第78話 聖拳?
身体を鍛え始めて、まだ一週間くらいだと言うのに、すでに理想の筋肉以上に仕上がっている。
すでにトレーニング本の裏表紙のマッチョな若者の筋肉を超えているのだ。
すでに腹筋は六つに割れ、鍛えずらいインナーマッスルも仕上がっているのだ。
魔法の力を取り入れているのだが、この速さで鍛えられるとは恐ろしい限りだな。
此処まで鍛えあげられると、つい口ずさんでしまう言葉が出る。
「俺は美しいと」
鏡を見ながら髪をかき上げて、つい口づさんでしまうのだ。
決してナルシストでは無い、勘違いはしないで貰いたい。
しかし、身体を鍛えるに至って別の問題が有るのだ。
まず前から思っていたが、髭がまったく伸びていない。
この異世界に来た時からおかしいと思ったのだが、まったく伸びていないのだ。
俺は髭が濃い方ではない。
むしろ薄い方だと自覚はあるが、身だしなみで朝方は必ずシェイバーをかける。
しかし今はその必要もなく、顎を触ってもすべすべ感しか無い。
髭をそらなくて手間は省けるので良いが、やはり曰く間が残る。
それに髪の毛もまったく伸びた感じがしていない。
これが問題なのだ。
間違って切ってしまったら、伸びてこないのではと危惧している。
髭は伸びてこなくては良いが、髪の毛は別だ。
剥げないと思うが、坊主でも嫌なので気になる。
髪の色を染める魔法薬があるので、もしかしたら髪が伸びる魔法薬も無いか気になるところだな。
あって欲しいと思っている。
それとおかしな話、俺の下半身の息子も、ターナさんに洗浄魔法をかけて貰ってから起きてこない。
尿は普通に出るがどういう事だろう?
髭が伸びないのと関係があるのか。
まるで俺の肉体が時が止まっているのかとも錯覚が起きる。
しかし、逆に鍛えると以上に成長が早いのでおかしい限りなのだ。
この世界で使える特殊チート能力もある。
魔法、マナが何か関係していると思えてくるな。
下半身の息子だけは早く復活して貰いたいのだが、これは自分の意志でどうにもならないので困った次第だ。
イン〇になったのではないよな。
それは違うと思うのだが判断がつかない。
しかし、今の現状は考えて見れば逆に良いのかも知れない。
いつも隣で寝ている可愛い嫁さんに手を出してしまったら、俺は二人にどんな目に合されるのか心配なのだ。
まだ未成年の嫁さんに不貞をはたらいたと言う事で、下半身の息子がちょん切られたとしたらどうなるだろう。
魔法で復活できるのか。
それとも切られたのをくっけらるのか疑問に思えるな。
二人に切られる可能性もあるので現状は起きなくても良いだろう。
しかし何故、これほどまでに身体が鍛えられるのに、起きなくなってしまったのかは懸念さえ思える。
まぁ、いずれ復活すると思うので良いだろうな。
さてと鏡を見ながら鍛えていても、どのくらい強くなったのか分からんな。
何か良い確認する手立てはないだろうか。
人を不要いに殴るのが、一番分かりやすいが、それは犯罪だろう。
と言う訳で、金色の林檎を使う事にした。
食事に出る林檎は、サレンさんが確保してしまうので現状では使えない。
砂糖を入れて甘く煮ればジャムの過程で出来る林檎の甘煮が出来るはずなんだが、一向に俺達の元へ試食としてあがってこないのだ。
すでに作り方と、砂糖は渡してあって、甘い林檎を煮た匂いがする時は有るのだが・・・
出来ているのは分っているが、できる過程ですでに試食で無くなってしまっているのだろう。
三時のお茶に出して欲しいのにな。
一応、アップルティーは皮からできる方法を教えて追加になったのだが中身が出ないとはな。
まだ、禁断症状が出る時があるので言えないのが問題だな。
しかし、その内にはおさまるだろう。
前よりはさすがに酷くは無くなったのだからな。
と言う訳で、俺はこの世界に来た時手に入れた金色の林檎で試しに手刀で切れるかやってみたいと思う。
何故だか簡単に切れそうな気がするのだ。
貴重な金色の林檎と言う話だけど、食べてしまうから別に良いだろう。
午後からはみんなが、手が空くので手伝って貰おうとする。
「ご主人様、何をなさるのですか?」
「ターナさん、ちょっと手伝って貰いたいんだよね」
「?」
「これ、これ。
魔法の収納カバンから出した、この金色の林檎を俺の方に軽く投げて貰いたいんだ」
「そ それは、奇跡の果実。
B級モンスターに生っている果実ですよね」
「?
