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百代と二柱の神

「おいおい、この姉ちゃんが俺たちの相手をしてくれるってのかよ」


「ゲヘヘ、今から激って仕方ねえぜ」


10人以上の無頼者達が百代を取り囲む。


絶世の美女である百代の姿にかなり興奮しているようで、これから起こるであろう役得に期待しているのが分かった。


だが……


「やれやれ、本当に愚かな事ですね」


百代に宿り、身体の主導権を握っているラクネは彼らの愚かさを嘆いていた。


豊穣の女神である彼女にとって、人類は皆が己がこのように可愛い存在である。


だからこそ、オイタが過ぎるようであれば躾をしなければいけないと考えていた。


「ホーリーチェーン」


ラクネがボソッと呟くと、彼女の足元が光り、そこから無数の光で出来た鎖が現れる。


その鎖はあっという間に無頼者達の身体を絡め取って拘束してしまう。


「な、なんだこりゃ!?」


「くぅ、は、はずれねぇ!!」


無頼者達は何とか鎖を外そうとするがビクともせず、逆に力を加える事でより良い力で締め付けられた。


これで全員が捕まった……と、思った直後に、拘束された無頼者達の影から1人の男が突きを放つ。


「!?」


咄嗟に反応できずに突きが喉をとらえる……そう思われたのだが、超反応を見せた百代はその一撃を両の掌で押さえた。


それでもグイグイと前へ詰めてくる無頼者。


防戦一方だった百代であるが、ここで彼女が叫んだ。


「おい、起きろ馬鹿!

ヤバいから完全同調するぞ」


「ふぇ……あ、はい。

完全同調ですね……せいや!」


可愛らしい掛け声と共に現れたのは、先程と同じクノイチの格好となった百代であった。


変身ついでに無頼者の剣の切先を、可愛い声でへし折っていた。


「へ、あ、は?」


突然の出来事に混乱している無頼者。


だが、そんな彼の前に百代の拳が迫っていた。


「本当にごめんなさい!」


その拳は無頼者の顎を的確に打ち抜き、彼は即座に脳を揺らされて意識を失った。


(女神様に任せといたらコレとは本当に呆れるな)


(す、すいません……まだ身体を扱うのに慣れていなくて)


「まぁまぁ、全員倒せたんだからいいじゃないですか。

この鎖の封印は暫く持つんですよね?」


百代は自身に付いている二柱と会話をする。


彼女が度々1人で会話をしていた事、これはラクネともう一柱。


遥か以前から共に旅をしてきた相棒ともいうべき神……荊木という存在との通じ合っていたからである。

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