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創造神は救いたい  作者: ヒヨコのピヨ


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38/67

カンニング

ユラナスが、想定していた以上に可愛いキャラになってしまいました

勉強会は、一応“勉強”として成立するように、能力デモは休憩時間に回すことで全員一致……ではなく、野々花と翔が「なんで!?」という顔をしたまま決定された。

それを無視しつつさっそく教科書を開き、それぞれの勉強が始まった。

翔は昨日より明らかに読み進める速度が速くなっている。

分からない部分は素直に野々花へ聞いて、理解できたらちゃんと頷く。

野々花も問題をテンポ良く解き、集中しているのが伝わってきた。


……問題はユラナスだ。

俺のノートを覗き込みながらニコニコしているだけで、自分の教科書がまったく開かれない。


「おい、なんでお前は勉強してないんだ」

「考える時間は【空間停止】で無限に作れますし、分からなかったら【時間停止】でちょっとだけカンニ——」

「勉強しようね?」

「……はい」


悪びれもせず言うのが逆にタチが悪い。それを笑顔で制しつつ、試験時に他の能力者の悪さが起こる可能性を考えて結界を作るつもりだと伝えると、ユラナスは一気に真面目モードへ突入。

教科書とにらめっこをしはじめた。

その姿を確認して、俺も本格的に勉強へ集中した。

___________________________________

――二時間後。

休憩時間になり、リビングの床に敷いたマットへ移動。

ユラナスが野々花と翔へ【時間停止】と【空間停止】を順番にかけていくあいだに、俺はキッチンで緑茶とお菓子を用意した。

能力創造で、試験用の結界案を組み立てていると——


「陽介くんも……体験してみますか?」


いつの間にか背後に来ていたユラナスが、少し楽しそうに訊いてきた。

野々花と翔に視線を向けると、満足そうな顔が見られることから、二人は体験し終わったのだと感じた。

そしてユラナスの提案だが、興味がないわけじゃない。

むしろ気になっていたのでお願いした。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


「じゃあ、まずは【時間停止】から」


そう言われた瞬間——視界が一枚、薄い膜越しになったような感覚が走り……

気づけば解除されていた。

意識の空白。

“体験”と言えるほどの感覚が残らない。


「次は【空間停止】です」


今度は、意識がハッキリ残っている。

思考もしっかり働くし、心臓の鼓動も感じられる。

ただ——身体が、動かない。

動かそうと意識しているのに、筋肉の反応がシャットアウトされているような奇妙な感覚。


「……すげぇなこれ」


解除されたあと、素直にそう伝えた。

テーブルの端では、野々花と翔が出しておいたお菓子をむしゃむしゃしながら俺の反応をガン見していた。

一方ユラナスはというと——


「……えへ……」


口元がゆるみ、顔を真っ赤にしている。

慌てて湯飲みに手を伸ばし、お茶を飲んだものの熱かったらしく、


「ッ……!」


さらに顔を赤くする始末。

その様子があまりに分かりやすくて、俺、野々花、翔の三人は思わず吹き出した。

ユラナスはほんの少しだけ頬を膨らませ、むすっとした表情でそっぽを向いた。

休憩を終え、勉強再開。

外が暗くなり、野々花と翔は「また明日」と帰っていった。

皿や湯飲みを片付けているあいだに、ユラナスが二人を玄関まで見送ってくれた。

そのまま帰るのかと思いきや、

なぜか戻ってきた。


「……お前、帰らないのか?」

「帰っても寂しいので……あと、勉強の意欲が出ません。教えてほしいです」


素直というか、計算しているようでしてないような……判断が難しい。

仕方なく一時間ほど勉強を教えることにした。

その後、ユラナスは窓を開けると、その向こうに淡い光のゲートを作り、


「そういえば……クーポン、ありがとう」


と、小声で言ってから異空間へ帰っていった。

……クーポン?

なんの?

晩飯を食べ、風呂に入り、布団に入り、眠りにつくまで——

俺の頭の上には、デカいクエスチョンマークが浮かび続けていた。

明日というか今日の午後は予定があり、なかなか投稿できないと感じたため、この時間帯での投稿になりました。許せ、best friends(こないだは親友が一人しかいない悲しいヒヨコになりかけていたので、sを足しました)

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