん行く。」
「そっか。がんばってね。」
チャイムが鳴った。
いつものように始まり、いつものように過ぎていく朝。
そして、いつものように――授業が始まった。
……ただ一つ違っていたのは。
その“静けさ”が、まるで世界全体を包み込む前触れのように感じたことだった。
前回と被ってしまっている描写があったらすみません。