良く分からんが、なんか人の顔があった木に生っていたんだよ。
あれってやはりモンスターだったのか攻撃されて死にそうになったからね」
「あのマッドツリーを倒したのですか。
すごいです、ご主人様。
B級に指定してあるモンスターですが、A級クラスのモンスターとかでも普通に狩って食べてしまうモンスターなんですよ。
冒険者でもそれなりの対策をしないと、やられてしまいます。
対策していても、特殊幻惑スキルを使うのでその効果に捕まってしまうと抜け出せないのです。
森の死を司る木として恐れられているのですよ」
「へー、そうなんだ」
「生きて帰る者が居ないと言うので発見さえ困難なモンスターなのですよ」
「おぉ、俺はそんなモンスターに会ってしまったのか。
この世界に来た時から運が悪いな。
と言うか来たこと自体運が悪いか。
でもターナさんみたいな奇麗な人と出会えたから良しとしても良いかな」
「ご主人様・・・」
「それで、この三つある林檎を弧を描くように俺の方にゆっくり投げて欲しいんだよね」
「投げるのですか。
分かりました、やらせて戴きます」
・・・
「あれ?
ご主人様何をやっているのかしら。
・・・
ちょっとアニスあれは奇跡の果実ではないかしら」
「なによ、奇跡の果実ですって、そんなのある訳・・・
いえ、確かご主人様はたくさん持っていたはずでしたよね。
キースとの決闘時に取り出したのを見ましたわ」
「ええ、そうよ間違いなく奇跡の果実だわ。
しかしなんであんな危ない果実をたくさん持って居るのかしら。
マッドツリーに生っている果実ですよね」
「ええ、そうよB級モンスターの、いえ実際はS級指定と言って良いわね。
不用意に近づいたら助かる見込みゼロと言われているモンスターですからね」
「そうよ。
特殊幻惑系の魔法がS級レベルで危険なモンスターですよ。
対策なしでは討伐などもっての他です。
エルフの森でも一体現れただけで何人も被害が及んだのですよね」
「ええ、その規模、千人以上の者が神隠しに会ったと言われましたの聞きましたよ」
「そうそう、結局あのマッドツリーが関係していると分かった次第ですから。
強者のエルフ達も散策中に消えたのですから。
恐ろしい限りです」
「人を糧とし実を成す、あの金色の林檎一つで三十人の人や魔物を食らった証と言われているわ」
「確かに聞いた事が有るわよね。
人を糧とし実になった金色の林檎を人が食べると百日は若返りの効果を発揮すると言われているわ。
効果もすごいけど恐ろしい林檎だよね」
「私はご主人様が、無造作に取り出し食べた時には狂気を感じたわ。
だってそれほど貴重な林檎ですよね。
それを人前に出すんなんて有り得ませんから」
「そうね。
あの林檎を狙って命を狙う者もいたと思えるくらいに」
「でも、冒険者ギルドの事が会って誰も来ていませんね」
「来ていたのかも知れませんが、ご主人様の特殊即死魔法で死んでいるでしょう」
「けど今はまったく嫌な気配を持つ者がまったく来ないので大丈夫っでしょう」
「確かに最初のうちは会ったのですが、ふと消えてしまうので、即死魔法が発動したのですね」
「そうですね。
それで私達も安心出来ましたから。
ホテルの人達が死んだ人達を人知れず処分しているのでしょうか?
