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第64話 爆発する?

 鏡を見ながら、魔法を使い空手の型をする。

 今回、鍛錬しているのは攻撃系の型だ。

 その姿に俺はうっとりと酔いしれている。

 なんて、美しい突きだ。

 繰り出す拳、これほどまでに速く正確無比に俺意外出来るだろうか。

 当たれば岩さえも粉々に砕け散るだろう。

 変な妄想を入れながらトレーニングを積んでいるのだ。


 「ご主人様、塩の生成の前準備終わりました」

 アニスさんが声をかけてきた。


 「おぉぅ、今行く」

 おいおい、まさかこんなに早く終わってしまったのか。

 

 本当に終わったのか、怪しいもんだな。

 とりあえず見に行ってみよう。

 カラゲーで時間を確認したら、十四時を過ぎたところだった。

 一時間くらいか、塩の量がいくら少ないからって、早すぎはしないか。

 もっと時間がかかると思っていたのだが、それほど灰汁など出なかったか?

 

 ドアを開けベランダへ行って見ると、もわっとした暑さが、身体にあたる。

 うわわ、熱ちぃ、これじゃ近づけないじゃないか。

 なぜベランダがこのような事になっている。

 大丈夫か壊れていない?

 熱で溶けたり変形したりしていないよね。


 「アニスさん、アニスさん、熱くて近づけないのだけど。

 これって、どうにかならないのかな」

 「そうでしたわね。

 サレン、冷却の魔法をお願いしますわ」

 「分かりました」

 サレンさんが辺り一面を冷やす、アイスドライの魔法を唱えた。


 寒い、今度は寒くないか。

 少ししてから、常温の温度に近づき元の状態へ戻った。

 しかし、辺り一面がちょっと湿っぽい。

 幸いにして、ベランダは熱で溶けたり変形したりしていなかったので良かった。

 しかし、彼女らはいったい何をやっていたんだろう?


 「ご主人様、こちらです。

 仕上げは良好だと思います」

 「おぉ、だいぶ透明になっているね。

 それと隣にある鍋の中は、出た灰汁かな?」

 「そうです。

 かなりの灰汁が出ましたね。

 私もあの塩の量で此処まで出るとは思ってもみませんでした」

 「確かに、俺も思うよ。

 あの塩ってかなり汚れているんだ。

 これを見ると、直接は舐めたりしたくは無いよな。

 それとさっきかなりこの辺りが、熱かったけど、いったいなにをしていたのかな」

 「それはですね。

 私がポーション造りでおこなう時に使用する魔法をかけながら作業をおこなっていたのですよ。

 早くできるのです」

 「!」

 「大丈夫ですよ。

 魔法を使用したのはあくまで道具とこの領域です。

 魔法を使い工程を早くできるようにあくまで領域を作ったのですから」

 「えっ、アニスさんて時間を操る魔法を使うの」

 「時間を操る魔法!

 そんな伝説級の魔法など私は使ってはいませんよ。

 ご冗談を過ぎますわ、ご主人様。

 ただ私が使ったのは、道具に強化耐性をつけ、早く煮える様に炎の領域を作り、風を使って水の蒸発を早めただけですから」

 「ほほう、なるほどそれで早く作業が出来た訳ね」

 !

 

 伝説級の魔法とか言っていなかったかな。

 時間を操る魔法って存在するのか。

 ちょっとだけ興味が沸いて来たぞ。


 「ちょっとおー、待って下さいよ。

 魔法を使ったのは私ですよ。

 アニス、貴方は灰汁取りをしていただけでは無いですか」

 「そうだったかしら」

 「もう、失礼しちゃうわね。

 私はへとへとよ。

 それでご主人様、甘煮の件はお考になってくれましたか」

 「?

