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第11話

ん……。


「ふぁ〜……」


お昼寝から目を覚ますと、外はすっかり暗くなっていました。

これは、少し寝過ぎましたね。

4時ごろにお昼寝していたから、3時間くらい眠ってしまっていたみたいです。

これだけ長時間昼寝をしてしまうと、夜ちゃんと眠れるのか少し不安になりますね。

この体はまだまだ子供でこれから成長していくので、夜はしっかりと寝て背を伸ばしたいです。

だから、睡眠時間が減るのはちょっと困りますね。

いえ、お昼寝をしたのだから問題はないのかも?

その辺はちょっとよくわかりませんね。


あれ?

そういえば外は暗くなっていてもう夕食の時間のはずなのに、包丁の音も、鍋の音も、何かを焼く匂いも、何もしない……?

いえ、すでに調理が終わってる可能性は十分にあるけど、その場合は夕食だと呼びに来てくれるはず。

それがないのは少し不自然です。

何かあったのでしょうか?


「ママ?」


呼んでも返事は返ってきません。

この時間で返事がないというのは流石におかしいです。

買い物に行く理由もないでしょうし……これは何が起きてるのか探るべきでしょう。


家の中を見て回りますが、ママだけではなくパパもいません。

一応、私が食べる夕食はすでに作り置きされているし、書き置きもあるので私なら問題なく食べて待っていられるだろうけど、風夏なら読めるかどうかといったところでしょうね。

しかし、今までこんな事は無かったのに何故……?

疑問に思いますが、何か出来るわけではありませんし今は書き置きどおり夕食を食べて帰ってくるのを待っていましょう。



ママとパパが帰ってきたのは10時を過ぎていて、私は普段すでに寝ている時間という事もあって、ベッドの中にいます。

いますが、眠りについているわけではありません。

寝ていないとママとパパが不安に思うでしょうから寝たふりをしています。

とはいえ、何があったのか知りたいので一つ魔術を使ってみましょうか。

この世界でも使えるかは分かりませんが。


『彼方より此方へ来れ、契約を交わせし小さきものよ。今ここに契約のもと、我が前に現れよ』


事前に準備しておいた使い魔召喚の魔法陣を使ってクモを召喚しました。

使い魔とは魔力で繋がっており、その魔力に乗せて使い魔が見た光景や声などを術者に届けることができるのです。


「ママとパパの会話を聞いてきて。あ、見つからないように気をつけてね」


クモなので返事は出来ませんが、前脚を上げて返事をしてくれます。

頼むよ〜。

クモだから目立たないとは思うけど、見つかったら最悪潰されてしまう注意が必要です。


『風夏ちゃん、見つからなかったな……』

『一体、どこに行っちゃったのかしら……』

『警察には連絡したんだよな?』

『そう言っていたわ』


……え?

風夏が、どこかに行った……?


『ああ、くそ……無事だと良いんだが……』

『でも、何度もウチに来てるし道だってわかるはずなのよ? 華琳ちゃんのお見舞いって言ったって、そんな迷うはずないのに……』

『やっぱり誘拐か……?』

『それだって、犯人から連絡なかったって話じゃない』

『そうだけど……それ以外に考えられないじゃないか!』

『声抑えて……華琳ちゃんが起きちゃう』

『あ、ああ、すまない……』

『明日また探しましょう……?』

『当たり前だ』


風夏が……誘拐?

なんで?

どうして?

誰が?

分からない。

分からないけど、これだけは言える。

私から風夏を奪おうとするなら、絶対に許さない。

見つけ出して、生まれてきたことを後悔させてやる!

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