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74話「宝珠を守りし冥界」

1日遅刻サーセンっした!


「何とか凌いだ?」

「……無駄に疲れた」

「もう終わりにゃん……?」

「見たところ他の敵はいなさそうだが」


 敵の群れの第4波をなんとか押し返した私達。

 機械クジラは相変わらずスピードを緩めずにひたすら砂漠の夜を泳いでいく。


「何処向かっているんだろうね」

「どうせろくなとこちゃうで」

「もっと撃ちたいにゃん!」


 景色は変わらず下は砂漠だし、上は星空。


「あー、みんな、前見てみても」


 ミリーが指差した先に、蜃気楼のような物が発生している。


 その揺らめく影はスタート地点で見えた、あのピラミッドだ。


「あれがきっと目的地にゃん」


 遠目からでも分かる巨大さ。現実の奴は画面越しでしか見た事はないけど、多分あれよりはずっと大きい。


「っ!! また来るぞ!」


 蔵人さんの鋭い声と共に、ピラミッド方面から再び敵が集団やってきた。


「ほなまたうちとユーナで撃ち落とすで!」

「了解にゃん!」


 再び銃を撃つ台に戻った2人が銃弾を連続で発射し迫る機械魚の魚群を撃ち落とす。

 それと共に下の砂漠から爆発するような音が聞こえて、機械クジラが揺れた。


「っ! 何の音!?」


 下を見ると、砂漠から砂が舞い上がり、その中から巨大な何かが飛び出してきた。


「多分ボスにゃん!」


 それは、他の敵と同様に機械仕掛けのシャチだった。ゴテゴテと砲台やら何やらが付いている殺意の高そうなシャチだ。


 【宝珠を守りし冥界】とHPゲージの上に表示されている。名前的にどう見てもボスだ!


 後ろから迫り、巨体に似合わぬ速さで私達の乗る機械クジラと並走すると、その身体からゆっくりと出てきた砲台がその照準をこちらへと向けた。


 ミリーもユーナちゃんも前方から来る敵を落とすのに必死だ。


「そっちに攻撃する暇ない!」

「同じくにゃん!」


「蔵人さん私の後ろに!」


 私は素早く前に出て、斧槍でガード姿勢を取る。

 スキル【大防御】を発動させて、身動きが出来ないかわりに防御力上昇とノックバック無効を付与。


 それと同時に、シャチの砲台が火を噴いた。

 

 撃たれた砲弾をまともに受けるも、大防御のおかげかさほどダメージはきつくない。


 今度はシャチの背中辺りから出てきた、たくさん穴が開いた四角形の箱がこちらへと向いた。穴には赤い円筒状の何かが詰まっている。


「今度はミサイルか!」

「よく見れば、砲台やミサイルランチャーにHPゲージがあるにゃん!」

「なるほど破壊して無効化すれば良いのだな」


 蔵人さんが剣を構え、私の前へと飛び出した。同時にその箱から赤い円筒状の何か——多分ミサイルが発射された。


「はあああ!!」


 蔵人さんが背中の黒翼を広げつつ疾走。ミサイルをすれ違い様に刀で斬っていく。斬られて爆発したミサイルの爆風を受けて、そのまま飛翔。


 そのままシャチへと飛び、その背中に着地。回転するように全周囲へと刀を薙ぎ払った。


「ちっ、硬いな」


 ミサイルランチャーのHPは減るものの、さほど効いていないような感じだ。


 蔵人さんのいるシャチの背中にあの砲台ヤドカリが出現。私の周囲にも同じように現れた。私は【大防御】を解いて、ミリー達を襲おうと砲台を向けるヤドカリに斧槍を振り上げた。


「きゃっ!」


 と同時に、背中にシャチの砲弾をまともに受けて吹っ飛んでしまう。あ、やばい落ちる。


 吹き飛びながらも斧槍を手放さず、クジラの背中に突き立てて落ちるのを防ぐ。

 落ちたらこれ絶対死ぬ奴だ。


 何とか落ちるのを防ぐと同時に、機械クジラの背を蹴ってヤドカリへと向かう。今度はシャチを正面に見ながら、砲弾は気合いで避ける!


