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クズの領主

「お待ちしておりました、カイトさん。

彼らは子供達を誘拐した者達です。

捕縛、お願いできますでしょうか?」


「あ、ああ、それはもちろん。

でも、よく私がここに来ていると分かりましたね」


「ええ、私には知らせてくれる御方がいらっしゃいますので」


「そ、それよりもカイトさんはどうしてここにやってきたんですか!?

それに後ろの兵士たちも」


和やかに談笑している二人に待ったをかけたのはミリカであった。


カイトが連れてきた兵士達はテキパキと誘拐犯達を捕縛していた。


「それは……あんまりのんびりしていられないので、道中でのお話でも良いでしょうか?」


「はい、もちろんです」


街への帰り道で聞いた話を総合すると、カイトは元々はこの街の領主の不祥事について調べる為にやってきていたらしい。


そして、彼の屋敷を見張っていた結果、怪しい動きをする領主の私兵達を見かけたのだそうだ。


その私兵を追いかけつつ、彼らの話を盗み聞きした結果。


「教会の子ども達を誘拐したことと、その誘拐犯と繋がっていること。

更に、その誘拐犯達を裏切って捕縛することで、教会に恩を作ろうと考えていたようですね」


「え、わざわざそんなことする必要あるのですか?

孤児院の運営は領主様からの補助金が使われているとお聞きしましたので、元から繋がりはありますよね?」


カイトの説明に百代が疑問の声を上げるが、その説明をミリカへと促した。


「ミリカさんならお分かり頂けますよね?」


「実は教会と領主の関係は非常に悪いのです。

孤児院を運営していて補助金を頂いてはいるのですが、今の領主様に変わってからは年々予算が減らされていまして。

なので、足りない分は私がこうして動いて稼いでおりました」


「ミリカさん……ご苦労をされたのですね」


「巫女様、ありがとうございます」


百代がミリカの手を取り、目を見つめながら言うと、ミリカは瞳を潤ませた。


完全に二人の世界に入りそうだったのだが、カイトが咳払いをして先を促す。


「えー、こほん。

領主との悪縁は貴女自身にもありますよね、ミリカさん」


「そこまで調べがついているのですね。

実は領主は若い女性に目が無くて。

私も度々、ギルドの仕事など辞めて自分の愛人になれと。

そうすれば孤児院の支援を増やしてやるなどと迫られていました」


「恐らくは今回の誘拐でっち上げは前から計画されていたことでしょう。

今回、モモヨさんという存在をきっかけにして、教会に恩を売って二人を取り込むべく動きだしたのだと思います」

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