ブサイクと言われたので、10回かわいいと言ってください
「彩さん、今日も綺麗だ~……」
「麗しいよな。背が高いし、胸でけぇし、顔も良いし」
「おまけに学力も高くて、品性もあって、優しいし」
高校にいる女子生徒の中でも、男子生徒から人気とは違った憧れを持たれる者はいる。
この学校では、輪島彩がその筆頭であるが。本人は天然気味で自覚はないし、男子生徒達が噂話をする以上にとんでもないのがあって
「武道強すぎ」
1個人が持っていい武力じゃないくらい。その身体能力も高い。その綺麗さから悪い男達が5人で取り囲んで、この彩と遊びに行こうとしたのだが。
彩は、散歩するかのように、軽く撃退してしまう。”超人”と呼べるべき運動能力を持つ。
『ごめんなさい。私、友達と出かけるところなんです。寝てる人達を助けられません』
そんな彩の一番の友達は、沖ミムラというツインテールの元気な子だ。とても気が合う同士であり、幼馴染。このミムラもまた、ちょっとどころではないくらい、異常な女子生徒だが……。
それはまぁ、今回使わないので割愛。
で。
「ミムラ。今日はご機嫌ね」
「彩~!聞いて聞いて!この前、藤砂さんから紹介してもらった、広嶋くんいるじゃん!」
「ああ、彼ね。私達と同い年で、野球好きな人ね」
「そーそー!!明日ね!明日!!一緒に出掛けようと約束したら、OKもらったの!いつもの喫茶店に来てって!」
ミムラの一目惚れと言ったら、それまでであるが。
その人に会った感じはミムラも好印象。彩も一緒に会っているので
「良かったじゃない。ミムラにもまた、そーいう人ができるって。とっても良い事だわ」
「うん!!で、今から楽しみでさー!デートとかのプランないけど!お互い、気が合うって大事じゃん!!」
「ミムラと広嶋くんって、性格が逆な気もするけど」
広嶋という男が、こーいう元気な女の子と同じテンションではないが。
「プラスとマイナス。N極とS極みたいに。似てはなくても、繋がれる関係だと私は思うわ」
「えへへへ!まー、広嶋くんからはそこまで言われてないけど!いつかはね!!」
広嶋くんと上手く行けるよって応援をする、彩。
自分が言っている例えの意味が、ミムラにも本質的に伝わっている辺りで、やっぱり一番の友達。だって、ミムラと彩はま~~~ったく、他所から見ればどうして仲が良いかは分からない。
「ふふふふ、ミムラがデート?」
「彩の連れ添いの癖に!」
輪島彩のような女子生徒が男子に憧れを抱かせるのなら、それに嫉妬するクラスメイトの女子達がいても不思議ではない。そんな彩と仲良しなミムラの事をどう思うか
「どーせ、そこの彩が目当てでしょ」
「!違うもん」
「彩は美人だし、ミムラなんか当て馬だわ」
「むーっ……」
冗談にも色々あるけど、人それぞれにある一線を超えるのは良くないものだ。快く思えないからこそ、言ってしまう事がある。
「ミムラなんか”ブサイク”なんだから」
「彩にくっついてて、鬱陶しいのよ!」
「!!!」
誰に言われるかで大きく変わる者だ。だが、言われたらイラッとする事もある。
「うーん。ミムラの良いところは、元気で明るくて楽しい事を楽しくしてて、すごーく運が良いところ」
「彩」
「なにより私にとっては、心置きなく本心を話せる幼馴染だから。謝る必要はないですけれど、そこまで言うのはちょっと……どうかなって思う。ミムラはそのままでいいんだから」
◇ ◇
「…………む~……」
明日、広嶋くんと会う約束をしたのに……。
いくら、彩が言ってくれても……
「傷つくなぁ……」
別にその気はないのに……。彩と一緒にいると、お互い分かり合えてるからだけなのに。そーいうところ、彼も似てるからさ。
でも、それって酷いよ。ちょっと寝れないし、メイクとか自信なくなっちゃうよ。どうにかして欲しいなぁ。こんな気持ち。
彩は言われた事ないだろうし、そりゃあ、彩は学校で一番美人だし。すでにアイドル(?)とかのスカウトさんにいくつも声を掛けられてるくらいだし。
どーすればいいんだろう。
ブイイィィッ
「!」
そんな時に連絡をしてくれる。君が心配だからと、ホントに強い幼馴染。良い助言とも言えないけれど、彩も広嶋くんと出会っているから、これなら行けるって案を伝えた。
◇ ◇
「そうか、学生生活を楽しんでいられるのか」
広嶋くんもワケありタイプの人間側。
そんでもって、ミムラの読みやすい表情から
「だが、なんか。嫌な事でもあったか?」
「あ、あははは。バレちゃう?広嶋くん、そーいうの分かってくれるね」
「お前が顔に出し過ぎなだけだ」
「昨日ね。ちょっとね」
気にしているところから、別の感情が湧いてくる。これは恥ずかしい気持ち。彩はここにいないけど、強いメッセージをくれた。やってみるよ!!って!!
「広嶋くんとデート前日に、クラスメイトにブサイクって言われてさ」
「そんなもん」
被せるんじゃない!!ここは速攻で!!
「ひ、広嶋くんに、『可愛い』って10回言ってくれないと治らないなって……」
「……………」
広嶋くんの顔が気にすんなって顔から、何を言い出すんだこいつは……って呆れから……ガックリと頭を落としたかと思えば
「はははは」
笑って顔を上げてくれた。だからこそ
「は、早く!言ってください!!喫茶店のお客様達もいる前で!!傷心してるんです、私!」
「はははははは!」
「もーっ……!」
ミムラが広嶋の事を強く思っているけれど、広嶋にとってミムラはまた別の気持ちを持っているか。そこに応える事はまだできないが。
断言できる事はさ
「10回もいらねぇだろ」
「それだけ傷つく言葉なんですよ!」
彩のメッセージには、こうも書かれていた。
「ミムラ。お前がそーいう事を、顔赤くして言ってるのは純粋に可愛いと思ったから、10回もいらねぇだろって事だよ」
「!……可愛いって今、言ってくれましたね!!やった!!」
「あ~もう、ミムラは面倒な奴だなぁ。1回言ってやったんだから」
”広嶋くんなら、そんなミムラに本心からその気持ちを言ってくれるよ”
◇ ◇
「デートはどうだった?」
「で、で、で、デートっていうか、お、お、お食事なんだけど。よよ、夜とかそんなのなーい!!彩の言うとおり、広嶋くんから可愛いって言われました!!」
「良かったー。きっと私もそうだと思ってたわ」
「でさでさ!これから広嶋くんと色んなところ行く予定にもなったの!」
「彼。ちょっと変わってるから、観光気分じゃダメよ」
「分かってるって!ミムラの”天運”を期待してくれるって感じだったし!!」
そんなこんなで、ミムラと広嶋のお付き合いは始まるのであった
先日、クレーマーに暴言吐かれまくった結果。
(ボケとか死ねとか)
そして、恋愛物の話が浮かんできました。
なんででしょうかね?
クレーマーと恋とか金輪際ゴメンなんですが。




