第47話 初級魔法の練習
「うーん、こんなもんかな」
俺は手からタライに水を少しだけ生成できた。
おおよそだが、コップ半分くらいの水がタライに溜まっている。
水生成の魔法を使って水を造りだしたのだ。
「どうかな、ターナさん」
「凄いです。
ご主人様、こんな短期間でできるなんて才能があるんですね」
「ハハハッ。
そう言って貰えると嬉しいな。
俺も魔法が本当に使えるなんて思っても見なかったよ。
それじゃ、次の魔法の発光の魔法を試してみるかな」
「やり方はこうです。
私と同じようにやって見て下さい」
俺はターナさんといっしょに初級魔法を練習している最中だ。
後ろでは何故かサレンさんとアニスさんが冷ややかな目で俺達を見ている。
俺はどうやら幸いにも魔法が使えるらしい。
サレンさんに調べてもらって、お墨付きを貰えた。
どうやら普通の人よりは魔力があるらしいな。
それも最初に会った時よりも魔力が遥かに上がっていると言う話だ。
今はターナさんといしょに初級魔法を練習しているが、最初はサレンさんとアニスさんに教えて貰っていたのだが、その教え方が厳しくて、三日で挫折してしまった。
あの二人は以外にスパルタ教育で、俺にはかなり強い魔法力があるのに何故できないのかと言って怒るんだよ。
それが怖いの、なんのって感じなんだよな。
一応、俺が雇っている立場だし、まったく魔法なんて知らないのにそれはないんじゃないのって言いたいのだが言えないんだよね。
言われて使えればそれにこしたことは無いんだけど、心の中で愚痴を言っていた次第だ。
一応、魔法については二人に一とうり聞くだけ聞いた。
基本、この世界にはマナと呼ばれる魔法を使うエネルギーが存在しているらしい。
空気中に漂っていて、誰にでも取り込むことができるエネルギーのようだ。
空気中だけでなく、地中や水の中にもあるらしいな。
もしかしてそのマナと言うエネルギーを元々持っていなかった俺が取り込んだので魔力が上がっているのかも知れない。
その他に魔力が上がる理由など持っていないのだからな。
俺チート能力も力が上がっているよで、てっきり使用すれば能力が向上すると思っていたがどうやら間違っていたみたいだね。
チート能力で人が死ぬとレベルが上がると思ったいたが勘違いだったみたいだ。
そんな事があったらおかしいの確かだね。
それ以上に怖いよね。
そのマナと言うエネルギーは、ある一定の物質は通り抜けられないみたいだけど、自然界には普通に漂っていてほとんどの物が通り抜けられるみたいだ。
それが岩でも壁でも人間でも同じだそうで、今もマナに触れているのこともあると言う話だね。
マナを貯める事の出来る物質とかも存在しているみたいだね。
魔法アイテムを作る媒介にするとか言っていた。
まぁ、ゲームで良く聞く魔石とか水晶石と言う物らしいな。
そのマナを使って魔法は誰にでも使えるらしいが当然、訓練や才能が関わるみたいだ。
厄介なのは人以外でも使えると言う事らしい。
魔獣と呼ばれる輩も当然使えるみたいだ。
人によってはマナが見える人がいるらしい。
それも種類があるそうで、その属性エネルギーを集中して集めれば魔法の威力が上がるみたいだ。
ゲームで定番で言う、光、闇、火、水、土、風、無、の種類のマナがあるそうだ。
属性ごとに色があり、色別にマナを集めるとやり易いと聞いた。
色別に属性エネルギーを取り込んで使えば良いと簡単に言うけど俺にはその前にマナが見えないんだよな。
魔力が大きいのに見えないのが逆におかしいと言われるんだけど見えないものは見えないよね。
それに、ほんの一部の人しか見えないらしいんだけど、その一部の人に俺が入っていないような気がするのは、気のせいだろうか。
その点についてはエルフが得意分野だそうだ。
得意な人に言われてもそれはないんじゃないのと言いたい。
三人のエルフの少女達は目を凝らせば見えると言う話だ。
