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出会い


 彼女の名前は佐藤ひまり。僕と同じ桜岡高校に通う1年生で、僕が一人暮らしをしているマンションの隣人だ。



 なぜ彼女が僕の部屋で料理を作っているのか……その出来事は1週間ほど前に遡る。






 彼女と初めて出会ったのは高校に入学して2ヶ月が過ぎた頃だった。

 昼休みに廊下で倒れているのを見つけて保健室まで運んだのが最初の出会いだった。



 そして、その次に彼女と出会ったのは僕がスーパーで買い物をしている時だった。



「橋本くん?」




 どうやら彼女も夕飯の買い出しに来ていたようで、カゴの中には野菜や肉なんかの食材が入っていた。


 

 そんな彼女は僕のカゴに入っている惣菜を見て、健康に悪そうだからこの前のお礼に食事を作ると言ってきたのでお願いすることにした。



 美少女に夕食を作ってもらえるチャンスなんて滅多にないわけだし……というか、今までの人生でそんなことは1回もなかった…



 自分で言ってて悲しくなってきた…



 とはいえ、最初から美少女の手作り料理に飛びつくのはカッコ悪い気がしたから1回だけ断ったのだけど、恩を返したいとゴリ押しされた。



 もし、一度断ったことで美少女の手料理が食べれなくなっていたら死ねほど後悔していたと思う。



 こうして話しは進んでいき、結果的に彼女を僕の部屋に招くことになったのだけど…



 なんと彼女は同じマンションで……しかも隣の部屋に住む住人だったのだ。

 思い出してみると引越しの挨拶を高校の入学前にした時にあった美少女に似ているかもしれない。



 その時とは髪型が違っていたから気付かなかった。

 3月に会ったときは絹の如く流れる綺麗な金髪を腰もとまで伸ばしていたが、今は鎖骨あたりまで切り揃えたミディアムボブになっている。



 ちなみに、あとから聞いた話しだと彼女は僕が隣の部屋に住んでいる住人だと気付いていたらしい。



 僕にとったら予想外の出来事もあったが、そのあとは予定通りに料理を作ってもらった。

 彼女が作ってくれたオムライスはふわとろで美味しかった。



 オムライスを食べ終えると、僕が食べているのをジッーと見ていた彼女から提案があった。



「これもなんかの縁だし、私が朝食と夕食を作ろうか?」



「流石にそれは悪いよ」



「橋本くんの食生活が心配だし、私も一人だと作りすぎてしまうから…私としても君が食べてくれると助かるんだけど?」

 


「本当にいいの?」



「いいよ、というか私がお願いしてるんだし」



「じゃあ……よろしくお願いします」



「こちらこそよろしくね」

 


 そうして僕は彼女…佐藤ひまりから手料理を恵んでもらうことになったのだった。



 さすがにタダで作ってもらうのは申し訳ないので材料費は全部僕が出すと提案したのだけど彼女に断られた。



 結果的には僕が材料費の3分の2を出すことで話しは落ち着いた。




「ひかる〜!」



 そうだ、彼女に呼ばれてたんだった。



「ごめん、いま行くよひまり」



 ちなみに彼女から「距離を感じるから名前で呼んで」と言われてから僕はひまりと呼んでいる。




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