表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/96

第73話 二人のティータイム ①

 うむ、面倒な話を聞いてしまったな。

 ジークフリード・〇〇〇〇〇〇、どう見ても転生者だろう。


 それも例えるならば、ナルトと似たような尾獣をいくつも使役していると言うのだな。

 その他に魔神、魔邪獣も取り込んでいるならば余計に質が悪い。

 他の魔獣の能力を使えるならば、最終ボスの風格を持っている存在と言って良いだろう。

 尾獣玉とか使ってこないよな?

 使えそうなので恐ろしい限りだ。


 俺は特殊チート能力があるので、身体を鍛え、魔法をそれなりに覚えておけば何とかこの世界で生きていけると思っていたが、そうはいかなくなってしまったのか?

 チート能力の差が桁違いに有りすぎる。


 せめて、時を停止する、不死超回復、死に戻り、スキルのコピー又は奪う、スキルの無効化又は消失化、次元を扱う、未来予知、アンサートーカー、ブラックホールを創り出す。

 どれか一つでも持っていなければ、そいつに対応できないのでは?

 俺の即死能力程度では太刀打ちできないだろう。

 それとも今ざっと思いついた、全部の能力を持っていないと対抗できないのかも知れない。


 なんてこったい、そんなバケモノが居るとは夢にでも思わなかった。


 クッキーの件での呆けているサレンさんの悲痛な叫びは放っておいて、これは本当に対応策を考えなくてはいけないな。


 それに公爵家ともやり合っているのか。

 王家とも摩擦があるのは確かだろうな。

 話を聞く限り、この国の王族も公爵家もろくな存在ではないらしい。

 キースを殺っている俺とは問題になっているはずだから、公爵家と敵対しているならば、そいつと会って見るのも良いかも知れない。

 転生者だったら話が合うかも知れない。

 話が合うならば仲間に入れて貰うか、俺の事を保護してもらうのも良いだろうな。


 !

 そうだ保護して貰えればよいんだよ。

 それにもしかしたらそいつの能力を使えば元の世界に帰れるかも知れない。

 取り込んだ魔神とかの能力があれば帰れる可能性もあるからな。

 此処は前向きに考えよう。


 でも頭が壊れていそうなのでそこが怖いところなんだよな。

 まともな人物だったら良いんだけど。

 まさかと思うが、仲間に入れて貰ったのは良いが、いっしょになって神(悪魔)と争いをする事とかはないだろうな?

 さすがに、それは考えすぎか、有り得ん話だろう。


 あぁぁ、俺って疑い深いな。

 先ほど前向きと言ったのに、マイナス方向へ考える。

 疑い深いのとうり越して異常になってしまっているよ。

 

 しかし、いろいろ考えることがあるな。

 せっかく強くなって外へ出かけて見ようかなと思ったが、まだまだ先の話になるのか。

 これじゃ当分宿屋に引き籠っているしか無いぞ。

 とりあえず、今から少しだけでも良いから筋力のトレーニングに入ろう。

 強くならなくてはどちらにしても始まらない。


 それと新たな能力が欲しいのでイメージの練習でもしておこうか。

 使えないと思うが、かめはめ破にザ・ワールドそれと元気玉のイメージトレーニングでもするかな。

 まさかこの世界でかめはめ破の練習をするとは思いもよらなかったな。

 でも何故か元気玉だけは魔法で似たような事が出来そうなので試してみたい。

 

 まぁ、元の世界で、練習している人は実際いるのだからイメージだけでもするのは問題は無いだろうな。

 アメリカでそういう道場あるらしいから。

 もしかしたらこちらの世界に来れば、元の世界で練習をしている人は本当に出来るかも知れないぞ。

 俺と違って、本気でやっている奴らが実際にいるのだからな。


 ティータイムは終わりにしよう。

 俺は神妙な面持ちで席を立つ。

 

 「どうしたのですか、ご主人様」

 「俺はこれからトレーニングを開始しようと思う。

 君達はゆっくりお茶でもしていてくれ」

 「私も魔法の練習したいと思います」

 「!

 無理しなくても良いよ、ターナさん」

 「私もやりたいんです」

 「そうか、それじゃお互い頑張るか」 

 「はい、頑張ります」

 「・・・

 あの、サレンが呆けていますが」

 「仕方ない、さっきの話は撤回しよう。

 そう伝えてくれ。

 俺の残っているオレンジの蜂蜜漬けを渡せば正気に戻るだろう」

 そう言って席を退席し、トレーニングを開始する。


 「サレン、ご主人様からお許しが出たわよ。

 それと、オレンジの蜂蜜漬けを譲ってくださるそうですから、要らないのなら私が食べてしまいますからね」

 「!