俺は魔力が大きいから見えるはずだと言われるけど、大きいと見えるとでは違うよな。
教えて貰っている立場だけど、なんだかなぁと思っている。
決めつけないでくれよと言いたいのだけど、教えて貰っている立場上、言えないのがつらいんだよ。
そんなことがあって結局ターナさんに魔法を教えて貰う事にした。
今は二人は後ろで腕を組んで俺達を見ているけど・・・
上級者に習うのは間違っていると判断したのだ。
だって専門用語ばかり言われても、まったく分からないんだもん。
専門用語の意味を教えてから言ってくれれば良いんだけど、使える人から見れば言わないんだよな。
これは何処の分野でも同じかな。
自分基準に考えて話すから、当たり前の事だと思って、他人が知らないとは思っていない。
仕事を教える人に向いてないとつくづく思うよ。
そういう人に限ってお前が勉強不足だと言うんだよね。
まだ習ってもいない分野なのに、いきなりそれを言われると辛いんだよな。
前に会社の上司に言われたの思い出したよ。
突然、関係ない知らない話を持ち出したりするんだよね。
それがいかにも関係あると言わんばかりに話す。
途中関係ないと分かっていても、こちらが知らないから誤魔化そうとして話を逸らすんだよな。
後でネットで調べて見れば関係ない事が良くわかるんだよな。
天啓的な教えるのが下手糞な人だとわかる。
それでなんでできないんだって怒って誤魔化すパターンが絶対途中に入るんだよな。
天啓的に教え方が下手な人の行動は似ているんだよ。
二人に魔法を教えて貰って「教えるの下手糞、先生チェンジ求む」と心の中で呟いていたよ。
俺はまったく魔法の事を知らないんだよ。
そのことを考えて教えてくれと言いたいのだが、俺の印象が悪くなるといけないので言えないでいる。
彼女達に気を使いすぎているのかな、俺って。
ターナさんも魔法が苦手な部類だから俺の気持ちが分かるみたいだね。
と言うか、もしかしてサレンさん達から同じような事を言われて教えて貰ったのでは無いのかな。
そう感じてしまった。
まだ魔法を習い初めて数日だよ。
それで水が生成できるなんてすごい事じゃないか。
元の世界だったら大掛かりな機械を使って作らなければできないのにな。
それを考えてしまうと、魔法って理不尽だなと思ってしまう。
俺、自体機械が媒介になったのかと思って来るよ。
そんな装置、身体にどこにも付いていないのにね。
・・・
ドラゴンが来襲して五日か、と言うか俺ってこの世界に来てまだ十日ぐらいしかたっていないのでは無いかな?
それでこのような理不尽な事を受けるなんてナンセンスだよ。
しかし魔法を習わなきゃ、この世界では生きていけそうにないので出来るだけ時間を割いて練習している。
服を買いに行ってから、次の日からとりあえずアイテムの再整理と魔法の基礎を習い始めた。
アイテムはかなりあってまだ整理中だが、ほとんどが魔法関連のアイテムらしく、魔法が使えないと使用できないと言われてしまった。
それじゃ持っていてもどのみち俺には豚に真珠だろう。
それじゃ先に魔法を習った方が良いと言う事でアイテム整理は後回しにして習い始めている。
だがアイテムの事でおかしなことも起きている。
アイテムの魔法の収納カバンの事だ。
俺はあのおっさんから奪った時に、金色の林檎を出し入れできるイメージして使用ができた。
中に入っていたものは逆さまにしてイメージしたら全部の出し入れも出来たのだ。
その事が何故できるのかとサレンさんに言われたのである。
魔法の収納カバンには特別な契約魔法がかかっていて、契約魔法をかけた者以外、魔法を解除しなくては使えないらしい。
他の人が使えないように特別な魔法もかかっているそうだ。
どうして、できたのか分からないが、試しにサレンさんに渡した魔法の収納カバンを使ってみたら出し入れが普通に出来てしまった。
