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名字



「なりたい名字とかある?」



「急にどうした」



「昨日TVで珍しく名字ランキングやっててさ」




「俺はモテる名字がいい…」



 導師らしい発想だ。

 確かに男ならモテるようなカッコいい名字になりたい。




「たとえば?」



「聞くだけで催眠にかけられる名字がいい…」



 もはや名字とか関係ないじゃん。



「それ導師が最近ハマってる同人誌だよね」



「相手は清楚系で巨乳のお嬢様がいい…」



「いいよね清楚系、僕も好きだよ。健太も好きだよね」



 実は僕たち3人の中で唯一の健太は彼女持ちなのだ。

 そして、健太のガールフレンドは清楚系だからコイツも好きなはずだ。


 クソ、リア充め…



「いや、オレは清楚系より小悪魔系が好きだ」



 小悪魔系もいいよね。

 同性には嫌われやすいのかもしれないけど、あざとい女の子も可愛いよね。



「それは俺も好きだ…」



 導師が深く頷いている。



「というか、話しが脱線してるよ」



「ああ、なりたい名字だったか?」



「そう、健太はゴリ下とか?」



「それかムッツリーゴリラ…」



「テメェら…ぶん殴るぞ!」



「まぁ、野蛮ね奥さま…」



「怖いざますわ…」



「そういうひかるは無いのかよ?」



「うーん、Michaelかな」



「英語の教科書に出てきそうだな」



「俺はダミーヘッドマイクになりたい」



「もうお前は欲望を垂れ流しにしてるだけだろ!」



 健太の言う通りだけど……僕も1回ぐらいダミーヘッドマイクになって美少女にいじられたい。

 耳をマッサージされたり、囁かれたり、耳かきをしてもらいたい。








・・・


 






「今日どんな名字になりたいか友達と話したんだけど、ひまりはなりたい名字とかある?」



 ひまりの作ってくれた夕食を食べ終わったあと健太たちと話したなりたい名字について聞いてみる。



 ちなみに今日はハンバーグ、ご飯、なめこの味噌汁にサラダだった。

 


「うーん? 橋本になりたいな…なんでか分かる?」



 上目遣いでニヤニヤしながらコチラを見てくるひまり…

 これは僕をからかおうとしているな。



「じゃあ結婚する?」



「え!?」



 こっちは耳元で囁いてみた。

 我ながら大胆な事をしたかもしれない…セクハラで訴えられたらどうしよう。



「もー! ミスした!」



 顔を真っ赤にして悔しそうに叫ぶひまり。



「ちょっとひかるをドキッとさせようと思っただけなのに! 悔しい〜!」



「そんな簡単にひまりの思い通りにはさせないよ」



「はぁ〜〜ひかるに負けた〜〜」



「な、なに…?」



 さっきまでの悔しそうな表情から真面目な表情に変わって僕に近づいてくるひまり。



 そして、彼女は僕の耳元で囁いた。



「私にこんな恥ずかしい思いをさせたんだから責任とってよね…」

 


 耳元にひまりの可愛い声で囁かれる。



 なにこれ…すごくドキドキする。



「顔真っ赤になってるよひかる?」



 さっきまでの表情とは一転してドヤ顔をしてくるひまり。

 正直、そんなひまりを見て悔しいという感情よりも可愛いという感情が頭の中をしめる。



「クッ…やられた」




「私だってやられっぱなしで終わるわけにはいかないから……まぁ、名字は本当に変わってもいいんだけどね…」



「うん? なんか言った?」



 声が小さくて後半のセリフが聞こえなかった。



「別になんも言ってないわよ」



「そっか」



 

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