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第54話 ??? 洗浄魔法?

 「夕食も食べ終わり、ソファーで寛いでいる。

 此処の宿屋は風呂が無いのがネックだが、洗浄魔法が有るので今のところは落ち着いていられるな。

 洗浄魔法が無ければ、気持ちが悪くなって宿屋を変更していたのかも知れないな。

 高級宿屋に風呂が有るから、そちらへ恐らく移動したと思う。

 それほど、清潔になりたいと思うんだな。


 俺ってこんな潔癖症だったのか?

 いや違うな。

 毎日お風呂やシャワーを使っている人ならば分かるはずだ。

 一日でもお風呂に入らなければ、気持ち悪いと思う日本人は多くいると思う。

 これは気のせいでは無い、俺としては当然の思いだ。


 うむ、ちょっとあちらの方が溜まってきたので抜いておくかな。

 まぁ、今はターナさんに魔法をかけて貰うだけだから簡単に済むので良いのだけど・・・

 洗浄魔法ってだいぶ重宝するな。

 覚えて使いたいけど、上位魔法らしいので今の俺には到底無理そうだ。

 それに光属性らしいから、特別な神の加護を受けないと出来ないので難しいらしい。

 その事は残念に思う。


 洗浄魔法をかけて貰うと、本当に聖人になったみたいに欲望が沸かないから良いんだよね。

 でも後遺症かな?

 三日間くらいは、まったく俺の息子が反応しなくなるから。

 それでもかけて貰うとすっきりして良いんだよな。

 なんか癖になってしまう感じがする。

 洗浄魔法が元の世界にあれば、世の中もっと良くなるのではないかと思ってしまう。

 世の中の男性の不満を一気に魔法で解消できるからね。

 まさに皆が聖人になれるのだから・・・


 「ターナさん、今日の夜ちょっと良いかな」

 「夜のお勤めですか?」

 「そうそう、お願いしたいのだけど、大丈夫かな」

 「分かりました。

 夜のお勤めをしたいと思います」

 「それじゃ、宜しく頼むよ。

 消灯してから、少したったらお願いね。

 手洗い場で待っているから」

 「分かりました」

 ?

 夜のお勤めと言う言い方は変だけど、まぁ良いか。


 本当はエッチな事したいのだけど、まだ婚約中だしターナさんは成人ではないらしいからね。

 手を出してしまったら、サレンさん達に何をされるか分からない。

 俺の息子をちょん切られてしまうか、それとも魔法で使えなくなるように封印されてしまう可能性があるからな。

 サレンさん達だったら本当にやり兼ねないので怖いのだよ。


 とりあえず手洗い場で身体を奇麗に拭いておくか。

 ・・・

 いつもどうりに身体を清めてしまう。

 寝間着に着替え、就寝の準備をする。

 ・・・

 消灯の時間になり、宿屋の従業員達が夜用の蝋燭に替えて部屋が薄暗くなる。


 さてと、そろそろ時間か。

 手洗い場に行って待って居よう。

 すでに俺の息子はなにをする訳でも無いのに、興奮してギンギンになっているのだ。

 手洗い場には蝋燭が常に灯されていて明るくなっている。

 しかし蝋燭だけに今一明るさが伴わない。

 俺は手のひらを合わせ、発光ライティングの魔法を使ってみる。

 光の球が目の前に現れ発光する。

 明るさはイマイチだが蝋燭の灯と合わせればそれなりに明るいだろう。

 五分くらいしか持続できないが、三分間隔で発光ライティングの魔法を連続して使えば持続が出来るし、数を多くすれば明るくできるんだよね。

 もっと多く光球を出せば、明るくできるけど、此処で何をやっているのかバレるとやばいので一つか二つの光球で十分なのだ。


 初級魔法でもやり方を色々変えてやれば重宝するんだよな。

 発光ライティングの魔法は目潰しにも使えそうだしね。

 魔法って本当にすごいと改めて思うよ。

 疚しい事をするのに使うのはちょっと躊躇いが有るんだけど。


 「ゴソゴソ」

 ・・・

 !