サレンさんは先に掛かっていた魔法を苦労して解除し、自分が使えるように契約魔法をかけ直したと言っていた。
しかしそのまま俺が使えてしまったので驚きを隠せないでいる。
サレンさんがかけた契約魔法は確かにかかっている。
試しにアニスさんが使っても使用できなかったのだ。
俺が異世界人だから使えるのではないかと言ったら納得してしまったけど、それで良いのかと俺は思ってしまったよ。
何故俺が使えるのかサレンさんが分からないのに、俺が分かるはずも無いと思っている次第だ。
この世界では突っ込むところが多すぎて、逆に何も言えなくなって来たよ。
休憩の間にエルフ専門店で見つけた携帯電話、カラゲーをいじっている。
それが唯一の楽しみになってしまった。
魔法覚えるの嫌だな、教えてくれる先生が奇麗でもあれっじゃな。
さすがに俺にはマゾの属性はないよ。
ずっとここままカラゲーいじっていたいと言うのが本音である。
カラゲーはなんと、光を当て続けていたら反応があったのだ。
やはりソーラーシステム入りの特別仕様のカラゲーだったか、これは嬉しい限りだ。
これで現代文明のアイテムが使える。
使い方は分からなかったが、電話ボタンを長押ししていたら電源が入れられた。
しかしセキュリティが施されていて、暗証番号が分からなかったが、初期設定のゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロと入れたら画面が変わった。
「ヒャッホォー」
やったこれで使えると言う事で嬉しくて飛び上がってしまったよ。
それを見ていたサレンさん達は何事かと驚いていたね。
ちょっとだけ恥ずかしい思いをしてしまった。
使えるようになったのでいろいろみて見たらデータは写真と景色が写った動画が少しだけ入っていた。
所有者の名前があったけどそれは気にしないでいよう。
とりあえず、連絡先に俺の名前を入れておいた。
初期設定のままでプリントインストールしているモノがほとんどだった。
それでも日本の風景が見られる絵があるので懐かしさを感じた。
まだ数日しかたっていないのに、おかしな話だよな。
一応SDカードの八ギガバイトのカードが入っていたが、そちらにもデーターは残っていなかった。
こちらに来たのは新しく購入したばかりだったのかな。
連絡先には誰も入っていなかったので完全に新規で買った物だろう。
これは良い物を手に入れたと納得する。
最初からついている機能が役立つな。
電話は使えないのは当り前だけど、時間が表示される。
電卓、アラーム、写真機能、動画録音機能、それにゲームが入っているのは嬉しい。
カラゲーの定番かな?
テト〇スが入っていたので嬉しい限りだ。
暇つぶしになるのでこれほど良いゲームは無いよな。
あとライトが使えるがこれはちょっと電気の使い具合が悪いので使うのは難しいだろう。
時間とアラーム機能が便利で約にたてそうだ。
動画も取れそうだが別の意味で使って見ようかなと疚しい事を考えているのだ。
時間を適当に調整したのだけど、どうやらこの世界は一日二十四時間では無いらしい。
元の世界とだいぶ近いと思うが、恐らくニ十五時間くらいだと思っている。
一時間ほど長いみたいだね。
俺の起きる時間は朝六時くらいに起きるので、起きたら六時に合わせると言う事にしている。
それで朝日が出たら日に当てて充電をするのだ。
三人のエルフ達には大切なものだから触ったりしないでねと言ってあるだけだ。
興味は少しあるみたいだが、詳しい事はまったく言っていない。
別に良いだろう。
元居た世界の物だと知ってしまうとどうなるか分からないので今は教えないでいる。
・・・
とりあえず少しづつだが初級魔法が使えるようになった。
今使えるのは水を生成できる魔法と光を発生できる魔法だ。
火を灯す魔法も使えるんだけど、部屋の中なのでやめておいている。
火事になったら大変だしね。
と言うか家の中で、火の魔法使うの危なすぎなくない?
