プロローグ
カバ太さまより原案をいただいております。
カバ太さまマイページ:
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――― この世界には、スキルが蔓延している。
神は人々にスキルを賜い、つくべき職業を示唆する。
……全てを決め、全てを賜う神に栄光あれ。
神の意思に全てを委ね、その恩恵を享受せよ。
栄えあるかな、主なる神。
栄えあれ、栄えあれ、栄えあれ…………
く そ く ら え ! ―――
※※※※
祭壇に掲げられた乳白色のオーブが司祭の祈りに合わせ、くるくるとその輝きを変えるのを俺は、じっと眺めていた。
今日は6歳の誕生日。
前世の日本ではソコソコな格闘家だった俺が、練習しすぎの過労死でこの世界に転生して6年目、というわけだ。
この世界では、6歳の誕生日に神からスキルを与えられ、何らかの職業を約束される。
スキルレベルを上げることさえ頑張れば、ほかの努力は不要。
何を悩む必要もなく、食っていけるようになっているのだ。
さて。俺のスキルと職業は何だろう。
これで将来が決まるのだから、ワクワクしないこともない。
やはり一番の希望は 『格闘家』 だな。
『魔法使い』 も憧れたが、魔法はとうの昔に滅びて、彼らはおとぎ話の中だけの存在らしい。
「神聖なる白きオーブよ、示したまえ……この者の行くべき道を……」
司祭の祈りに合わせてオーブは更に強く、虹色に輝いた。
司祭が高らかに告げる。
「スキル…… 『おもらい』 !」
…………はぁ!?
「職業は…… 『乞食』 !」
まじかよ……!
親は口々に 「まぁ……! 何もしなくても良い職業なのね!」 「うむ……あまり良い生活はできないかもしれんが……神の啓示だからな」 などと言っている。
「こうなったら腹を括るしかないね」 「そうよ。職業に貴賤はないわ」 とうなずきあい、両親は俺の肩に手を置いた。
「「リック。立派な乞食を目指すんだ!」」
その晩、俺は、こっそり泣いた。