とある猫の日常
プロローグ
我輩は猫で…
1
おっと、危ない危ない。
とにかく、猫なのだ。我輩、野良でフラフラしているところを、今の主人に拾われた。
野良猫ライフも気ままで良かったが、帰る家があるというのもそれはそれでいいものだ。
ゴミを漁らなくても餌にはありつけるし、雨が降っても家に中にいれば濡れることはない。
この歳になると、ゴミを漁るのも冷たい雨にうたれるのも身体に堪える。
このまま、一生を過ごしていくのも悪くない。
ちなみに、我輩を拾ったのは大地という名前の会社員。
我輩に、ポチという名前を付けたのもこの主人だ。
我輩、猫なのにポチって…
なかなかの、ネーミングセンスをしている(嫌味)
この主人は実家に住んでいて、父、母、妹の4人家族。
どこにでもありそうな、一般的な家庭だ。
え?何故そんなことわかるかって?
我輩、どーやら猫又というものになったようだ。
いつの頃からか、人間の言葉がわかるようになった。
詳しいことはよくわからんが、長いこと生きてると猫又というものになるらしい。
そんなこと我輩にとっては、どーでもいいのだが。
ま、このまま死ぬまで過ごしていくさ。
おや?主人が帰ってきたようだ。
腹も減ってきたし、出迎えに行ってやるか。