森とかで使って木に火が飛び火してしまったらどうするのだよと疑問に思ってしまった。
アニメでかっこ良く主人公などが良く使われるが、森の中で火など怖くて使えないよね。
消す手段がないのに、まぁ、アニメだからと現実を直視する。
それから厄介な事件が起きたんだよな。
ドラゴン来襲、あの事件のせいで俺の魔法関連の考えが一変してしまった。
初級魔法を覚えた程度では何の役にも立たない。
サレンさんが使ったあの炎の魔法クラスでは無いと実戦で使うのは難しいだろう。
三十メートルはあるドラゴンに初級魔法なんて効くわけがない。
俺が今覚えられるのは初級魔法のみで、それでもまともに使えるのは何年かかるだろう。
それだったら魔法の基本を教わって俺が最初から持っているチート能力、あれに魔力を注ぎ込むと言う事は出来ないだろうか。
あのチート能力も恐らく魔法だろう。
それも変化の魔法の類だ。
魔法をサレンさんから教えて貰う過程で分かった事が有る。
人には適応した属性魔法があるらしい。
俺はどうやら土属性の魔法が相性が良いらしいな。
調べる方法があって、それをやってみた。
蝋燭に火を灯し、特殊な魔法をかけて、その上から魔法力を込めた小麦の粉を少しづつかけ、燃える火の色を見る方法で試してみた。
小麦粉は宿屋で少しだけ譲って貰えた。
自身の魔法力を込めた小麦粉を特殊魔法をかけた蝋燭の火と反応して焼ける時に色が変わるそうだ。
その色を見て相性が良い属性が分かると言う事だった。
俺が小麦粉を少しづつかけた時に黄土色の炎が見えた。
どうやら黄土色系は土属性に入るらしい。
土属性はどちらかと言うとクリエイト関係の魔法に適正していると言っていた。
創造する、作る、物質を変化させる。
その分野が得意ならしい。
そうなると俺のチート能力と属性は合っているのだろう。
物質を変化させる、脳みそをプリンに変化させると一致できるのだ。
それだったら魔法の基礎だけ習って、自分のチート能力に魔法力をすべて注ぎ込んだ方が良いのではと思ったのだ。
今現在もその方法を試している。
水を生成させる魔法を基礎で使いながら、チート能力を向上させようと考えたのだ。
基礎魔法だったら何でもよい。
確実に使えるように魔法力を上げてチート能力を少しづつ上げていく。
一つの能力を極限まで上げよう。
そうすればいろんな初級魔法を使うよりは良いだろうな。
少しづつ魔法力を上げ完全にモノに出来たら次の段階へ移って見ても良いだろう。
最初よりは魔法力も能力も上がっているはずだ。
自動能力で使えるチート能力の範囲も上がっていると思う。
何より発動できる条件を追加で細かく設定しようとも考えている。
今の状態はエルフの三人を除き、すべての悪意ある者に対して能力が発動する事になっている。
それだともしかして知り合った者達にも発動してしまうのでは無いかと思っているのだ。
それがちょっと怖い様に感じるんだよね。
俺を襲う事は無いと思うのだが、間違って発動する可能性もあるかも知れない。
ちょっと危険だと思いすぎているのだけだと思うけど、もう少しイメージを緩和して範囲を広げる方向に持って行きたいと考えているのだ。
しかしその緩和のイメージがなかなか浮かばないんだよな。
これは難しい所だよね。
イメージ、そう魔法はイメージが大切だと聞いた。
より強いイメージをし、チート能力を向上させようと考えている。
覚えた初級魔法はある程度使えれば威力が最低限で良いだろう。
今現在は、脳みそをプリンに替えるだけだけど、魔法力を上げて敵対するものをすべてプリンに替えると言う事も考えている。
人一人をプリンそのモノに替えるくらいのイメージをするのだ。
それはバッシブではなく、攻撃の手段として使おうと考えている。
うまくいくか分からないがやって見ても損はないだろう。
そう思いながらターナさんといっしょに初級魔法の練習をしているのだ。
「アニス、どう思う」
「?
