表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

寝床が決まる

「巫女様、失礼します!!」


「あら、ミリカさん。

おはようございます」


ここは教会に併設された住居区。


主に孤児院の役割をしている建物である。


その部屋の一室をミリカが訪れると、中からは百代が姿を表した。


実は奉納の舞を踊った後、神父から街に滞在している間は是非ともここに滞在してほしいとお願いされてここに泊まる事になったのであった。


カイトは自身が取っている宿屋の部屋があるという事で、そちらの方へと帰っていく。


「巫女様、身支度の手伝いをさせていただきますね」


「あらあら、それではお願いしようかしら」


奉納の舞からすっかり百代に心酔してしてしまったミリカ。


彼女は滞在中の百代の世話を志願し、夜から付きっきりであった。


今日も朝早くからやってきたのだが、巫女としての習慣から既に目覚めて身支度を整えていた百代。


とりあえずはと、彼女の長く美しい金色の髪を梳かす手伝いをすることにしたのだった。


「巫女様の髪は黄金のように美しいですね。

故郷でもさぞ持て囃された事でしょう」


「私の国では殆ど全ての人が黒髪だったので、金色の髪を持つ私は憧れよりも畏怖の対象でしたね。

恐らくは両親から受け継いだのでしょうが……物心ついた時には両親はいなかったですし」


「そ、それは……無神経なことを言ってしまって申し訳ありません」


百代の答えに恐縮しながら謝罪する。


だが、鏡越しに見る彼女はなぜ謝っているのか分からないという顔をしていた。


「何も謝る必要はないのではないですか?

私は髪の毛を綺麗と言ってもらえて嬉しかったですよ。

私を拾って育ててくれた方も、百代の髪は太陽のように眩しくて綺麗だと褒めてくれましたからね」


そう語る百代の顔はとても優しく、昨夜の女神を彷彿とさせるようでミリカは思わず見入ってしまった。


身支度を整えた百代とミリカは部屋を出ると、既に朝の食事の準備ができているということで食堂へと向かった。


食堂にはここで育てている子供が沢山おり、彼らは見たこともない格好をしている百代を見てわいわいと騒いでいた。


ベテランのシスターがその騒動を抑えながら、百代の事を紹介すると子供達はちゃんと静かになった。


しかし、興味はあるのかチラチラと百代に向ける視線は感じていた。


「すいません、巫女様」


「いえいえ、子供らしくて良いではないですか」


「この後のご予定は?」


「折角ですのでこちらの生活を学ばせて頂こうかと。

差し当たってはミリカさんが普段行っていることを見せていただいてもよろしいでしょうか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