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詩「声」

作者: 有原悠二

コンタクトを外しながら

まるで今日一日の出来事が

幻だったと見えないようにする

手短に折りたたんだ日記兼手帖は


安保闘争の匂いだ

錆びついた指の隙間から缶コーヒーが溢れ

糖尿病患者の死亡率がグッと上がった

教育は教育者を教育している気分に


させるという勘違いから始まるという

石器時代のインフルエンサー

畏まって黙し恐れおののいて

少しだけ背が高いという理由で


壁を築かれる

手の届かない

日光の当たらない

生乾きの洗濯物のストリートから


知恵あるネズミは資産を隠す

誰かが作った排水溝に

その鍵を暗号化してわすれないために

科学者が支援を募る広場に向かう


ガラス、割れながら

粉々に、飛び散りながら

秒速0.0005cm

人生はスローモーションだ


誰の目にも止まって見える

悲劇ほど笑えるものはない

なにもないくせに

笑えない日を笑える日が


日記の海に溺れていく

指先が腐っていく

気がつかないほどゆっくりと

声がここまで出かかっているというのに


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