 何の話、甘煮は明日は作らないと言ったけど、聞いていなかったのかな。

 「・・・

 そんな、アニス私を騙したわね」

 「騙していませんよ。

 早く作業が終われば、ご主人様が甘煮を作ってくれる考えをしてくれるかもって、私は言っただけですから。

 そのあとの事は知りませんよ」

 「そ そんな」

 「あぁ、なるほどね」

 サレンさんはアニスさんに、良い様に使われてしまったのか。


 「この塩水は、まだ濾してないよね」

 「そうですが。

 だいぶ透明になっているので良いのでは無いですか」

 「そうでも無いみたいね。

 鍋底をみて見な。

 小さな砂利が沈んでいるのが見えるよ」

 「ほんとですわ」

 「それじゃ細かい布で濾してしまおう。

 手伝ってくれるかなアニスさん」

 「分かりましたわ」

 「・・・

 私がほとんどの作業をしたのに・・・」

 サレンさんは嘆き節をぶつぶつ言っている。


 「これは冷えたら、部屋の中へ入れよう。

 それまでは此処に置いて置くかな」

 「今から、塩を作る作業をするのでは無いのですか」

 「さすがに時間帯が遅い、明日にした方が良さそうだ。

 それに十五時近くなって来たから、一端休憩を取ろう」


 おやつ休憩だけど、残念な事に、お茶が不味いのしか無いんだよな。

 紅茶に似ているが何の葉だろう。

 砂糖を入れればなんとか飲めるくらいだ。


 「ちょっと早いが明日、蜂蜜のオレンジ漬けを開けて見ようか」

 一日しか、我慢できないとは俺も駄目だな。

 せめて二日は漬けたかったのだが・・・


 「蜂蜜オレンジティーが出来そうなんだよね」

 「蜂蜜ですか。

 あそこに有りますよ」

 「駄目よサレン、あれは先ほど明日って言ったのではないですか。

 それに私のですよ」

 「いやアニスさんの物では無いんだけど」

 「そうでしたか、オホホホ」

 なんかアニスさんとサレンさんて、だんだん地が出て来ていないか。

 

 猫を被っている気がしたが、だんだん本性が見えたりする?

 ちょっと怖いんですけど・・・


 「それと、明日豆乳を作るので、出来る過程で、おからが出来るから、小麦粉と砂糖を混ぜてフライパンで焼けば、手軽におからクッキーが出来るんだよね。 

 午後三時のおやつで作ってみよう」

 「おからクッキーですか。

 なにやら美味しいそうな物が出来ますみたいですね。

 サレン良かったですね」

 「ゴクリ、おからクッキー、良い響きです。

 興味が沸いてきました。

 今は我慢する事にしましょう」

 おいおい、我慢できなくて蜂蜜のオレンジ漬けに手を出さないでくれよ。


 明日の朝に、無くなっている可能性も有るかも知れない。

 一日も漬けずに無くなるのは勘弁だな。

 それだと、やはり早めに出してしまった方が良いだろう。

 時間を置くと無くなる確率が高くなりそうだからな。


 俺はともかくアニスさんが怒るかも知れないからね。

 でも、アニスさんの物じゃなく、俺の物だから。

 

 しかし、試食で作った甘煮の残りがもっとあれば、乾かして砂糖をまぶせば甘納豆が出来たのだがな。

 ちょうど果糖が有るから、使用して見たかったんだけど残念、 食べられてしまったからどうしようもない。

 

 少ない材料しか無いのに、ちょっと考えるだけでも、美味しいものが浮かんでくる。

 欲が出てくると知っている物が自然に浮かんでくるものだな。


 一端休憩を取る。

 

