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14話「そして始まる前々前世」

2020/03/16

主人公の格好の描写に靴を履いている描写を追加


2020/03/21

就職した会社についての説明を加筆修正しました


 何度も壁にかけてある時計を確認する。

 

 ただいま午後11時55分。後、5分で、【前々前世オンライン】が始まる。


 私は、もう一度、済ませるべき事を済ませたかチェックした。

 トイレ、行った。

 お風呂、入った。

 水分補給、した。

 戸締まり、確認した。


「よし、これで大丈夫」


 そわそわしながら、私はVR機器を被った。


 明日から2日間、私は休みを貰っていた。田辺社長曰く、プレイに集中して欲しいからという事らしいけど……。


「ゲームしてお給料貰えるのって良いのかなあ……」


 いまだに私には、信じられないような待遇だ。

 

 雑務はするものの、さほど難しい事ではないのですぐに覚えた。それよりも私は、【前々前世オンライン】をプレイする事の方が重要な仕事らしい。


 とはいえ、特に何かしろと言われたわけではない。むしろ、自由に好きにやったらいいと言われた。報告書もいらないらしい。


 そもそも私が働いてるこの会社は、既に【前々前世オンライン】からは手が離れていた。元々の占い要素はさほど受けなかった(途中からサバイバルモード目当てのプレイヤーしか残らなかった)せいで、VerAからはほぼその要素は無くなったのだ。


 今は鈴木さんの会社へ【前々前世オンライン】の名義だけを貸している状態で、ゲームの運営やサービスについては一切タッチしていない。


「だから、気兼ねなく、好きなように楽しんでくれていいわ」


 そう田辺社長は言ってくれた。運営側だとやりづらいと思っていたので安心した。


 ちなみにあれから鈴木さんとは会っていない。開発と運営で忙しいようだ。VerAについての情報は一切教えてくれなかった。鈴木さん曰く、普通のプレイヤーとして楽しんで欲しい、だってさ。


「うーんじゃあ普通に楽しんじゃお」


 私は、VR機器のスイッチを入れた。



 いつものホーム画面が目の前に広がる。私は、時計を確認する。


 11:59


 ……あと少し



 0:00


 きた!


 私は、既にダウンロード済の【前々前世オンライン】の表示が起動可能になっていることを確認して、私はそのロゴをタッチした。



 世界が暗転。


 ズーーンという効果音と共に【前々前世オンライン】のタイトルロゴが表示された。背景にいる暑苦しい顔をした太陽と月のキャラが若干ウザい。あんなの前いたっけ?


 オプションも何もないので、『はじめる』の項目に触れた。


 パリンッ! という心地良い音と共に、目の前の光景がガラスのように割れた。


 真っ暗闇に浮かぶのはシンプルなダイアログボックス。


『貴方の生年月日と出生地、血液型、身長、体重、本名、ニックネームを入力してください』


 私は前と同じ各データを入力していった。体重も、一緒だ(本当だよ?)


「……【平野亜紀子(ひらのあきこ)】、ニックネームは……どうしよっかな」


 【アキコ】という名前はあまりにも有名になりすぎた。

 だから、Verβが終わったあと、たびたびSNS上でニセアキコが出現するようになった、らしい(後から聞いた)


 それを考慮して、私はニックネームを変えようと思っていた。どうせならもっと可愛い名前にしたい。いやアキコって名前自体は気に入ってはいるんだけど……


「ヒラノアキコ、だから……中だけ読んで……よし決めた! 【ラノア】にしよ!」


 アキコを期待している人がいるかもしれないけど……私はこの正式版では、あんなプレイをしないと誓ったのだ。もう……ラスボスはお腹いっぱいだ。私は、ラノアとして生まれ変わって、のんびり楽しむつもりだ。


 最後に、これで全て合っているかの確認が出て、私はOKを押した。


 さあ始まる!


 真っ暗闇から、タイトルにいたあのウザ顔太陽と月がまた出てきた。


「ようこそ……前々前世オンラインへ……」

「君の運命を歓迎しよう」


 なんか厳かにその二人(ふたり?)がそう言った。


「これより君は、前世に生まれ戻るのだ。さあ、何世前に戻る?」


 私の目の前に【前世を選ぶ】【前々世を選ぶ】【前々前世を選ぶ】の三択が並ぶ。


 こんな要素なかったなあ。新要素かな?