 「あれ、ターナ何処に行くのかしら

 アニスちょっと起きて頂戴」

 「どうしたのよサレン、眠りに入ったのに起きてしまったじゃないのよ。

 今日は何故か身体が重いのよ。 

 眠らせてくれないかしら」

 「私も何故か身体がちょっとだけ痛くて重いけど、そんな事よりもターナが起きだしてしまったのよ。

 こんな時間だから、ちょっと気になるわ」

 「お手洗いじゃないの。

 そんなの別に何でもないじゃない」

 「そうなのかしら。

 ベットに入る前にお手洗いに行っていたし、それに何かソワソワしていたのよね。

 ちょっとだけ気になっていたのよ」

 「ふーん、そうなんだ。

 それじゃ、ご主人様と逢引きしているんじゃないのかしら」

 「なんですって・・・

 逢引きしているですって、こんな時間にですよ」

 「こんな時間だから逢引きするんじゃないかしら、男と女二人いれば自然にそう言う事になるでしょう。

 それに前から良い関係になっていたんじゃないかしら。

 それだったら別に問題は無いじゃないの。

 婚約だってしているんだしね」

 「駄目ですよ。

 ターナはまだ子供なのですよ。

 そう言う事はまだ早すぎます。

 これは確かめに行かなくてはいけませんね。

 アニス、起きて下さい。

 さあ、後を付けますよ」

 「別に良いじゃないの。

 あなた一人で行って下さいな。

 私は身体が重いので起きたくないのですよ」

 「ペシン。

 痛い、何をするのですか」

 「つべこべ言わずに、起きて行きますよ。

 アニス、ターナの身に危険が起きては、私達保護者として失格ですからね。

 今までいろいろやって身を守って来たでしょう。

 それがこんなところで泡に帰すことになれば悔い悩まれます。

 さあ、起きて下さいな」

 「もう、分かりましたよ。

 でも、どうすれば良いのですか。

 ただ後をつけて行くのだったらおかしいですわよ」

 「此処は気配を消し、透明化インビジブルの魔法を使い姿を隠します。

 その上で透視化サーチアイの魔法を使い見に行きます。

 それだとターナにも気づかれないでしょう」

 「・・・

 まったくもってそこまでするのかしら。

 ただのお手洗いじゃないの?」

 「それだったらそれで良いのですよ。

 さあ、見に行きますわよ。

 透明化インビジブルの魔法使いますから私に捕まって下さい」

 「はい、はい。

 分かりましたよ」

 二人は透明化インビジブルの魔法を使ってターナの後を付けて行った。

 

 「ご主人様、お待たせしました。

 それでは夜のお勤めをしますね」

 「おぉ、それじゃ宜しく頼むよ」

 ターナさんが俺の元に現れた。


 すでに俺は椅子に座って準備は整っている。

 あとは魔法をかけて貰う次第だ。

 魔法をかけて貰うだけだが何故か俺は下着を脱いでいる。

 別に脱がなくても魔法をかけて貰うだけだから、俺のギンギンになった息子を見せる必要はないんだけど、ターナさんに見せてしまっているのだ。

 俺って露出狂の趣味もあるのか。

 奇麗な人に見て貰うと興奮してしまうんだよな。

 ちょっとやばい傾向があるのかと思ってしまった。


 本当は此処で押し倒して、エッチな事をしてしまいたいのだけど、そんな事をしてしまったら、後で二人に何をされるか分からないので怖くて手を出せないでいる。

 それにターナさんは成人していないと言うので仕方がないのだが・・・

 疚しい事を考えているが洗浄魔法を使って貰えれば、一気に吹っ飛ぶので少しの我慢だ。

 魔法をかけて貰えれば今あるモヤモヤがまったく無くなるのだからな。

 むしろエッチするより洗浄魔法を使って貰った方が心からスッキリするので良いかなとも思っている。


 洗浄魔法は麻薬だな。

 あの聖人になれる感覚が素晴らしいのだ。

 まさに病みつきになる感覚だ。

  

