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優駿の旅程

作者: 箱崎裕治

2018年5月27日東京競馬場にて

俺は三連単馬券10点100000円分を握りしめ大声で叫んでいた。

「そのまま、そのままこい!」

レース結果が出るまで頭に血を上らせていた。

着順表示番に写し出された結果を見て俺は叫びを押さえるのに全神経を使った。

配当は200万をこえ、払い戻し金は2億を超えた。

俺は興奮しつつどう金を使うか考えていると突然目の前が真っ暗になり意識を喪った。



ふと気が付くと目の前に大きな馬がいた。

俺は驚き大声で叫んだ。

「ヒヒーン」

え、ヒヒーンってなんだ。

すると目の前の馬が喋りかけてきた。

『お前どうしたの?』

何故か日本語じゃないのに意味が通じた。

『何でもないよ』

俺はそう答えつつあることに気付く。

俺、馬になっている。

混乱しつつ、俺の2億はどうなったと考えていた。

1週間が過ぎ俺はようやく自分が牡のサラブレッドに生まれ変わっていることに気付いた。

俺平穏な生涯を過ごせるかな?

牡のサラブレッドって乗馬に成れなければ勝ち続けて種牡馬に成らなければ馬肉だよな。

キツい生涯だよな。

後、俺の当てた2億はどうなったかなと考えていた。

神様、俺の能力に2億分上澄みされてますように。

後、血統は母方にトウカイテイオーがいた。

アピールにはテイオーステップが効果的だな。



俺は朝晩年寒さが強く成ってきたころ草を食べていると牧場主が見たことの無いおじさんと俺の方に近づいている事に気付いた。

「この馬がカーテンコールの19ですがどうですか」

「うーん長い首、張りのあるトモ、繋ぎの形状は中長距離ですがトモの張りもいいですね」

俺を見に来たご主人候補か、この場合アピールしたほうがいいな。

見よこのテイオーステップを。

「えっこの馬トウカイテイオーの血が流れてるんですか?」

「ええ母方に確かにトウカイテイオーがいます」

「この顔でテイオーステップをする馬ですか、買いましょう」

「では契約は事務所の方で話し合いましょう」



翌年1歳なった俺は放牧地を気持ちよく走り回っていた。

綺麗なストライド走法で一緒に走る馬を交わして行く。

すると牧場主とオーナーがやって来るのが見えた。

「クロー、クローこっちこい」

呼ばれたので近づいていく。

「ほら、ニンジンだぞ」

ニンジンを食べながら話を聞いていた。

「クローはトモの張りも更に良くなり、一緒に走る馬を必ず抜いていきますね」

「いま体重はどれくらいですか」

「300キロちょいですね、まだ人は乗せませんがそろそろ鞍などを置いてみるつもりです」

「それじゃ早めに預け先を決めないと、古江調教師に話しておくか」

そんな事を行ったあとオーナー達は事務所の方へ向かっていった。

それからしばらくして俺は鞍乗せやハミを咥えるなど新しい訓練を始めた。

「クローハミも鞍も嫌がらないので楽だな」

「もう来週には調教牧場へ行くんだってな」

「オーナーが調教師と話し合って早めに調教したいんだってさ」



春になり俺は調教牧場に行くことに成った。

「頑張れよー」「GI目指せよー」

馬運車に乗り育成牧場へ向かった。

どうやら着いた様だ。

「ストームクローは初の長距離輸送だが様子はどうだ」

「途中でも確認しましたけどケロッとして平気でしたよ」

「じゃあ厩舎の馬房に入れて獣医に視てもらってくれ」

検査も終わり馬房にも慣れてきた頃調教がはじまった。

3ヶ月が過ぎ俺は調教がかなり進んでいた。

「この馬かなり凄いですね。全く追わず流しているのに13-13切っちゃいますし坂路も持ち時計は今までで最速で馬体ももうレースに出れそうですよ」

「調教師にも連絡して見に来て貰うか」



「皐月ちゃん君に新しい持ち馬を頼めそうだけどどうする?」

「どんな馬何ですか」

「もうすぐデビューの新馬だけどGIが狙えそうな馬だよ」

「そんないい馬、私でいいんですか」

「オーナーに育てたい騎手が居ると言ったらOKしてもらえたよ」

「私はまだ24勝しかしてないけど大丈夫ですか」

「クローに乗ってるだけで3勝は行けるから大丈夫」

「何時デビューですか」

「8月21日5R札幌芝2000mだよ」

「判りました、頑張ります」



翌週皐月は調教牧場でストームクローをみた。

「いま馬体は450キロくらいだよ」

「2歳にしては雄大な馬体でトモも凄いですね」

「今週レースなんで軽く15-15で流してくれ」

「判りました」

皐月はコースにクローを向かわせ軽く流してみる。

「え、これじゃ12-12になっちゃうよ、もっと抑えて」

えー結構抑えてるんだけどそう言うのならもっと抑えるか。

「これなら15-15になるね」

こうして俺は調教を終えた。

「先生クローは凄すぎます」

「え、さっきの調教ならあんなもんでしょ」

「いえさっきも抑えないといけないほどスピードとパワーが凄すぎます」

「それじゃ今週のレースは任した」



そしてレース当日パドックにて

「2番の馬どうだ」

「首と馬体はいい伸びでトモのハリもいいし斤量も4キロ減に追い切りタイムも一番と、鞍上と血統以外は完璧だな」

「確かに買いたいがオッズが1.1倍と儲からないしましてや切るのも無謀だし買わずに見るだけか」

廻りのお客さんの注目も俺みたいだし、他の馬を見ても凄そうな馬もいないしこのレース貰ったな



「さあ全12頭のゲート入りは順調に終わっていまゲートが開きました。そして先頭に立つのは2番のストームクローだ。そしてそのまま手綱もそのままに1馬身、2馬身と差を開く。これは逃げか、そのままでいけるのか。」

俺は気分良く駆け抜ける。

ちょっと後ろを見ると他の馬は大分後ろだ。

そのまま気分良く3コーナーを回ると手綱を1回しごかれて一段階加速する。

「さあ先頭はストームクローのまま3コーナーを回り、1回手綱を扱きそのまま更に加速する。後ろは誰もいない。鞍上平野皐月は後方を確認して手綱を引いた。何と大差のレースだ。レコードまでコンマ1で走りきる。2着はやっと6番オレノモノ。3着は1番シキノマイ」



表彰式で俺は気分良くテイオーステップを見せると観客も大盛り上がりだ。

このまま俺は調教種牡馬になるため走り続ける。

書きたくて書いて見た物のトッコ、ミスプリ、ファーが頭に浮かび短編に纏め諦めました。

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