  ヤドカリが砲弾をミリーに向けて発射しようとして赤く発光すると同時に、斧槍でたたき斬る。砲弾が暴発し、ヤドカリが一発で倒せる事は既に学習済みだ。


 たたき斬った勢いのまま棒高跳びの要領でジャンプして正面から迫る砲弾を避ける。

 下を通り過ぎる砲弾を見つつ、今度はユーナちゃんを狙うヤドカリへと真上から落下攻撃を仕掛けた。


 見れば蔵人さんもシャチの背中で暴れている。


「もうちょいで着くで!!」


 どうやら敵の魚群がいなくなったおかげで、ミリーとユーナちゃんが再び背中に戻ってきてくれた。

 確かにピラミッドがすぐそこまで迫っている。


 そう思った次の瞬間、シャチの背中が爆発。蔵人さんが吹き飛ばされるも、翼で調整して機械クジラの背に着地。


「全部斬れる物は斬ったが、強制的に戻されたな。


 シャチは今の爆発でHPが半分ほど削れたが、まだ生きている。バラバラとパーツや装甲を落しながらもまだ飛んでいる。


「なんやえらいスリムになったな」


 爆発によって生じた煙が晴れると、そこには一回りスリムになったシャチがいた。表面は機械ながらもツルンとしていて、本物のシャチの姿にかなり近付いた。


「キュオオオオオ!!」


 シャチが鳴きながら、赤く発光。


「あ、大技来そう! みんな後ろに!」


 まるで水の中のように空を器用に泳ぎ、シャチが機械クジラの前へと出た。そしてくるんと翻り、顎を広げながらこちらへと接近。顎の中には巨大な砲身が見えた。

 

 【大防御】を発動させた私の後ろへとみんなが避難する。


 シャチが、口から赤くて太いビームをこちらへと照射しながら突撃してくる。


 げ、結構喰らう。


 HPが減り、目の前がビームによって真っ赤に染まる。


「あかん!落ちる!」


 シャチの攻撃が私達だけではなく機械クジラへと当たったせいで色んなところで爆発が起こり、急激に失速。

 高度が落ちる感覚。


 シャチが通り過ぎた後には、クジラは下の砂漠へとまっさかさまに落ちていく。


「うわああああああ」


 そのまま砂漠へと激突。砂が舞う。


 幸い、下が柔らかい砂のせいか落下ダメージでHPは減らなかった。

 機械クジラの残骸が流砂へと飲み込まれていく。


 ありがとうクジラさん……。


「ぺっぺっ! めっちゃ口に砂入った」

「ボス、どっか行ったにゃん。倒せてないけど良いのかにゃん?」

「うう、危なかった」


 私のHP結構やばい。というか見れば全員のHPも減っている。


 辺りを見渡すと砂漠のド真ん中という印象だ。

 ただ、目の前にはあの巨大なピラミッドがあり、入口がまるで誘うように開いている。


「あそこに入れって事かな?」

「やろうなあ。空中遊泳の次はピラミッドか」

「ミイラとかいるのかにゃん?」

「メカミイラとかじゃないか? このフィールドの傾向的に」

「新しいにゃん」


 空を見れば、あのシャチがまるで、守るかのようにこのピラミッドの上部付近を遊泳している。


「とりあえずポーションでHPを回復させてからピラミッド入ろう」

「せやな。あのボスが守っているもんも気になる」

「宝珠……きっとアイテムだろうさ」

「パターン的に、ピラミッドを上まで登って、そこであいつと再戦にゃん」


 そうやって会話しながら、ポーションを飲みつつピラミッドへと向かう。


「さてと、ほないこか!」


 ピラミッドの入口からは薄暗く、乾いた通路が伸びている。そこに全員が足を踏み入れると、後ろでひとりでに入口が閉まっていく。


「定番やな。どうせ戻ったところで砂しかない」

「うん、じゃあ行こっか!」


 こうして巨大ピラミッドの攻略が始まった。


ボスとのイベント戦です。

空が飛べる前世が無くても、一定時間ボスの攻撃を耐えると勝手に近付いてくるので、その際に各部パーツにダメージを与えられます。全て破壊出来ると強制的に背中に戻され、その後大技を食らいピラミッド前に落ちるのは強制イベントです。クジラさああああん!! ちなみに大技はHPの割合ダメージしか喰らわない仕様なので死ぬ事はありません。


というわけで、ここから後半戦のピラミッド攻略。RPGで出てくるピラミッド系は大概めんどくさい敵強いパターンが多いので、ここもきっとそうなのでしょう。


次回更新は【5月12日】前後(ここ重要)




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ハイファン新作です! かつては敵同士だった最強の魔術師とエルフの王女が国を再建する話です! こちらもよろしくお願いします。

平和になったので用済みだと処刑された最強の軍用魔術師、敗戦国のエルフ姫に英雄召喚されたので国家再建に手を貸すことに。祖国よ邪魔するのは良いがその魔術作ったの俺なので効かないし、こっちの魔力は無限だが?



興味ある方は是非読んでみてください
― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり戦闘シーンが頭に流れるように入ってきて格好良い文章だなと思います。ピラミッドと言えば私の中ではドラクエ3ですね。武闘家用の黄金の爪を手に入れるのに両親と一緒に苦戦した幼稚園児時代を…
2020/05/05 20:07 退会済み
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