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73話「弾幕ゲー」


「速い!」


 風を切り裂くように機械クジラは私達を乗せ砂漠の夜の空を駆けていく。


「景色も良いな。昔長野にある祖父の家で見た星空を思い出す」

「感傷に浸るのもええけど……きたで!」


 蔵人さんがしみじみそう言ったことにミリーが鋭く返す。

 振り返ると、後方から、何やら黒い影が5個ほど迫ってきている。


「サメ?」

「あれも機械っぽいにゃん」


 背後から猛スピードで迫るのは、このクジラと同じように機械で身体が構成されたサメだった。


「HPゲージもあるし敵だよ!」

「っ! 撃ってきたにゃん!」


 サメから、赤い何かが打ち出され私達へと飛来する。


「避けるか防御するにゃん!」


 それは、赤い大きな鱗だった。ただし縁が鋭利な刃物のようになっており、当たると痛そうだ。


「向こうばっかりずるいわ!」


 まるでマシンガンのように赤い鱗を一定距離を保ちながら放ってくるサメに苛立った声を出すミリー。

 近接武器では絶対に届かない場所をキープするサメ達。


「ユーナの遠距離攻撃は威力は大したことないから中々HPも削れないにゃん!」


 負けじと日傘ボウガンで打ち返すユーナちゃんだったけど、サメのHPはさして減っていない。

 私はクジラの後方へと移動して、なるべく多くの鱗を弾くか身体で受けるかをする。大したダメージは食らわないけど、量が多いせいで地味にうっとうしい。


「はっ!」


 私の横で蔵人さんが刀を翻し、飛来する鱗を次々斬っていた。凄い反射神経だ。


「なんとか攻撃できないかな!?」

「ん、あ、ユーナ! これ動かせると思う?」

「どれにゃん、……これにゃん!」


 クジラの前方に移動した二人の声となにやらガチャガチャ弄る音が聞こえたと同時に、クジラの横腹の左右それぞれから何かがせり出してくる。

 見れば、そこには座る場所があり、なんかマシンガンみたいなのが付いていた。


「あれは!!! ハンドレページ V/1500仕様のルイス軽機関銃!?」


 ユーナちゃんがなんか大興奮してるけど……ハンド……なに?