 「それじゃ、頼もうかな」

 「分かりました。

 少々お待ち下さいね。

 もう少しだけ明るくします」

 「そうだった。

 発光ライティングの魔法がもう少しで切れるところだったか」

 ターナさんは発光ライティングの魔法をかけ直した。

 より周りが明るくなった。


 ターナさんの発光ライティングの初級魔法は、三十分くらい明るくできるんだよね。

 さすがに魔法は俺とは段違いだな。

 俺がそこまで出来るのは何時になるやら、頑張らなくてはいけないな。


 「・・・

 ご主人様、ターナになんてことをしているんですか・・・」

 「やっぱり、そういう関係だったんですね」

 「やっぱりって、アニスあなたは知っていたのですか?」

 「知らないけど、私の誘いに乗ってこないからおかしいと思っていたのよね。

 こんな関係だったら、私など見向きをしなくて仕方無い事よね。

 でも、これで安心したわ」

 「安心て、何を言っているのですか。

 ターナがご主人様に汚されてしまったのですよ。

 私達がずっと守って来たのに・・・」

 「それは仕方ないじゃないのかしら。

 それにターナがご主人様を受け入れたって事でしょう。

 もしターナの事を無理矢理に襲ってしまったのならば、魔力が暴発してご主人様ごと吹き飛んでしまいますからね。

 と言いますか、今のターナの魔力だとこの部屋ごと吹き飛んでしまうのではないかしら」

 「た 確かにそれはありますが、私達がずっと守って来たのですよ。

 それが残念になりません」

 「ターナも女ですからそれは仕方ない事でしょうね。

 それにご主人様には一番恩義を感じていると思いますよ。

 奴隷の烙印を解いて戴いた上に、耳まで直して貰ったのですから。

 ご主人様を受け入れても何の不思議は無いでしょうね。

 サレンあなただってご主人様に迫られたら受け入れてしまうでしょう」

 「それは、そうですけど。

 それは恩義に対してです。

 仕方なく受け入れる訳ですから」

 「私だって、そうと思えば仕方ないですよね。

 ターナはまだ子供ですから分別はまだ分かりらないと思いますから余計じゃないのですか。

 クレリアのリングのせいでつらい痛みをしていて、食事だってまともに食えなかった。

 それを突然、解いて貰って優しく接してくれれば、誰でも頼りにしてしまいますよ。

 見た目なんて、いえ種族なんてどうでも良いと思いますからね。

 幸いにもご主人様は人間にしては男前で優しいですからね。

 それに貴族の特権も持っている。

 それも契約の神が記したお墨付きを戴いた爵位も持っているのよ。

 爵位はキースから奪ったモノだけど神が許したのだから権力は絶大なモノがあるのよ。

 何より強い。

 キースがあんなにあっさり殺されるなんて私達は思っていたかしら。

 隙を伺て殺そうと企んでいたのに中々できませんでしたわよね。

 それも殴っただけでお終いになるとはね。

 そんな方に守って貰えると分れば飛びついてしまうでしょう。

 私だって考えていたのですから」

 「確かにそれは有りますけど・・・」

 「それよりも、ご主人様のあれってエルフの男性より大きくて逞しくないかしら。

 それに形が少し違っているのね。

 革が無いみたい」

 「これ、アニスそんなモノをじっくり見るのでは無いですよ」

 「でもサレン、これからターナとご主人様って此処でしてしまうのかしら。

 私達見ているのだけどそれって良い事なの」

 「それはそのなんて言うか・・・

 ああ、駄目よターナ、手でそんなモノを触ろうとするなんて・・・」


 「洗浄魔法クリア・ヴァシング

 

 「えっ・・・」

 「エッ・・・」

 ・・・

 「えーと、アニス今、洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法を唱えたわよね」

 「ええ、唱えましたわ。

 それも直接、ご主人様のあれに対してね。

 使った瞬間、浄化されたのも見ましたわ」

 「それって、かなり不味いですよね」

 「不味いですね。

 使い物にならなくなりますね」

 「えええええ、そうですよね」

 「そうですよ。

 でも、洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法を使うの教えたのは貴方ですよね、サレン」

 「た 確かに私です。

 男の人に襲われた時に緊急時に使いなさいと私が教えました。

 でも緊急時にですよ。

 今のは緊急では無いですよね。

 と言うか、ご主人様が自ら魔法をかけて貰ったのではないのですか?」

 「確かに、そう見えましたですね。

 ご主人様は、さっぱりするから洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法、重宝して良いなと前から言っていましたからね」