 許して下さったのですか。

 それにオレンジの蜂蜜漬けを・・・

 食べますわよ。 

 私の物ですからね。

 アニスは食べないで下さい」

 「分かったわよ。

 サレンて現金なんだから」

 「もぐもぐもぐ、美味しい」

 「・・・

 本当に蜂蜜の禁断症状とか有るのじゃないのかしら。

 麻薬ではないけど、蜂蜜でなるなんて聞いた事が無いわよ。

 ・・・

 でも本当に蜂蜜で何かあったの?」

 「私も分かりませんよ。

 甘い物を見ると無性に食べたくなるのですよ。

 「今までのストレスが溜まっているのですかね?

 ターナが見ているので少しは気にして下さいよ。

 自覚が無いのは困りますわ。

 私が本当はこんな事を言う筋合いが無いのですからね」

 「分かっていますわよ。

 確かにストレスが溜まっていたのかも知れません。

 急激に体力と魔力が回復しましたので、耳も直り気持ちも楽になりました。

 少しは余裕が出来たので緊張がとけたのでしょう。

 アニスあなたは違うのですか?」

 「私もだいぶ回復はしましたわ。

 このホテルを丸ごと吹き飛ばすくらいの魔力は貯められましたからね。

 私はどちらかと言うと、何かを壊したい衝動にかられることが有りますのよ」

 「!

 なんですって、私よりも質が悪いじゃないのよ」

 「私は貴方と違い実行するまでの事はしませんよ。 

 そこまで感情を制御できないわけでも無いですからね。

 貴方とは違いますから。

 ただ、何となく駆り立てられる衝動が有りますだけですよ」

 「やっぱり、おかしいわよ。

 何時、暴走するかも分からないんですよね。

 常に正気を保って下さいよ。

 お願いしますからね」

 「分かっていますとも。

 でも、ご主人様がいるせいで安心感が出来たのかも知れませんね。

 ターナがご主人様に依存してきた気持ちが分かるわ。

 力をある者に引かれるのは当然だもの。

 それにご主人様を見習って自分も強くなろうとしている。

 これは良い事なのよね」

 「それは言えるわね」

 「金の髪、緑の瞳、エルフの始祖の血を引く者、私とあなたのような雑種ではない一族の者ですから。

 能力が高い純粋な一族ですからね」

 「ハイエルフですか。

 鍛えれば誰よりも強い力を得られると言う」

 「私は彼女がなれるのかも知れないと思っていました。

 ご主人様に功旺して見せれば本当にハイエルフになれるかも知れませんね」

 「そうね。

 でもそれよりも、ご主人様って何者かしら。

 本当に得体の知れない生き物ですよね」

 「それは、言ってはいけない事よ」

 「そうね。

 でも、あなたと同じ匂いがするのよ」

 「匂い?」

 「そう貴方のひいひいおじい様と同じ匂いかしら」

 「剣聖様ですか。

 最果ての地から召喚されやって来たと言うけど、故郷を捜して今も旅をしていると言う話は聞いているわ。

 まだ見つかっていないと言う話ですが。

 もしかして、ご主人様と同じ異世界から来たのかも知れませんね」

 「確かに、ご主人様と同じ異世界だったら見つからないはずよね」

 「そうね。

 ご主人様に会えば、剣聖様の旅は終わるかも知れないわ」

 「いずれ時が来れば会う事が有りましょう。

 サレン、貴方は剣聖様と会う時どうするのですか?

 同じ血を引いているのでしょう。

 そんな腑抜けた姿を見たらがっかりするのではないかしら」

 「そ そんな事はないですよ。

 たぶんですが」

 「まあ、もともとあなたの剣技は道場剣術止まりですから。

 期待するほどの技術は持っていないでしょう。

 剣聖様は女性が剣を持つことは嫌がられると聞いた事が有りますわ。

 護身術程度で身につければ良いと言う話でしょうね」

 「そのようですね。

 道場の者達は私に、基本的な剣術しか教えてくれませんでした。

 でも女の私に、教えてくれた事だけでも良いでしょうね」

 「そういえば、勇者との戦いが終わって公爵家に嫁いだのは良いですが、指南役を引き受けても剣技を誰にも教える事はしなかったと言う話ですから。

 おかしな話、指南役なのに教えないとはね。

 そのせいで弟子も名ばかりで流派の違う剣技を使うとか聞いていますよ。

 今の公爵家の当主もまったく違う流派ですよね」

 「そうですね。

 刀ではなく剣技ですから」

 「貴方は刀を使えるのかしら?」

 「少しだけですが。

 ・・・

 道場にたまに来た時でも、誰も稽古はつけて貰えなかったとか。

 魔獣を狩りにい行くとき、見せるから刀技を盗めという話だったみたいです」

 「そうだったの」

 「お婆様の話では、教えるのが非常に苦手だったとか聞きましたわ」

 「そうでしたのね。

 それではあなたの家系の刀術は剣聖様から習ったのではないのですね」

 「どうなんでしょう?

