61話「VSジュエリーフィッシュ戦」
2020/04/03
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物陰から覗くと、さっきの四人組がいた。何やら揉めているようだ。
「ラノア、あの白ロリはユーナが倒すからそれ以外のキャラを倒して欲しいにゃん」
「でも、ユーナちゃん、あいつの光が……」
「大丈夫にゃん。トリックが分かれば……どうということはないにゃん。ラノアはいつも通り、戦えばいいにゃん。これを渡しておくにゃん」
そういってユーナちゃんが渡してくれたのは……限りなく透明に近い緑色のサングラスだった。しかもなんか凄くオシャレだ。そういえばユーナちゃん着ている服もこだわっているようだしオシャレアイテムはいつも常備しているのだろう。
「サングラス?」
「結局、悪さをしているのは光にゃん。ならば、一部でもカット出来れば……効かないにゃん」
「なるほど!」
「援護は任せろにゃん。ラノアは思う存分後ろを気にせず戦えばいい。あいつらは、視覚毒さえ無ければ雑魚にゃん。ただ、一体毒持ちがいるから気を付けるにゃん。まあそいつは真っ先に狙撃してやるにゃん」
ユーナちゃんが自信満々で日傘を構えた。
「分かった! ユーナちゃんは遠距離攻撃するってことだね?」
「そうにゃん、じゃあ行動開始にゃん」
そう言って、ユーナちゃんが慣れた感じに、後ろにあった高台となっている鉄塊をするすると登っていく。
でもユーナちゃん、武器持ってないんだよね。どうやって攻撃するんだろう?
『準備おっけーにゃん^^』というメッセージが来たので、私は武器を構え直した。
とにかく、ああ言うからにはきっと大丈夫だろう。現に一度助けられている。私はユーナちゃんを信じる!
私はサングラスを装備すると、少しずつ速度をあげて、その四人組へと突撃する。
あの白い少女が相変わらずピカピカ光りながら、何やら呆れたような表情を浮かべている。私の存在に気付いた、中性的な顔立ちの少年が慌てたように武器を構えた。
「敵襲だ!」
「はあ……こんな野蛮なゲームだなんて……知らなかったわ」
「パプリカさん! いつも通りお願いします!」
「……あなたたち、これが終わったらちゃんと説明していただきますからね」
「はい……」
未だにのんびりとしている少女と、武器を構える3人。
最初に目の前に飛び出てきたのは、肩幅が広めなこれまた中性的な青年だった。頭上にはカイリと表示されている。もっている武器は、銛のような形をした槍だった。
「っ! パプリカさん対策してる!」
カイリさんがそう言いながら銛を突き出そうとした瞬間。背後で、空気が破裂したような音と、飛来音。
「きゃっ!」
乙女っぽい悲鳴を上げるカイリさんの顔に、矢というより先端に返しがついたダーツのような物が刺さり、それと共に青黒いオーラに包まれた。彼女? のHPゲージが削れ、更にその横に盾と下向きの矢印が付いたアイコンが表示された。
「下がって! あれに当たると防御ダウンのデバフが付与さ——くっ!」
次々と背後から聞こえるパンッ、という破裂音。それと共に、ダーツが私以外のプレイヤーへと刺さっていく。
凄い、あれきっとユーナちゃんの攻撃だ!
攻撃が止んだと同時に、私は地面を蹴った。
「とりゃああああ!」
私は目の前に迫るカイリさんへと回転するように斧槍を薙ぎ払った。
「ええ?」
一撃でHPが半分以上削れたカイリさんが驚愕の顔を浮かべたまま、もう一回転して襲いかかる私の斧槍をまともに受けて消失。
回転の遠心力のまま、私は再び突撃。白ロリ少女を守るように、立つ2人。2人とも、頭にクラゲのかさを被っているが、それぞれ種類は違うようだ。
「くそ、チートだろ! 連射できる遠距離武器は実装されてないぞ!」
中世的な少年——頭上に“破隕”と表示されているプレイヤーが、そう叫びながら、私と、ユーナちゃんの攻撃、どちらに注意を向ければいいか迷っている。
「あれはおそらく前世固有スキルでしょう。飛び道具の連射……見た目に反映されない前世……まさか」
冷静にそういって、短剣を顔の前に構えているのは、K&Cと表示されているプレイヤーだ。
「なんでもいいけど、なんとか出来ないのか!」
破隕——ぱいんと読むのかな? とにかく破隕君が叫ぶ。
「さっきはよくもおおお!!」
私はそう言いながら斬り込む。2人の背後で相変わらずピカピカ光っている白ロリの少女がやれやれとばかりに首を振っているのが見えた。
「くそおおおここまで来て負けられるか!」
私の斧槍を、破隕君が受けた。必死な形相で、私の一撃を受け流した。
おお、結構強いねこの子。
「その通りです! 援護します!」
K&Cさんがナイフ持って、横から斬りかかってくる。その動作に赤い光を纏っているところを見ると、スキルのようだ。
ナイフが緑色のモヤを纏っているのが分かる。あれは、毒を付与しているのかな?
「っ! 邪魔ですね!!」
しかし、迫るK&Cさんに再びダーツが飛来する。背後で連続する破裂音が頼もしい。動きが鈍ったK&Cさんへと私は受け流された斧槍を突き刺す。
「こっちががら空きだぞ!」
私の横腹へと剣を薙ぐ破隕君だったが、私は気にせずそのままK&Cさんへと連撃を叩き込む。
「げっ! 全然ダメージ通らねえ!」
「まずいです! これ耐えられません!」
一瞬でHPゲージが1割を切ったK&Cさんがバックステップ。
しかし、それをユーナちゃんが予測していたのか、ダーツが飛来し、頭に命中。
「まさか微生物前世持ちにやられるとは……油断しました……すみません」
ダーツによるとどめの一発が当たる瞬間にK&Cさんはそう言って、命中と同時に消失した。
あと2人!
というときに、あの白ロリ少女——みればパプリカと表示されている——が光るのを止めて手を打ち、こう言い放った。
「これまでです。双方武器を納めなさい。もう、止めましょう。見ていられません。そちらのお嬢さん方、わたくしと彼は降参します。ですので、どうか」
知っているのかK&C!?
ユーナちゃんの前世と能力については次話で出てきます。多分8割の人が何ソレ状態になると思います。