 「も もしかして自らあそこへ魔法をかけるように頼んだとか・・・」

 「ありえますね。

 今までのご主人様の行動を見ていたのだったらありえます。

 かなりの几帳面で奇麗好きみたいですから。

 自分のモノが汚れていると判断して魔法をかけて貰った感じがします。

 見て下さい。

 ご主人様のさっぱりしたような顔を、まるで玉無しの聖職者になったような顔つきですわ。

 意味がなくいつもにやけている聖職者がいますよね。

 あの人達って男性器を取っている方達なんですよ」

 「そ そうですね。

 そ それでどうしましょうか」

 「どうするも何も、貴方が洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法をターナに教えたのですよ。

 貴方がどうにかするのではなくて・・・」

 「そうですが、それはターナの為に思ってですよ。

 まさかこのように使うとは思いもよりませんでした。

 と言うかご主人様が自ら使うように言ったのですよね。

 恐らくは・・・」

 ・・・

 「サレン、エルフの男性器に直接、洗浄魔法クリア・ヴァシングを使うとどのくらいの効果があるの?」

 「それは人それぞれですが、一回かけるごとに約二十日は使えなくなりますね。

 中には一年くらい使い物にならなくなったり、それっきり使い物にならなくなる人もいますから・・・」

 「そうよね。

 そういう人に限って男色の人が多いのよね。

 女性の事を汚らしいと思う人が自ら魔法を使うのよね」

 「そう そうなのよ。

 ご主人様、そちらの化が有るから、もしかして洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法使ったのかな?」

 「それは分からないけど、怪しいのはこしたことは無いわね。

 サレン、とりあえずターナには洗浄魔法クリア・ヴァシングの魔法の使用はご主人様に控えるように言いましょう。

 取り返しが付かない事になるかも知れませんからね」

 「確かにそうですね。

 でも、どうしましょうか。

 ターナがご主人様の魔の手に陥るのかも知れませんから・・・

 これは何か妙案を考えなくてはいけませんね」

 「確かに男の人は溜まりますからね。

 そうなると何時、狼に変わるか分かりませんから。

 何でしたら私が相手しても良いですよ。

 そうなれば何時でも守って戴けますからね」

 「それは駄目ですよ。

 ターナとすでに婚約済みですから」

 「ええ、でもそれってサレンが嘘をご主人様に言ったのではないかしら。

 だって私達、一夫多妻ですから問題は無いはずよ」

 「それはそうですが・・・

 あ、いけない。

 こちらへ、二人が来ます。

 アニス、一端此処は引きますよ」

 「分かりましたわ」

 ・・・

 「ベットに戻ってきましたが、どうしましょうか。

 なんとか、上手い案を考えないといけませんね」

 「そうね。

 ご主人様のモノが使い物にならなくなる前に考えましょう」

 「そうね。

 しばらくはご主人様のモノは使いモノにならないから、それまでに考えておきましょう・・・」


 ・・・

 ・・・

 ・・・

  

 「いやー、スッキリしたよ。

 ターナさん有難ね」

 「ご満足して戴けて私も嬉しいです」

 「それじゃ、就寝するとしようかな。

 ターナさんのおかげで良く眠れそうな気がするよ」

 「・・・

 ご主人様、私もいっしょに寝て良いですか」

 「!

 うーん、サレンさん達の目が有るので厳しいかな。

 それに俺はソファーに寝ているからね。

 なんとか一人で寝られる範囲しかないから」

 「そうですか・・・」

 ターナさんは残念そうにしていて、それがもどかしく感じた。


 「!

