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突入

ドルネスト子爵……彼は5年前にこのエルーサの街を与えられた貴族である。


元々この街を治めていた貴族は、エルーサの街を発展させた功績から伯爵の地位を賜り、より大きな領地を与えられて赴任していった。


その後継として、当時男爵から子爵へと格上げされたドルネストだが、その手腕は今一つという他無かった。


数字をよく見せるために必要な予算を削り、更に気に入った女性を見つけたら直ぐに手を付けようとする。


その悪癖の分かりやすい被害者は、予算を減らされた教会の孤児院と、ドルネストに目をつけられていたミリカであろう。


これらはミリカからの証言で判明している事だが、他にカイトが部下を使って掴んでいる悪事としては脱税や、数字弄りにより通した補助申請など。


この数字の不正に関しては、わざわざ前任者の伯爵を訊ねて照会をお願いしたほどである。


結果は真っ黒という形になり、それを逃げられない状態で突きつけるために見張っていたのだが、遂にチャンスが訪れたという訳である。


街に戻ってきた一行は、その足で真っ直ぐにドルネストの屋敷へと向かう。


「止まれ!!」


「これ以上先に行かせるなら!!」


異変に気付いたドルネストの私兵達が道を塞ぐ。


「ここは頼みます。

私達は本丸へと向かいましょう」


カイトの号令でドルネストとカイトの部下隊が戦闘を始める。


そして、その脇をカイトと共に百代とミリカは駆け抜けていった。


ドルネスト子爵の屋敷へと辿り着き、そのまま中に突入し、彼がいる執務室の扉を激しい音を立てながら開く。


「な、何事だ!?」


「ドルネスト子爵、数々の不正の罪で貴方を捕縛します」


「ふん、だれかと思えば国王の飼い犬か。

不正とは何の話かな?」


「とぼけても無駄ですよ。

数々の証言も得ていますし、本日は貴方が起こした狂言誘拐の裏も取れています」


「狂言誘拐……それこそ何のことか分かりませんな。

言いがかりも甚だしい」


「貴方の部下も捕縛して証言得ていますが?」


「私の部下は本日は全てこの街に滞在しております。

もし、街の外で私の部下を名乗る者がいるのであれば、それは詐欺師か何かですな」


「く……あくまでしらばっくれるつもりですか」


「知らないものは知らないのですから仕方ないでしょう」


予想外のドルネスト子爵の粘りに2人の話し合いが膠着状態に陥る……そう思われた時であった。


「ミリカ、その右の棚にある引き出しの下が二重底になっているので調べてください」


この状況を打破するべく発言した人物、それは今まで話の流れを見ていた百代であった。

私事ではありますが、書いたり読んだりという別サイトにて『悪役令嬢の後日談』という作品を、この話掲載と同時に第一話が掲載されるように予約投稿しましたので、よろしくお願いします。

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