 「さぁて、休憩は終わりだ。

 アニスさん。

 今、魔法を取り入れた武術の練習をしているのだけど。

 魔法の事だけでも良いから見て貰えないかな。

 それとターナさんの魔法の練習の様子も見て貰いたいね」

 「分かりましたわ。

 サレン行きますわよ」


 トレーニングを再開し、魔法の発動具合を見て貰う。


 「アニス、ご主人様ってあんなに筋肉質だったかしら」

 「違うと思いますわ。

 あきらかに二日前より筋力が大幅にアップしている。

 それに今使っている魔法は、肉体強化の魔法ですよね。

 サレン、あなた肉体強化の魔法を教えたのかしら」

 「ターナには教えたけど、使用はできなかったはず。

 相性が悪いのでまだ使用はできなかったはずよ」

 「確かにそうだったわね。

 それじゃ、ご主人様は自ら自然に覚えたのかしら」

 「そのようですわね。

 それにマナの吸収が早すぎるわ。

 一瞬で辺りにあるマナ全部取り込んでしまうなんて考えられない。

 普通は全部取り込めないわよね」

 「そうね。

 でも、それってやばくない」

 「確かにそうですわね。

 サーチの魔法使って魔力とマナの量をみて見ましょう」

 「ええ、そうしたほうが良さそうだわ」

 「あ」

 「ええ」

 「これは、不味いわね」

 「そうね、不味いわ」

 「ご主人様の魔力のキャパシティーがほぼ満タンになっているわ」

 「そうね。

 これは何時暴発しても、おかしくないわね。

 と言いますか、良く今まで暴発していないのか不思議でなりませえわ」

 「あ、またマナを吸収したわ」

 「でも、暴発しないどうしてでしょう」

 「恐らくは、あの特殊魔法が発動しているからですわ。

 そのせいで暴発が防がれているみたいです」

 「そのようですわね」

 「それを知っていて、マナの取り込みをおこなっているのですわね。

 そうでないとあんな真似は自殺行為ですわ」

 「!

 サレン、あなたご主人様にマナを取り込みすぎると危険だと教えたかしら」

 「え、私は教えていないわよ。

 だってまだ魔法を習いたてよ。

 マナの上限まで取り込むなど普通の人では出来ないでしょう。

 アニスあなたは、教えたのかしら」

 「まさか、初心者に言うはずないわよ。

 それにサレンが教えたのと思っていたわよ」

 「そうしますと・・・」

 「あああああ!」

 「あああああ!」

 「知らないで取り込んでいるんだ・・・」


 ?

 なんかサレンさん達、五月蠅くしているけど。

 糖分きれて禁断症状とか出たのではないよな。

 麻薬中毒者じゃないけど甘味中毒者って言って良い感じだからな。

 甘煮豆作った方が良いのか悩むところだな・・・

 そう思っていたらサレンさん達が駆け足でやって来た。


 「ん、何かな。

 糖分きれて禁断症状が出たのではないよね。

 それとも俺の魔法の使い方おかしかったかな」

 「サレンは今は禁断症状は出ていないですけど。

 ご主人様について重大なお話があります」

 「サレンさんの禁断症状よりも重要な事かな」

 「そうです。

 良くお聞き下さい。

 サレン、説明してあげて下さいな」 

 「ええ、私ですか・・・

 ご主人様、誠に申し訳御座いませんが、私、魔法の事で重大な言い忘れをしていた事が有りました」

 「なんだろう」

 「良くお聞きください」

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 「なんだってえぇ・・・

 そういうう事は最初から言って下さいよ。

 それじゃ今俺って不味い状態だよね」

 「はい、今の状態ですと普通は身体に痛みとか出ているはずなんですけど無いのでしょうか?」

 「うーん別に痛みは無いし・・・

 ん、なんか全身が痛いような気がしてきたけど気のせいだろうか?

 痛いような、痛くないような気がする」

 「それはたぶん痛くないと思いますわ。

 思い込んで痛いと感じる人っていますから、あきらかに違うでしょう」

 「確かに、そう言われてみれば、まったくもって痛くは無いな。

 気のせいだったか。

 でも、俺って危ない状態なんだよね。

 爆発とかするの?

