10話「同じ獣なら戦わにゃ損損」
【最後の】前々前世オンラインβ版【祭】 Part567
745 名前:前世は負け犬
sefirosuいったーーー
あれ、【ビリけん】狙いのスキルに当たったっぽいな
746 名前:前世は負け犬
うはー何のあのスキルwww
747 名前:前世は負け犬
最初の奴喰らったら、後のコンボ確定とかやべえ
748 名前:前世は負け犬
しかし良い勝負してるな
749 名前:前世は負け犬
あのさ、
これ上手いこと立ち回って二人とも倒せばワンチャンじゃね
750 名前:前世は負け犬
>>749
天才
751 名前:前世は負け犬
>>749
は? 大勝負邪魔すんなやカス
752 名前:前世は負け犬
>>749
倒してしまっても……かまわんのだろ?
753 名前:前世は負け犬
ランカーPB
なりてえよなあ………やるか
………………
☆☆☆
「ほな……いくで!」
剣虎が吼える。吼えた瞬間から身体に青いオーラを纏っている。何かのスキルかな!?
「疾っ!!」
え?
地面を蹴る音も、姿さえも分からず気付けば私のHPゲージが削れ、残り3割になっていた。
後ろ脚に、すれ違いざまに斬られたような痕が残っている。
後ろを振り返ると見えたのは残像。
このままではまずい!
タイミングが掴めないまま、私はとりあえずその場で回転しながら尻尾を全周囲へと振り回す。
「それは……悪手やでアキコちゃん」
「っ!!」
私の尻尾回転を、身体を限界まで伏せた体勢で避けた剣虎がすぐ足下にまで来ていた。
「【月下咆吼】は攻撃力を犠牲に素早さを上げるスキルやけど……アキコちゃん相手には丁度ええスキルわ——ほなな」
剣虎の牙が赤く光る。
まずい、あの攻撃スキルだ!
と思った瞬間。
「ひゃっはああスキル予備動作中は隙だらけだぜ!!」
剣虎の背後の地面から、鳴き声と共に何かが飛び出す。その爪に宿るのは赤い光。
「ちっ!」
剣虎がスキルを発動するも発動角度を変えて、真上にいる私ではなく、真横へと赤い流星となって駆ける。飛び出てきた乱入者の爪による一撃が空振る。
あのスキル、回避にも使えるのか!
見れば、乱入者はモグラだった。
「雑魚が、邪魔すんなや!」
剣虎が吼える。
私は、一旦距離を置こうとバックステップ。モグラは再び穴へと潜っていった。
「お前らだけに良い格好させるかよ!」
「祭りと聞いてきますた」
「ランカーワンチャン」
「アキコリベンジ」
うわー。
見れば、辺りの茂みや木々から続々と獣が飛び出てきた。上空からは大きな鳥が急降下しているのが見える。
中には見覚えのある姿やHNもあった。
「こいつら! ワイとアキコちゃんが弱ったところでトドメさして漁夫の利狙いか!」
あはは。なんだか分かんないけど、楽しくなってきた!
「よーし全員倒してやるぞおおおお!!」
私がそう吼えたと同時、バトルが始まった!
☆☆☆
「ギャルアアアアアアア!!」
スピノサウルスの咆吼が響き渡る。
本能が恐怖を訴えるが、それすらもねじ伏せて今ここに自分を立たせているのは、ある一種の高揚感だと、その場の獣達は無自覚に理解していた。
「とりあえず紙装甲の【ビリけん】狙いで俺はいく」
「うおおお邪魔する奴は全員ぶっころ!」
せっかくの祭りだ。見てるだけじゃつまらない。
そう考えた獣たちがこの【獣王広場】へと続々集まっていた。
「うおおおおおどけえええええ!!」
スピノサウルスに向かって突撃しているのは、一体のクロサイだった。途中にいる他のプレイヤーを巻き込みながら進む姿はまるで重戦車のようだ。
「ああいう奴はアキコちゃんに任せとこ」
剣虎は突撃に当たらないように位置を変え、有象無象の獣を狩っていく。そのあまりの速さ、そして攻撃力に、
「はひ?」
攻撃されたという自覚すらせず消えていくプレイヤー達。
「ぎゃあああああ!!」
スピノサウルスは噛んでいたオオカミを投げ飛ばし、クロサイの突撃を前に地面を蹴って飛翔。
哀れオオカミ、クロサイの突撃に巻き込まれ、消失。
「まじかよ!」
素早さが一定数値以上ないと出来ないであろう大ジャンプで、クロサイの突撃を避けたスピノサウルスが着地と同時に、その隙を狙って攻撃しようと集まってきた他プレイヤーへと——尻尾を薙ぎ払った。
横回転による全周囲攻撃に、獣たちが散っていく。
「近付けねえぞあれ!」
「ヒットアンドアウェイで地道に削るか?」
流石に冷静になったプレイヤー達が、スピノサウルスの凶悪な性能と姿に注視していると、
「おーい誰か忘れてへんか?」
咆吼と共に一陣の風。
「ぐわあああ!!」
「ひええええええ」
颶風と化した剣虎が広場を縦横無尽に駆け巡り、プレイヤー達を斬殺していく。
「うおおおお!!」
クロサイが方向転換し再び突撃を開始——しようとしたが、
「動く前にたおーーす!」
スピノサウルスの赤く光る牙によって、首を噛まれた。
スキル【獣脚乱舞】が発動。
クロサイの巨体がまるで枝か何かように軽々と振り回され、地面へと叩き付けられた。
クロサイがエフェクトを巻き散らしながら消失。
同時に、【獣王広場】のプレイヤーのほとんどが剣虎によって狩られ、残るは数体となった。
「雑魚はなんぼ群れても雑魚じゃ」
「あれ、もう終わり?」
剣虎とスピノサウルスの咆吼が広場に響き渡った。
オンライン期間終了まで——残り10分
お祭り状態!!
よろしくお願いします(>_<)