「なんや分からんけど、そっち側はユーナに任せるで!」

「……素晴らしい……開発者に賞賛を送らねば……」


 なんかユーナちゃんキャラが変わってる気がする……。

 二人がそれぞれクジラからせり出した台座へと座る。


「ひゃっはあああああ!!」


 ユーナちゃんが叫びながら銃をぶっ放した。

 軽快な音とともに銃弾がリズミカルに射出され、サメへと吸い込まれていく。

 一瞬でHPが削れたサメが火と煙を上げて、墜落していく


「あたしも負けへんで!」


 ミリーも負けじと銃弾を放ってサメを撃ち落としていく。


 クジラの横腹から放たれる二条の銃弾によって次々サメが落ちていくが、


「まだいっぱい来るよ!」


 サメはどこから現れるのか、その数を増やしてこちらへと襲ってくる。


「流石ゲームの中だってあって性能はルイスよりも凄い! オーバーヒートもしないし弾も無限だし最高だ!」

「ユーナ……キャラ変わってるで」


 ミリー呆れた声が聞こえた。


「ラノア! 俺達はアレを!」


 上を指す蔵人さんの言葉と同時に、空から急降下してきたのは、針のように銃身が突き出た貝殻を背負った、2体のメカヤドカリだった。


 それがクジラの背中に着地すると、その銃身をそれぞれミリーとユーナちゃんへと向けた。


「させない!」


 私と蔵人さんが同時に地面を蹴る。


「俺に斬れない物はさしてない!」


 ヒュンと、飛燕のような蔵人さんの一閃がヤドカリの銃身を切り裂いていく。暴発した弾で爆発するメカヤドカリ。


 私も負けじと、強化した機械斧槍をヤドカリへと叩き込む。蔵人さんみたいに技術なんてないから、完全に力によるゴリ押しだ。


「とりゃ!」


 私のイマイチ迫力ないかけ声と共に振り下ろされた斧槍によって盛大な爆発をメカヤドカリが起こす。


「ミリー! 後方は任せる!」


 そう言ってユーナちゃんが台座を回転させ、前方へと銃を向けた。

 前から、まるでカジキのような姿をした先端がドリルのようになった機械の群れが突っ込んでくる。あれ刺さったら痛そうだ


「ラノア、まだまだ来るぞ!」


 上からメカヤドカリが振ってくる。

 後ろからは相変わらずサメがうようよと付いてきており、鱗弾を放っている。


「フィールド始まっていきなりこれ!?」

「先が思いやられるな!」


 爆発と銃撃音に彩られながら、クジラとそれを襲う機械の群れが砂漠の夜の空を駆ける。


「こういうゲームだったっけ!!」


 私の疑問はしかし、サメがメカヤドカリが爆発する音に掻き消されたのだった。



☆☆☆



【いつからRPGだと】前々前世オンライン【錯覚していた?】 Part899


333:名前:前世は負け犬

弾幕ゲーになってて草


334:名前:前世は負け犬

弓でも倒せるなあのメカサメ


335:名前:前世は負け犬

遠距離特化の俺まじ活躍しすぎて怖いレベル


336:名前:前世は負け犬

遠距離はわりと不遇だったしなあ


337:名前:前世は負け犬

弓強いけどな

そこまでしっかりビルド組んでる奴いないせいで不遇扱いだが


338:名前:前世は負け犬

いやあ、若干マンネリ化してたから楽しいわ

近接でもあの銃座でブッパできるし


339:名前:前世は負け犬

開始5分でうちのパーティ全滅したwwww

これ、一人でもへますると崩れるな

銃座がサメとカジキを仕留め損ねる→上に残った連中が死ぬ→ヤドカリに蹂躙される


340:名前:前世は負け犬

ヤドカリうぜえな。無駄に耐久高いし


341:名前:前世は負け犬

>>340

弾撃とうとする予備動作中に攻撃当てると暴発してダメージ入る

それさえ分かれば雑魚やぞ。問題はあのドリルカジキよ

食らったら死ぬほど痛いし高火力低耐久で数だけ多いから対処間違うと死ぞ


342:名前:前世は負け犬

ボス倒した!

かーらーのー?


343:名前:前世は負け犬

これで終わり……なわけないですよねwwww


ユーナちゃんさんは重度のミリオタです。ただし、ゲームの中では浪漫性能あっても許すにゃん派です。

「こんなん、現実でありえない!」とか言い出すミリオタを軽蔑しているのだとか。

あと作者にはミリタリー知識ないので、雰囲気だけ味わっていただければと。


というわけで弾幕ゲーだよ! アクションゲームで時々あるこういうミニゲームというかシューティングっぽいステージが凄く好きなんです。友達と手分けして処理していく楽しさを表現出来ればなあとか思っていました。

まあ、やってる本人達はめちゃくちゃ大変そうです! がんばれサーベラス!

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ハイファン新作です! かつては敵同士だった最強の魔術師とエルフの王女が国を再建する話です! こちらもよろしくお願いします。

平和になったので用済みだと処刑された最強の軍用魔術師、敗戦国のエルフ姫に英雄召喚されたので国家再建に手を貸すことに。祖国よ邪魔するのは良いがその魔術作ったの俺なので効かないし、こっちの魔力は無限だが?



興味ある方は是非読んでみてください
― 新着の感想 ―
[一言] 機械クジラ「あ、俺にもHPあるから注意な」 こうなったらマジで泣きたくなりそう。 だってこれ、ソロだとクリア不可能に見えるから。 守れないし、殲滅力足らなくて物量に負けそうだし。
[一言] 前回のBGMとか今回のタイトルとかで魔法戦やると思ったらイギリスの兵器出てきてビビった(笑。
[良い点] 久しぶりにサーベラスの姿を見れた。相変わらず作者リア先生のライブ感がある情景描写に脱帽する。 [気になる点] ユーナちゃんミリオタか……意外性があって良い。 [一言] GWあたりで祭りを…
2020/04/27 19:12 退会済み
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