表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/29

第15話

クモさんを通して建物内部の様子が私に伝えられてくる。

建物自体は戸締りは完璧でも、通気口や換気扇、排水口などを完全に塞げるわけではないのでクモさんが入り込む余地は十分。

なのでそこを伝って中に侵入してもらい、そこから一度玄関まで向かってもらう。

風夏の場所自体は【導きの偶像】を使えば辿れるので、内部の構造と見張りや見回り等の存在の確認が目的。

後、私はいくら子供で小柄といっても流石に通気口やら換気扇やらから侵入できるはずもないので玄関……いや、それよりも窓の方がいいかも?

玄関だと大きい分目立つし、やっぱり窓の方にしよう。

というわけで、窓を開けて……開け……クモさんじゃ開けられないみたいだ。

普通のクモさんだからね……そんな力は出なかったよ。

仕方ない。

そこは魔法でなんとかしよう。

何があるか分からないから出来るだけ魔力は温存しておきたいけど、まあ、軽い魔法ですしなんとかなるでしょう。


そして改めて建物内を見て回ってもらって大まかな建物の作りを把握していく。

玄関、入ってすぐの広間、案内所、トイレ、食事スペース……どうやら宗教としての修練をするスペースでは土足厳禁でそれ以外は土足らしい。

教会よりかは仏教とかその辺の方が近いのかもしれない。

あるいは、日本の文化に合わせた形態の可能性もあるけど、今回はどうでもいい。

重要なのは上と下の階に行く道順と巡回等の人の位置、後は脱出経路の確認。

風夏を連れて堂々と玄関から出て行けるとは思えない。

だから、風夏を連れて逃げれる場所を知っておく必要がある。

それに、風夏が寝ていたら抱え……抱えられる?

私に?

今私幼女。

相手も幼女だとしても、ちょっと厳しいような……まあ、その時に考えよう。


それらの事を確認してから内部へと忍び込んでいく。

窓の鍵に関しては回すタイプのやつと上の方にパチっと押すやつの両方がついている。

クモさんで先に調べておいて良かった。

クモさんが居なかったら目に見える回すタイプのやつだけしか解除出来ずに忍び込めなかったかもしれない。

その鍵を念動の魔法で動かして開ける。


この念動の魔法は動かしたい物を魔力で包んで、その魔力を動かす事で内部の物も一緒に動かすというもの。

動くのが面倒だったり、ある場所が手の届かない場所とかにあった時に重宝するのです。

ただ、動かす物の重さや大きさ、速度によって消費魔力が増えていくので注意しないといけません。

この魔法を覚えたてでつい調子に乗って魔力を枯渇させる人の多い事多い事。

多分大体の人が一度は通る道でしょう。

私は天才でしたからそのような事は無かったですけど。


建物の内部に入ったのでまずは【導きの偶像】を少しの時間だけ放つ。

同じ階にいるならばその方向に向かって飛び、上の階なら上に、下の階なら下の方に向かって飛ぶのでまずは風夏のいる階を特定する。

【導きの偶像】は、下に向かった。

つまり風夏は地下にいる。

それが分かれば再び【導きの偶像】を捕まえて歩き出す。

道に関しては既に把握済みで、注意すべき点は人が来ないかという事だけど……流石にこんな遅くては居るのは表向きな一般の警備会社の人のみ。

地下に行けば誘拐した後なわけだし、一般ではなくこの宗教団体が用意した見張りとかも居るだろうけど。

いえ、まだこの宗教団体全体がと決めつけるのは早いですね。

この施設を使っただけという可能性も、宗教団体の一部の者がという可能性もあるでしょう。

まあ、どちらにせよ風夏がここにいるのは間違いないですし色々な可能性を考慮した上で慎重に進みましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