 まっ、向かい合わせにソファーが有るので寄せて付ければ二人くらい眠れる場所できるかな。

 それとサレンさん達は今日の筋トレで明日の朝、痛くて起きられないだろう。

 すでにぐっすり眠っているみたいだし、朝起きるのも遅いから分からないと思うので試しにソファーを付けて見るかな。

 付けても真ん中が隙間が有って落ちると大変だけど試してみよう。

 手伝ってくれるかな」

 「分かりました」

 ソファーを向かい合わせにして合わせる。

 結構重く動かすのが大変だった。


 「おっ、ちょうど良い具合に寝床が出来たね。

 合わせた部分も落ちそうにないな。

 これだと二人で眠れそうだね」

 「そうみたいですね」

 「それじゃ、いっしょに眠ろうか」

 「有難う御座います」

 普段だったらサレンさん達の目が有るのでこんな事絶対しないと言うか考えもしないだろう。


 しかし何故か今日はいっしょに眠ることにした。

 なんかその方が良い感じがしたんだよね。


 それに先ほど洗浄魔法クリア・ヴァッシングの魔法をかけて貰ったので聖人になった気分になっている。

 疚しい欲望がまったく沸かないのだ。

 と言うか、魔法をかけて貰ったせいで俺の息子は二、三日は元気にならないだろう。

 手を出したくても出せないのである。


 ソファーで一枚の毛布を掛け寄り添うように眠りに就こうとした。

 

 「ご主人様、有難う御座います。

 我がままを聞いて下さって」

 「別に良いよ。

 俺もターナさんと寝たかったからね」

 「本当に、有難う御座います。

 私を助けて下さって何とお礼を言って良いか分かりません。

 私、一生懸命ご奉仕しますのでこれからも宜しくお願いします」

 「こちらこそ宜しく頼むよ。

 ターナさん、ずっと俺の傍にいて欲しいな」

 「有難う御座います」

 うーん、良い雰囲気になったんだけど、俺の息子はまったく復活しない。


 何て事だ。

 女性にこれほど迫られているのに男としてこれはあるまじき事では無いか。

 何故こんな時に役にたたないのだ。


 !

 あれターナさんもしかしてもう寝てしまったのかな。

 

 すでにターナさんは寝てしまったのか。

 てっきりエッチする前触れだと思ったのだが、俺の息子は復活しなそうだからどうしようか悩むところだけど、良かったのかもしれないな。

 残念だけどこういう事もあるだろう。


 !

 ターナさんは俺の寝間着を強く握って眠っている。


 そうか、そう言う事か。


 今まで虐げられていたので、俺の傍で安心して眠っているのか。

 奴隷としてキースにこき使われ、尚且つ奴隷魔法で束縛され、耳にピアスを付けられ痛みを伴い、食事もろくに与えられずつらい思いをしてきたのだろう。

 解放してやった俺に恩義を感じているのは分かっている。

 サレンさん達は怪しいのだが、この娘はひとえに感じられるのだ。

 どちらかと言うとこの娘は俺に対し兄と思って慕っているのだろう。

 いや、兄と言うより父親かな。

 いつも傍にいて守ってくれる大きなさなかを見せる父親。

 そんな感じがしてならないな。


 洗浄魔法クリア・ヴァッシングの魔法のおかげか欲望がまったく起きず冷静にこの娘を見られているのか。

 ちょっと男としては残念だが、慕ってくれていると言うのは嬉しいな。

 まぁ、父親的な存在だけど。


 こりゃ、参ったな。

 本当にこの娘を守れるくらいに強くならなくてはいけないか。

 欲望丸出しで、つい昼間告白してしまったけど、それは間違いで無いと証明しなくてはいけないよな。

 この娘の為に極限まで守れるくらい強くならんといけないな。

 こんな寝顔を見れば当然に思える。


 さて、俺も眠ろうとするか。

 俺が生きて起きられるのではなく、この娘が安心して起きられる毎日を創る為に。

 男としても、興味を持たれるようにならなくてはいけない。

 まだこの娘は子供だ。

 この娘が大きくなって俺の事を男性として好きになってくれるくらいに自分を磨こうと思う。

 明日からは大変だ。

 男を磨く修行を本格的にやろう。

 なんせ守るべき婚約者が出来たのだからな。


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