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一触即発

「え、あ、はい!」


「ま、待て……そこは!!」


ドルネスト子爵が止めるが既に遅く、ミリカは支持された場所を漁る。


そこは百代の言う通りに二重底となっており、その下には多数の書類が納められていた。


「これは……裏帳簿ですか!?」


ミリカに続いていたカイトがその書類を確認する。


そこにはドルネスト子爵の不正を明るみにするもの……カイトが求めていた物的証拠があったのであった。


「貴様、なぜその場所を知っている!?」


「私はこの街が作られた時から人々の暮らしを見守っていました。

勿論、貴方が5年前に赴任してきてからのことも全て見てきていますよ」


「貴様は一体……は!

その容姿はまさか、噂になっている巫女というやつか!!」


ここに至ってようやく百代の姿をはっきりと視認したドルネスト子爵は、彼女こそが部下から報告を受けた神下ろしの巫女だという事に気が付いたようである。


「控えなさい!

巫女様は現在、神下ろしの状態にあります。

つまり、ここにおられるのは女神様であらせます」


「な、何だと……そんなバカな。

神を下すなどと、そのような芸を持つ旅芸人の技では無かったのか!?」


「先程も言った通りに、私は貴方の悪行をしっかりと見てきました。

ここでしっかりと反省して罪を償うのです。

そうすれば……」


「ええい、今更引き下がれるものか。

誰か!こ奴等を始末してしまえ!!

証拠の隠滅など、後でどうとでもなるわ!」


ドルネスト子爵が叫ぶと、部屋の扉から何人もの無頼者が部屋へと侵入してくる。


その数は百代達と比べてざっと5倍いるであろう。


「へへ、こいつはたっぷりと弾んでもらう必要がありますぜ」


「構わん、こ奴らを始末すれば望むだけの褒美を与えてやる」


「だ、そうだ!

お前ら、気合を入れろよ!!」


『おおーーー!!』


無頼者達のリーダーらしき音が手下に発破をかけ、その声に応えるように気合を入れる。


「すいません、このような事に巻き込んでしまって」


「いえ、私が望んできた事なので構いませんよ。

この者達の相手は私が引き受けましょう。

お二人は其々のお相手をお願いして良いでしょうか?」


百代が視線を動かした先には、ドルネスト子爵と、それを守るような位置に無頼者のリーダーがいた。


「ならば私が露払いを務めましょう。

シスター・ミリカは彼と因縁があるようですしね」


「そうして貰えるとありがたいです。

女神様、本当にお任せして大丈夫でしょうか?」


「このような者達に遅れをとる私ではありませんよ」

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