 んー前世を選ぶと……多分スピノサウルスだと思うけど、他の二つはどうなるんだろうか……。


 だけど、私は迷った結果、【前世】を選んだ。


 スピノサウルスが、恋しかった。ただそれだけ。


「良いだろう……では運命を、受け入れよ」


 太陽と月がどアップになり、目の前が暗転。



 さあゲームスタートだ。


 …………

 

 私は気付けば、あの激闘を繰り広げた【獣王広場】の真ん中に立っていた。

 周りは相変わらず鬱蒼とした森だが、前に比べて随分と深く、高くなっている。


 いや、違う。見れば、私は、私のままだった。


 右端のウィンドウに自分の姿が映っている。


 控えめな大きさの胸と、そこまで届く黒髪。

 自分では気に入っているそれなりに可愛くて愛嬌ある顔

 全体的に細い身体付きに、少し低めの身長。容姿が歳の割に幼いせいか更に小さく見える。


 着ている服はVRオンライン上のいつもの服ではなく、白い布で作ったシンプルなワンピースだった。足下には丈夫そうなゴムみたいな素材で出来た靴。右腕にはメカメカしい腕輪が嵌まっている。


「前々前世オンラインへようこそだ!」

「あ、スーズ!! 久しぶり!」

「あん? あーVerβ経験者だな……データ収集中」


 赤髪に赤い服のアシストAI妖精スーズがなんだかよそよそしい。

 私の事忘れてしまったのかな?


「……データ照合完了。ランキング一位特典をボックスに転移済。改めて、ようこそ【ラノア】。これからチュートリアルを行う。あたしは、アシストAIのスーズだ。よろしくな!」


 サムズアップするスーズだったが、なんだか、前とは違う……けど仕方ない。


「ちゅーとりある?」

「ああ。特にVerβ経験者は、混乱するだろうから、チュートリアルはスキップしない事を推奨するぞ」

「はーい」


 スーズがくるんと一回転すると、スーズの横に、半透明のスピノサウルスが現れた。

 

「スピちゃん!」


 間違いない、()()()()()


「これが、ラノアの前世の姿だ。君の力の源であり、力そのものだ。さあ、初期武器を選びな」


 私の周りにエフェクトと同時に、半透明の武器たくさんが現れた。それらはくるくると私の周りを回っている。


 見れば、剣だったり弓だったり槍だったりと様々だ。


 これもVerβにはなかった。


「後から変更できるので、好きな物で構わないぞ」


 その中で、一番ピンときたのが、


「扱いは難しいが、上手く使えば接近戦はかなり強い武器だな! それでいいんだな?」

「うん!」


 ピロンという音と共に、


『【斧槍】を手に入れました』


 というメッセージが表示され、私の手には鉄製の武器が現れ、ずしりとその重みを訴えた。


 見た目は槍だけど、槍の刃の横に斧がついている。ハルバード? と言うらしい。なんだかこれが一番格好良い。というか近付かなくても倒せそうな感じが良かった。斧も付いてて強そうだし。


 弓は使う自信がなかった。遠距離からぴゅんぴゅんするのも格好いいんだけど……。


「武器も決まった。さあ——運命を切り開け」


 スーズがそう言いながら、消えた。


 そして私の目の前に、


 ——半透明だったスピノサウルスが具現化した。


「ギャルアアアアアアアア!!」


 敵意を剥き出しにした咆吼が広場に響いた。


VSスピノサウルス


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ハイファン新作です! かつては敵同士だった最強の魔術師とエルフの王女が国を再建する話です! こちらもよろしくお願いします。

平和になったので用済みだと処刑された最強の軍用魔術師、敗戦国のエルフ姫に英雄召喚されたので国家再建に手を貸すことに。祖国よ邪魔するのは良いがその魔術作ったの俺なので効かないし、こっちの魔力は無限だが?



興味ある方は是非読んでみてください
― 新着の感想 ―
[良い点] フロム愛を感じます。斧槍……良いですよね。アキコもといラノアがどう活躍するのか、また上位ランカーたちは再登場するのか楽しみです。 [一言] 初めてダクソやった時は全身ハベルのチキンでした。…
2020/03/23 17:17 退会済み
管理
[良い点] 取り巻く環境が+に働いてるのは前々前世オンラインβでランクを上げまくったお陰かな?それともリアルラック??名前もラノアになって更に恐竜感とゲーム世界にいる感が出ていい感じですね。またスピち…
[良い点] バトル物として爽快感があって良かった。 [一言] 昔々、46億〇物語とうゲームがあってじゃな…… 失礼、長老ムーブしてしまいました。 生き物が進化していったりして強化したりなんだったりと…
2020/03/17 01:49 退会済み
管理
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