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第13話

〜???視点〜


私の目の前には今、一人の幼女がいる。

あどけない寝顔をしているがどこか抜けているような、そんな幼女だ。


「この娘が報告にあった異能者なのか?」

「はい。発見自体は偶然でしたが、間違いありません。あれは確かに、教祖様と同じ癒しの力でした」

「そうか。ならばこの娘は私の助手として使えるようにせねばな」

「それで、この娘はどうしますか?」

「懲罰房に入れておけ。どの道、逆らわぬように躾けねばならぬしな」

「はっ!」


くくく、これで手元にある異能者は私を除いて3人か。

まだ幼いし、まずは私の娘として育てるとしよう。

薬なども使って私に逆らうことのない従順な娘に仕立てた方がいいか。

戸籍の問題だが、また彼らに頼る必要があるがまあ、大した問題ではないだろう。

このまま増やしていけば、私の帝国が、野望が実現する。

と、その前に……。


「おい」

「は! なんでしょう?」

「さっきの奴、なんて言ったかな?」

「すみません。分かりません」

「そうか。まあいい。あいつを消しておけ。あいつはこの娘の事を知ってるからな。後々面倒になるかもしれん」

「は!」


これでよし。

私のこの力、癒しの力とは別のもう一つの力、契約の力はやはり素晴らしい。

念動の異能を持つあれも私の言いなりよ。

癒しの力で貸しを与え、その貸しを元に契約し私の意のままに操る……まさに、世界の支配者になるにふさわしい力よ。

少々面倒なのは貸しを与えなければ契約出来ない事か……。

まあ、それも裏で手を回して恩を感じさせればいいのだからさして問題ではないがな。


次に考えるべきは警察への対応か。

すぐにバレるとは思わないが、時間が経てば誘拐の可能性も考えて本格的に動き出したとしてもおかしくはない。

異能者を見つけたのは良いが、見たところ五歳かそこらだからな。

これが二十歳過ぎの大人であればただの家出なりなんなりでまともに相手はしないだろうが五歳児ともなれば別だ。

金など持っているはずもないだろうし、遠くまで歩けるわけもない。

だから恐らくは誘拐だと考えるだろう。

既にこちらの目的は達成したから身代金等の要求もしないし捜査は困難を極めるだろうが、念の為考えておいて損はなかろう。

というか、ここに連れてきたあいつはその辺の対策はしていたのだろうか……?

しまったな。

確認しておけばよかった。

もう既に処分されているかもしれんが連絡しておこう。

それと、万が一の時の事を考えて拠点を変える用意はしておくか。


ーートゥルルルル、ピッ!


「私だ」

『御用でしょうか?』

「始末の件だがその前に隠蔽工作をしたか確認をしてもらえるか?」

『すみません。もう既に処分してしまいました』

「そうか。それならしょうがない。代わりにしばらくこの街を離れる準備をしておいてくれ。理由としては……そうだな、新たな地にて救いを求める者が居ないか探す為、とでもしておいてくれ」

『かしこまりました』


ーーピッ!


これでよし。

さて、それじゃあ明日の準備でもするとしよう。

表の仕事も大事な収入源だ。

今はとにかく地盤固めをしないといけないのがまた面倒だが、これも野望の為だ。

確か、明日の面談は娘の進路に悩む主婦と新規事業開拓を考える若手社長だったな。

それとは別に教団の経理から何やら支部の設立における経費削減の提案が来ていたな。

全く、経費削減などとケチくさい事を言いおって……そんな事をして貧乏教団などと思われては信徒が逃げてしまうではないか。

ちっ、面倒だな。

これもあいつにやらせるか。

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