7話「集う強者」
2020/03/29
セリフを修正
『ジャングルフィールド』
「……やべえ、こいつ頭沸いてるだろ」
「でも言ってることは合ってるにゃん。生存日数は他と違って乗算されるにゃん」
「ちっ、初期に死に過ぎた影響が響いているな」
「普通はみんなそうにゃん。このプレイヤーが異常にゃん」
黄髪に猫耳の生えた妖精が高い木の上でブンブン飛び回っていた。
「………ランキング2位でも悪くはないんだが……どうせデータ引き継ぎ出来ないんだろ?」
「出来ないにゃん。正式バーションでは最初からにゃん。でも最終日のランキング上位者には特典があるにゃん。一位の特典は……言えないけど凄い……にゃん。それにランキング一位も、このままみすみす一位を取られるような真似はしないと思うニャン。チャンスにゃん」
「ちっ煽るのが上手い。まあ、せっかくだ。挑発に乗ってやろう」
ダンッ! という音と共に、黒い影が木から飛び降り着地した。
「新しいスキル使いたかったし、丁度良い。魔王退治といこうじゃないか」
☆☆☆
『山地フィールド』
「あかん、ツボった。アキコ面白過ぎやろ」
「……死亡回数ゼロは異常……このまま放っておけば貴方のランキング一位の座も危うい……生存日数が違う以上、同じスピードで同じ数倒しても……負ける」
「せやろなあ。しかし相手のフィールド行くのも癪やなあ」
「なら指くわえて、相手が一位になるのを……見守ってればいい……」
巨大な岩の上で、寝そべっている大きな獣に青髪の妖精がけだるそうに喋りかけている。
「自分もほんまこういう時だけよー喋るなあ。普段無口な癖に」
「……喋るのがめんどくさいだけ」
「AIやろ! わかったわかった、そっちサイドとしてはそらランカーPB同士戦ってもらった方が盛り上がるんやろ? 気持ちは分かる」
「……いくの?」
「あたし……じゃなかったワイの百八ある座右の銘の一つにな、“売られた喧嘩は原価率を無視してでも買え”ってのがあってな」
獣がむくりと起き上がった。
「ほな竜狩りとしゃれこもか」
そう呟いたと同時に獣は疾走を開始した。
☆☆☆
「ふう……」
意味も無く息を整える。
なんだか緊張してきた。
公式アナウンスを見ると、運営サイドがこの動きを察知したのか、公式サイトで原始林を実況中継しているみたいだ。
私は、あえて、視界が開けた【獣王広場】の真ん中で待機していた。
ボスについては既に討伐済み。
さて、ランカー二人が本当に来るのか、来ても勝てるのかどうか。
それは誰にも分からない。でも私は、このゲームを通して少しだけだけど、変わった。
良い人と出会えたし、就活もその人のおかげで上手くいきそうだ。
全部、このゲームのおかげだ。
最初はこの姿が嫌だった。
可愛くないし、厳ついし。
でも今は、このスピノサウルスが愛おしい。
だから。
そう、だから勝ちたい。
勝って、証明したい。
私の前世は——飛びっきりの幸運の象徴だと。
☆☆☆
【ランカーPB】前々前世オンラインβ版【大乱闘】 Part523
722 名前:前世は負け犬
やべえ緊張してきたwww
723 名前:前世は負け犬
俺はアキコに800万ジンバブエドル賭けるぜ
724 名前:前世は負け犬
ランキング
1位【ビリけん】
2位【SEFIROSU】
3位【アキコ】
字面が凄い
725 名前:前世は負け犬
これビリけん逃げてもいいんじゃね?
わざわざリスク負う必要なくね?
726 名前:前世は負け犬
>>725
ヒント:生存日数、乗算
727 名前:前世は負け犬
ああ、なるほどかけ算になるのか
アキコまじでチートだが、今回の件で許した
728 名前:前世は負け犬
やべえwww空からウォッチできる俺勝ち組www
729 名前:前世は負け犬
公式で見れるぞ
730 名前:前世は負け犬
お前らここは実況禁止だからな。実況板に別スレ建てろ
731 名前:前世は負け犬
ドキドキ
………………
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