表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/22

ミリカの仕事

「あの……本当に危ないから止めた方が……」


「気にしない気にしない。

いつも通りでお願いします」


ミリカの業務に付き合うという話をしていた百代であるが、当の本人は乗り気ではなかった。


それもその筈であり、ミリカはシスターの服は変わらないものの、腰には棘のついた金属の棒……いわゆるメイスと呼ばれる武器を装備していた。


そして、服に隠れて見えづらいものの足元には黒くて分厚いブーツを履いており、誰がどう見ても今から教会の仕事をするようには思えなかったのである。


それもその筈であり、ミリカの普段の仕事はギルドで仕事を請負、街の外でのアイテム採取や魔物の駆除を行なっていたのであった。


孤児院は街からの補助金と教会への寄付で運営されていたのだが、それだけでは最低限の生活しか行えない金額であった。


そこでミリカは成長すると共に少しずつこのような仕事を請け負って、手に入れた金銭を教会へと納めていた。


神父は最初はそこまでする必要はないし、自分の将来のために使うべきだと断っていたのだが、子供達のためと言われれば強く断る事ができなかったのであった。


現在はこの街のギルドの中では実力者となり、自分がいなくても孤児院の子供達が同じように仕事にありつけるようにと、後進の面倒を見ていたのであった。


という事で、今回はミリカと百代の他に、孤児院の子供が3人付いてきていたりする。


「姉ちゃん、巫女様は俺たちが守るから大丈夫だって」


「そうそう、それにお姉ちゃんがいれば何の心配もないでしょ?」


「大船に乗った気で任せてください」


「はぁ……あんた達が調子に乗ってる時が一番怖いんだけど」


そう口では言っているミリカであるが、実際に今から行く近くの森では、大きな危険はほぼ無い。


全体的に危険度の少ない森の中でも、特に安全な区域を回るだけだからである。


それでも薬草に木の実やキノコ、動物型の小さな魔物の素材など、需要はそれなりにあるので孤児院の稼ぎとしては十分である。


こうして、武装したミリカと3人の子供達に百代を加えた5人は街を出て森の中へと向かっていったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