 お婆様が、共に旅をしていた時に少しだけ剣聖様の手ほどきを受けたと聞きました。

 それに刀術を後世に残す為に何冊か本を書いたらしいです。

 剣聖様が自らお婆様へ書いて欲しいと頼んだみたいですね。

 その本の一冊が公爵家にもあると言う話です」

 「そんな本があったのですか?」

 「後世に勇者を相手にできる刀技を残せれば良いと言う話です。

 他にも魔獣の討伐の刀技とか有るようですね。

 私は見た事無いですけど」

 「勇者を相手にする刀術ですか。

 興味深いですね。

 神により召喚されこの地に降り立つ勇者ですよね。

 あの青い月から召喚された者達だと聞いていますわ」

 「そのようですね。 

 青い月から来た勇者も異世界から来たと言って良いのかしら」

 「確かに異世界だけど、聞いた話ではあきらかにご主人様とは違う世界ですよね」

 「確かにそうですわね」

 「もともと神が封印した魔獣達を再度封印し直す為に来るのですよね」

 「確かにそのようですね。

  ニ百年周期で送り込まれるとか聞いていますわ」

 「それでは、そろそろ来るのかしら?

 剣聖様が来てから、四度目の勇者来襲でしたよね。

 そろそろ千年になります。

 五度目の勇者召喚があっても良いのではないかしら」

 「どうなのでしょう。

 神様は地上を見ていると言うので、封印していた魔獣が居なくなっているのは知っているのでしょう。

 封印の効力が弱くなったら送り込まれるはずですよね」

 「確かに、その弱まった封印を利用して、北の門閥貴族の当主様は封印を解いたのですよね」

 「そうでしたわね」

 「エルフの国でも封印が弱まり魔獣が解き放たれると言う大騒ぎになったのですから」

 「幸いあの方が来て封印を解き使役してまったのですよね」

 「そうです。

 でも、いなくなった魔獣を封印しに来るのかしら」

 「来る可能性はありますね。

 封印はされていませんが、使役している人はいますから。

 それに、前に聞いた事が有るのですが、勇者が持っていた神武器の回収もしているみたいですわね」

 「確かにそんな話は聞いた事があります。

 過去に魔獣を封印する為、神が作った特別な武器でしょう。

 勇者が死んでもその武器は残されていますから」

 「勇者出なくとも神武器を使い封印できるのですよね。

 名だたる者が武器を用いて封印が出来る者がいますと聞きますわ。

 王家や貴族達は、神武器を手放すことはしないでしょう。

 奪還の為に勇者と争いになると言う話ですからね」

 「サレン、それは違うわ。

 勇者の目的は魔獣の封印と神の意志を叛く者を裁きにも来ているのですよ。

 この地の者には代々、魔獣の封印を見守る神官と、勇者の為に作られた神武器の管理をしている一族がいましたから」

 「確かにその話は聞いた事がありますわ。 

 エルフの里では人知れず、魔獣の封印を管理する使命を帯びた人達がいましたよね。

 でも千年前の勇者の横暴な振る舞いで大陸の者達が離反し、勇者との争いにまで発展してしまったのですよね」

 「そうそう。

 そんな、さなか剣聖様がこの地に召喚されたと言う話です」

 「勇者の横暴な振る舞いの裁く為に、別の神が召喚したと言う話ですよね。

 剣聖様も封印された魔獣を倒し、再封印をおこなっているのでしょう」

 「でもそれはあくまで噂話よ。

 私はこの地の権力者達が、都合よく解釈して人民に伝えただけと聞きましたわ」

 「そうなの?

 私が聞いた話とは違いますわね」

 「私も聞いただけですので、本当かは分かりませんわ」

 「!

 アニス、何を怒っているのですか?

 おかしいですよ」

 「怒ってなどいませんよ。

 ちょっとだけイライラしてきただけですわ」

 「まさか破壊したい禁断症状が起こって来たのではないでしょうね。

 落ち着いて下さい」

 「分かりましたわ。

 ・・・

 ・・・

 ・・・ 

 ふう、もう大丈夫よ。

 落ち着きました」

 「そう、それは良かったわ。

 話をしている最中に突然人が変わったように怒り出すなんて」

 「えっ、そんなに私って変わっていたのかしら」

 「ええ、別人のように」

 「これは私も気を付けないといけませんわね。

 貴方のような醜態をさらしたら、ご主人様に申し訳ないわ」

 「何よそれ、私がそんなに醜態を晒したって事かしら」

 「そうよあんな幼児退行した姿を見たら誰もお嫁に貰ってくれないほどの醜態を晒していたじゃないですか」

 「嘘よ、そんなの」

 「嘘では無いですよ。

 まったくサレンときたら自覚がないんですからね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