 汚い花火にはなりたくないので、なんとかしてよ」

 「今は、ご主人様の特殊能力で発散していますから大丈夫だと思います。

 しかし、これ以上取り入れれば危険ですよね」

 「どうしたら良いの」

 「放出系の魔法を使って消費すれば良いのですよ」

 「なるほどね。

 そういえば肉体を固くしようと思って、取り込んでいたばかりで放出はあんまりしていなかったな。

 最初は風魔法使用していたけど、筋力が付くのが面白くて、土系統の肉体が固くなる魔法を使用していたんだよな」

 「肉体強化の魔法を使っていたのですね。

 おかしいと思いましたよ」

 「肉体強化の魔法かは知らないけど使っていたらしいね」

 「そうでしたか、知らない間に覚えて使っていたのですね」

 「うーん、いまいち分らんがそうみたいだね。

 それで放出系の魔法を使えば大幅に魔力とマナが減るんだよね。

 どうしたら良いかな」 

 「そうですね。

 良い魔法がご主人様、使えましたよ」

 「何かな」

 「水、水魔法ですよ。

 クリエイトウォーター、それが良いですね」

 「おぉ、あれが有ったか」

 「水は貴重品なので貯めていても問題は無いです。

 それでは桶と鍋と瓶を用意し出来るだけ貯めてしまいましょう」

 「ターナ、ご主人様の一大事です。

 協力して下さいな」

 「分かりました。

 何かあったのですか」

 「ほんの些細な事ですよ。

 ターナは気にしないで下さい」

 えぇぇ、些細だって、爆発するかもって言っていなかったか。


 サレンさんはやけにターナさんの事は優しいんだよね。

 アニスさんはちょっと冷たいけど。


 とりあえず、有りったけの容器を用意して貰った。

 俺はクリエイトウォーターの魔法を使い水を育生してみる。


 「ウフフ、これで私達の仕事も減りますね」

 「アニス、もしかしてその為にクリエイトウォーターの魔法を推薦したの」

 「それも有りますけど、ご主人様で有効に放出できる魔法は限られていますから。

 此処は有効に活用させてもらわないと損ですから、今はちょうど良いでしょ」

 「ちゃっかりしてるわね、貴方は」

 「それより、ターナにもサーチの魔法とか使うように言って置いた方が良いみたいね」

 「そうね。

 身を守る最低限の魔法は教えたけど、その為に偏った魔法しか使うのが限られているから。

 でも、今は自分で克服しようと、頑張っているじゃないの。

 ご主人様の頑張りように感化されたのかしら」

 「それも有るかも知れないけど、異常よ。

 ご主人様は異常すぎるわ」

 「確かにそうね」

 「すでに私達エルフと同じくらいの魔力量を秘めているのよ。

 私達は、人間の十倍、いえ訓練をした魔導士はそれ以上の魔力を保有しているわ。

 でもそれは、人間達より長い年月の時を過ごせるから」

 「そうね、それに比べれば早すぎるわ。

 そんな人間、私が知る限り、二人ほどいるわね」

 「そうね、私も心当たりは有るはね」

 「一人は貴方の、ひいひいお爺さんでしたか。

 現在も、衰えなく剣を振るっている剣聖様ともう一人、ウズベルト国、北の大地を支配する現当主様ですよね」

 「そうね。

 でもそのお方は今は、力を求める為に放浪の旅しているって噂ですわね」

 「ちょっと、違うわよ、サレン。

 余りにも巨大な力を手に入れてしまったので、放浪しなくてはいけなくなってしまったみたいなのよね。

 力を余り持ちすぎた為、人民は恐怖し、疎まれ、支配階級達の者から追い落とされたと言って良いのかな。

 それを考えれば剣聖様も同じなのよね。

 どちらも力が有るのに、安住の地が無い。

 悲しい人達よね」

 「確かに、そう言う考えも出来るかも知れないわね。

 ご主人様もそうならなければ良いのだけど」


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