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第3話

幼稚園に通う日々ですが、今日は一味違います。

何故なら、今日は遠足の日だからです。


遠足。

それは世の幼稚園や保育園に通う子供なら狂喜乱舞し、前日は楽しみなあまり眠れない子が続出すると噂の遠足だ。

私は遠足で喜ぶような子供じゃないけど、風夏が1週間くらい前からソワソワして、昨日は寝れるか不安だと言っていたりと、本当に楽しみにしていて、その姿は大変微笑ましいですね。


「華琳ちゃ〜ん。バス来たわよ〜」

「はーい」


今回の遠足は親子遠足というやつで、読んで字の通り親と一緒に参加する。

遠足とは本来遠方に行く、足を延ばすというものらしい。

遠足とは?

そして幼稚園、保育園、小学校なんかで行われる学校行事で徒歩で目的地まで行くものなのだが近年ではバス等で目的地やその近辺まで移動するらしい。

遠足とは?

おまけに親同伴で、本来ならば自分の足で歩いていく事による肉体的、精神的鍛錬と共に仲間との絆を深め、親の庇護下にない状態での行軍……じゃなかった。

行動する事による自意識や責任感の確立なんかを目的としているものなのではないかと思うのだがそれが無いわけで、一体なんの為に行う行事なのかまるで分からない。

全く理解に苦しむね。

……おっと、また前世の部分が出てしまった。

まあ、そんなわけで意味はよく分からないけど、私としては風夏が楽しそうにしてればそれでいいかなって思ってます。


幼稚園の通園バスに乗ってまずは幼稚園まで向かい、そこで遠足用に手配した大型のバスで目的地である自然公園に向かう。

この自然公園では親子でのスタンプラリーが予定されており、それ以外では自由となっている。

ちなみに、スタンプラリーは午前中に終わるように設定されているからつまりは午後は自由時間というわけだね。


「着いたー!」

「こら風夏、慌てないの」


よっぽど楽しみだったんだろうなぁ。

風夏はバスが着くとほぼ同時に席から立って外に出ようとするが、流石にそんなすぐに動いては危ないという事で風夏ママに肩を掴まれて座らされている。

ふふっ。

本当に風夏はかわいいなぁ。


「さて、それじゃあスタンプラリーの開始なわけだけど、どこから向かう?」

「ここ!」


バスから降りてスタンプラリーの台紙を受け取ったわけだけど、そこからはすぐに自由行動ってちょっといい加減過ぎないかな?

まあ、楽なのでいいんですけど。

それにどうやら親だけでなく仲のいい子とグループになってやってもいいみたい。

なので私は風夏と一緒にスタンプラリーをする事にしました。

それで、最初の目的地に向かうんですけど風夏が指差した場所は1番近いところ。

そう、1番近いところなんです。

そうなると当然……


「みんな居るね」

「そうだね」


こうして、たくさんの園児達が集まってしまうのも仕方ないことだろう。

でもこれだけの子達ともなると少し時間がかかりそうね。

まあ、別に優勝したら何かあるわけじゃないしゆっくりでも私はいいんだけど……とにかく勝ちたくてその少しも待てない子とか出てきそうね。


「横入りやーめーろー」

「別にちょっとくらいいいだろ!」

「よくないよ!」

「横入りはいけないんだぞー」


ほらね。

まだ始まったばかりでこれでは先が思いやられる。

何事もなければいいけど……。

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