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第6話

遠足では風夏の意外な才能を発見したわけですが、だからといって何かが変わるはずもなく。

特に何かあるわけではなく平凡な日々を過ごしています。


「それじゃあ今日はお歌を歌いましょう」


ーー♪♫♪


先生がピアノを弾き、その伴奏に合わせて私達園児が歌っていきます。

今回の歌は確か『どんぐりころころ』という童謡だったかな?

園児らしい舌ったらずな歌声があたりに響き渡ります。

しかし、これは一体どういう歌なんでしょうね?

なんでどじょうが喋っているのでしょうか?

よく分かりませんね。

とはいえ、それを先生に聞いたところでまともな答えが返ってくるとは思えません。

というよりも知っているとは思えませんしそういうものとして考えておきましょう。

聞いても迷惑なだけでしょうし。


「あー、楽しかったー。お歌楽しーねー」

「あ、うん。そうだね」


変なこと考えて集中してませんでしたけど……それは内緒ですね。

それにしても、風夏は本当に楽しそうにしていますね。

やはり子供はこういう感じでいた方がいいのでしょうか?

でもそれは流石に恥ずかしいと前世の部分が言っています。

一応いい年した大人でしたからね。


「それじゃあ次はこの歌を歌いましょう。なんの歌か分かるかな〜?」


ーー♪♫♪


「あっ! これあれだよあれ! かりんちゃん、あれだよね?」

「ごめん、風夏。私歌はあまり知らないの」

「そうなの? これはね、森のくまさんだよ」

「ああ、あれね」


言われて思い出しました。

これまた全く意味の分からない歌詞の歌ですね。

くまが喋るのはまあいいでしょう。

前世の世界にもくまの獣人は喋りましたし、くまも喋られる個体もいましたからそこは気にしません。

ですが、なんでくまから逃げるのではなくくまに言われて逃げるのか。

更には何から逃げるのかといったことも分からず、果てはお礼に歌うとか言ってますが、なんでそこで歌うことになるんですかね?

あなた何かから逃げてる最中でしょうが。

歌なんて歌えば私はここにいるぞと宣言してるようなものでしょうに。


いえ、落ち着きなさい華琳。

前にテレビで見ましたけど、この手の歌や話は元々はかなり残酷なものだったと聞きます。

ですがそれでは子供達に悪影響だからとある意味では改悪、ある意味では改善していると聞いています。

有名な猫ふんじゃったも元は猫死んじゃったというものだったらしいですし。

今回のこれもきっとそうなんでしょう。

そうに違いないというか、そうであって欲しいです。


「かりんちゃん? 歌ってなかったみたいだけど、どうしたの?」

「え、ああ、その、頭に歌詞が浮かんでこなくて……」

「そうなんだ。それじゃあ仕方ないね」


ただ単に余計なことを考えていて歌うのを忘れただけです。

気になるところは多いですけど、だからといってそれを気にするあまり今するべきことを蔑ろにしていてはいけません。

ちゃんと集中しなくては。


その後もしばらく歌の時間は続き、チューリップ、ドレミの歌、ぶんぶんぶんといった童謡や、紅◯華、◯っせぇわ、レ○ト・イット・ゴーなどの子供に人気の歌なんかを歌いました。

後半になるとこれあれだ! と先程の風夏のように周りの子達が言い出したり、飛び跳ねたりと本当に騒がしくしています。

ですが、本当に人気はあるようで、そんな周りの状況の中私1人スンと立っているのは目立ちます。

なので周りに合わせて私も飛び跳ねたりしました。

しましたが……やっぱり恥ずかしいですね、これ。

うぅ……早く歌の時間終わって〜。

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