どうしたのいきなり、サレン、どう思うってどういう事」
「ご主人様の事よ。
先ほど見たでしょ。
水魔法の生成、今のご主人様の魔法力であれだけしか出来ないとはおかしいと思わないかしら。
水魔法は土属性と相性が悪いのは確かだけど、あの魔法力であれしかできないのはおかしいと思うのよ。
魔法を使った時に、私は全力でご主人様がかけたと思ったのに・・・」
「うーん、確かに私もそう思えたわね。
それは水魔法使った時だよね。
でもね、魔力の行先が私には違って見えたのよ」
「?
どういうこと、アニス」
「魔力の流れを目を凝らして見てみなさい。
おかしな事が起ってないかしら」
「ご主人様の魔力の流れですよね。
・・・
えっ、これは今まで見えなかった色が付いている。
それも黄色い色がうっすらと見える。
それも同じ色がターナにもついているわ」
「そう、そうなのよね。
これってもしかして私達にもついていないかしら」
「たしかに、アニスあなたにも黄色いオーラのようなモノが出ているわね。
もしかして私にも」
「ええ、出ているわね。
それに気になっていることがあるのよ」
「気になっている事てなにかしら」
「うーん、匂いね」
「匂い?」
「そう匂いよ。
なんか甘い匂いがしないかしら、それもとてもおいしそうな甘い香りが匂うのよね」
「私には匂わないけど」
「サレンは分からないのね。
でもいずれ匂いが分かると思うわ」
「そうかしら、その匂いがどうしたのかしら」
「その匂いって私、前に嗅いだことがあるのよね」
「嗅いだことあるってどこでかしら」
「先日干からびた吸血鬼が灰になって、黄色いスライムのような物体があったでしょ。
そのスライムを炎であなたが消滅させた時に同じ匂いがしたのよ。
その甘い良い香りがね」
「あの時の匂いが、私も知っているわ。
今の私達から出ているのかしら」
「そうね、匂うのよね」
「それでその匂いが、なんで関係しているのかしら」
「これは推測だけど、ご主人様の即死魔法が影響していると思っているの。
現に魔法力を探って見なさい。
ご主人様が私達にかけた加護の魔法の範囲が上がっていないかしら。
私が最初に探った時には、半径五メートルが良いところだったのだけど、今は二十メートルは有に超えているわ。
ご主人様が発生している範囲は五十メートル以上あると推測される。
ホテル全体は無理だけど大半のところは入っていると思うのよね。
それも円状の立体的に」
「確かに、そう感じるわ」
「たぶんだけど、ご主人様は初級魔法を使っている過程で魔法の基礎をあげ即死魔法を鍛えていると思えるのよね。
初級魔法は覚えるだけで良いと思っているのでは無いかしら。
本命は即死魔法の能力の向上が目的でね」
「確かにそう考えると辻褄が合いますね」
「そうなのよ。
私は本当にご主人様が敵でなくて良かったと思った事がこれほどなかったわ。
こんな恐ろしい事を平然とやっているのですからね」
「確かに、私もそう思います。
アニス、ご主人様を敵にしては駄目ですよ」
「そんな事する訳ないじゃないの。
だって守って貰えるのにこれほど頼りがいがある人いないのですからね。
それに助けてもらった恩もあります。
あの毎日耳が痛かったのを取って貰っただけでも感謝してはならないのですからね」
「確かにそうですわね」
「サレンこそいくら実家が大変な事になっていても裏切って行ってしまうのは止めて下さいよ。
たぶん居なくなってもご主人様は怒らないと思いますけど」
「そんな事はしませんわよ。
私は契約どうり役目を果たしてから里に帰るつもりですから。
でも正直、今すぐにでも帰りたいのも事実です。
でも帰るに至っても力が足りません。
私が行ってもどうにかなるのか分からないし、今はご主人様と一緒に訓練するのも良いと思っています」
「そうですか、今のあなたにはそれが良いかも知れませんね」
「私もそう思います。
それでは私達もご主人様の魔法の練習を手伝いましょう。
その方が向上するのが早いと決まっていますから」
「そうね、そうしましょうね」
サレンさんとアニスさんは俺の魔法の練習を手伝おうと言ってきた。
俺にとってはスパルタ指導は嫌なので別に良いとは言いたいが、言えない自分が悲しかった。