そんな素振りは見せませね」
「こう言うホテルでは秘密厳守なので余計な事は言わないのしょう。
それにご主人様が殺した証拠もないのですから、不審者として闇に人知れず葬られているのでしょう」
「そうですね。
もしかしてマッドツリーも、ご主人様の即死魔法で倒したのかしら」
「その可能性はおおいにありますよね。
そうでなければ勝ち目などありませんから」
「サレン、貴方はマッドツリーに勝てますか」
「無理ですよ。
対策が合っても、どの幻惑魔法が使って来るか不明ですからね。
怖いのはあのマッドツリーも即死魔法を稀に使うと聞いていますよ」
「そうそう、マッドツリーも即死魔法が使えるのよね。
恐ろしいモンスターだわ」
「でも本当に何をご主人様するのでしょうか」
「私達も見ていましょう」
・・・
「それじゃまず一つ、俺の方に軽く投げて貰いたい」
「分かりました。
いきますよ。
アレサ」
ターナさんは弧を描くように金色の林檎を投げた。
よしまずは一本抜き手だ。
俺はゆっくり迫ってくる金色の林檎を右手人差し指で貫いた。
「スッ」
空中で金色の林檎が静止する。
目にも止まらぬ速さで金色の林檎を貫いた。
空中で止まったように見えたのだ。
よし、簡単に林檎を貫けたな。
秘孔が分かれば突けるかも知れんぞ。
しかしさすがにそれは出来ないので残念きわまりない。
次に移ろうか。
今度は手刀で林檎が切れるか試したい。
一端指で貫いた林檎を床に置き体制を整える。
「ターナさん、今度はさっきと同じよに林檎を二つ一度に投げてくれないか」
「二つですか。
分かりりました。
・・・
アレサ」
アレサと言ってターナさんは投げた。
さっきも言ったがアレサとは投げる時に合言葉みたいなものかな。
まぁ、良いか。
向かってくる二つの林檎を両手を使い手刀で切り裂いて見た。
「スパッ、スパッ」
「パシン、パシン」
難なく二つの林檎は手刀で切り裂くことができた。
落ちる寸前に二つの林檎を掴み込んでしまう。
うむ、切り裂くどころか、林檎が落ちる前に掴めてしまったか。
まさかそこまで出来るとは思わなかった。
これは上々の仕上がりだな。
三人の少女達は、目を点にしてみていた。
「ちょっと何よあれ、林檎を指で貫いたと思ったら、素手で切り裂いてしまったのよ。
それも待ったく林檎がブレていない。
あんな事、剣でもできるかしら。
異常よ。
異常だわ、ご主人様わ」
「ええ、本当にまさか此処までおかしいとは思いも寄りませんでした。
それに見て下さい。
あの筋肉質な身体、まるで何百年も鍛えているような鋼を髣髴される身体に変わっていますよ。
僅か、七日足らずであそこ迄、鍛えることができるのですか?
確かに異常ですわね」
「そうね。
それにしても、ターナのあのご主人様を見る目、なんてキラキラ輝いているのかしら。
まったくご主人様の事を異常だと思っていないわ。
むしろ尊敬の眼差しで見ているとはおかしいでしょう。
どこで間違ってしまったのかしら。
こっちはドン引きしていると言うのにね」
「確かにそれは有りますけど、無理はないかも知れませんよね。
信頼を寄せている人が、更に強くなっていると分っているのですから当然なのかも知れませんよね」
「確かにそうだけど。
異常よ、異常だわ、ご主人様は・・・」
・・・
フフㇷッ、かなりの切れ味だな。
!
これはいけないな。
爪に林檎の果肉が付いているのではないか。
まだ、鍛え足りないと言う事か。
しかし、北〇神拳は使えそうに無いが、南〇聖拳は、普通に使えそうだな。
しかし、南〇聖拳は使えたとしてもキャラ的にナルシストのユ〇になってしまうではないか。
これはどうしたものか。
どちらかと言うと俺はサウ〇ーが好きなんだよね。
と言うかアニメで見たギャグの方のBBから見て知ったのだけど。
いちご味のギャグをかます不死身のサウ〇ーが気に入っていたんだよね。
それから原作の方を買って読んで見たら、サウ〇ーの話がかなり良かった。
それで余計に好きになったんだよな。
しかし今の状態だと単にナルシストのユ〇では無いか。
でもユ〇の拳は飛び道具では無いが、気を放ち切り裂くことが出来るんだよな。
唯一南〇聖拳で出来るんだよな。
聖帝サウ〇ーの十字切りもカッコ良いけど、どちらかと言うと使用はユ〇の聖拳の方が実用的に良いんだよな。
風魔法を合わせ切り裂くことが出来そうだからね。
よし、今度の鍛えるイメージのスタイルが決まったぞ。
基本イメージは聖帝サウ〇ーで使える技はユ〇の聖拳で行こう。
次の段階はこれでイメージをして鍛えることにしよう。
しかし俺は何処へむかおうとしているのだ。
特殊即死チート能力もあるし、変な方向へ進み始めているのかも知れないぞ。




