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第3話 怪しいおっさん

 

 日差しが高く、頭上に昇っているな、お昼頃かな?


 左方面に進み30分ほど道を歩いているとだいぶ木がまばらになり、平原地帯に入って来た。

 おお、遠くに街が見えるぞ。


 「やった、街だ」

 右手方向に小高い山が見え下辺付近に街が見えるのだ。かなりの距離があるが街が見える。


 しかし街が見える右手方向には道がなく、目の前には長く伸びた草の生い茂った平原があるだけで、直線距離ではこの場所からは進むことが出来そうにもない。


 今は道なりに進むしかないみたいだな。ここから見える限り街に行く方向とは違っているけど、わかれ道とか他に別の道があるのだろうか?


 それとも平原に入って進むのだろうか? でも草が結構な長さで生えているので進めるとは思わないし、他に分岐点があるかも知れないので、やはりここは道なりに進んでみるしかないのか。


 でもこの道なりだと今見える街には到底たどりつけそうにないように思えるのだがどうなんだろう。


 うかいして街に行くのかな面倒な事だな。この道成りだと中継地点で村とかが先にあってもおかしくないくらい遠い道なりに感じられる。

 

 違う、違うな、違うぞ俺、日本の地理感覚で勘違いしているのではないか。

 単に街が見えたので焦ってしまっているだけではないか。


 うかいする道もないのに、草原の中歩くしかないけど歩いても他に道に出るわけがなかろう。


 日本じゃあるまい道が細かく通っているはずもない。たどり着けない道がこの異世界では当たり前のように多くありそうだ。


 ここは異世界だ。道があるだけ良かったと判断したほうが良いだろう。


 遠回りになるかもしれないがあの街に行く道が続いていると信じたい。

 道路事情も発達しているか不明だし、そもそも道が続いていないことだってあるのも当然だろう。


 否、続いていないない方が確立が高いか、日本の道路事情、感覚で考えるのはもってのほかだな。

 ある程度道が続いていればたどりつけると思ってはならない。


 しかしこの道なりではあきらかにあの街にはつけそうにない。途中、別の町とか村とかに行き当れば良いのだけど。


 街が見えただけでここまで心苦しくなるとは思いもよらなかった。

 さらに30分ほど道成りを歩く。方向感覚がわからずどこに向かっているかもわからなくなってしまった。


 東、西 ? まったく見当がつかん。

 森をもう少しで抜けられそうだな。


 木が先ほどよりさらにまばらになり、平原の中に入ることが出来そうだ。しかし、森を抜けられそうな手前で何者かが、争ってる姿が目に入った。


 「人間だ」

 やっぱりこの世界にも人間がいるんだな。


 これは喜ばしいことこの上ない、しかし現状は争いをしているようで危険で別な話だが。


 一人の皮鎧を着た冒険者風のおっさんが5人くらいの汚らしい身なりの男たちに囲まれて戦っているように見える。


 冒険者? 盗賊? 冒険者が追剥ぎにあっているのだろうか?


 冒険者風のおっさんが数が多い盗賊らしいやつらに苦戦しているのかな。イマイチどういう状況かわからん。


 ここから見るかぎり、冒険者風のおっさんの様相は髪を短髪に刈上げそれなりの良い服装をした装備を身に着けているように見える。


 囲んでいる汚らしきかっこをしている5人の男は、ひげを生やし髪をぼさぼさにしていかにも盗賊に見える。


 いかにも臭そうだな、こいつらってやはり盗賊か、それが冒険者らしいおっさんと戦っているのか。


 俺はとっさに木の陰に隠れる。少しの間戦いの成り行きを見ているが、俺はどうしたら良いだろうかわからない。

 

 5対1では冒険者風のおっさんの方が圧倒的に不利だろう。でも面倒な事にはかかわりたくないしな。


 ここは森の中に入ってうかいして先の道に出よう。その方が良いと思う。

 

 戦っている人には悪いが現状では俺にできることは何もない。面倒な事に巻き込まれるのは御免だぜ。

 見つからないよう静かに森の中を移動するのがベストだろう。


 うかいしようと動いた時に、俺の前に何かが飛んできた。とっさに避ける。


 石ころが後方で転げ落ちた。どうやら誰かが石を投げつけてきたらしい。


 見つかってしまったのか、でもどうして? 他に人がいるのか?


 石を投げつけた方向を見てみると、3人ほど汚らしい男たちがこちらに向かってきた。盗賊らしき奴らの仲間がいたのか。


 先ほど見た盗賊らしい格好をしている者達とを同じような風貌をしている。一人だけは違っているな。


 汚らしいのは同じだが、巨漢な男で先ほど見た盗賊より身なりが良く、磨かれた鋭い大剣を持っている。

 あきらかに頭目とおぼらしいやつがいるのだ。


 巨漢の男は俺にむかい真っ先に切り込んできた。


 「うそおん、なんでこんな事に」

 俺は切り込んで来た巨漢の男を相手に「即死スキル」と言い右手を前に出す。

 巨漢な男は剣を振り上げながら、目の前に倒れ込んだ。


 「ドサリ」

 2人の部下らしい盗賊の男たちは巨漢な男が倒れたのを見て驚き、一端俺から離れる。


 危なかったもうちょっとで切り殺されるところだったよ。

 俺から離れた盗賊らしき2人の男は大声で何か言っている。


 先ほど見た、冒険者風のおっさんと対峙している5人の盗賊らしいやつらに知らせているみたいだ。


 俺にはまったく聞いたことのない言葉なので何を言っているのかまったくわからない。だが5人の盗賊の仲間に、先ほどの2人の男たちが知らせたことは推測がついた。


 俺は巨漢の男が持っていた大剣を拾い仲間に知らせている2人に近づき剣で切りつける。


 剣など持ったことなどない俺だが、まるでおもちゃの剣のように軽く感じられ、大剣をを殴るように振り抜く。

 ただ振りぬいただけなのにあっけなく2人を切り裂いてしまった。


 剣道は中学校に行っていた時に少しだけ習ったことはあったが、それ以来はやったことなどなかった。当然、剣技など知るよしもない。


 それなのに2人の盗賊風の男をいとも簡単に切り伏せている。

 どういうことかわからないがここでは腕力が増していることが関係しているのだろうか?

 それに切り裂いたと言うか刃が当たって切れてしまったって感じだった。


 俺は冒険者風のおっさんと戦っていた5人の盗賊に近づき大剣を向ける。

 気付かれてしまったのだから、やるしかないしな。


 俺が近くに寄ってきたのを知って、盗賊風の男たちが注意をそらした。

 冒険者風のおっさんが盗賊風の男2人に間を詰め、一瞬の間に切り裂いてしまった。


 「二段切り?」

 鮮やかな剣さばきで2人を切り伏せた。


 それをみて動揺した残り3人の盗賊は逃走をはかる。何故か俺の方に向かってきた。


 「ええ、どういう事、逃げながらついでに俺を殺そうって言うの?」

 3人の盗賊は俺に剣を振りかざす。

 剣が届く前に、

 「即死スキル」

 と言い、3人の盗賊にチート能力を発動した。


 3人の盗賊は前のめりに倒れこんでしまった。うまくチート能力が発動したらしいな。


 盗賊風の男たち3人は死んでしまっている。この場に居た盗賊だと思われる男たち8人は、全員死んだと言って良いだろう。


 俺は一端、冒険者風のおっさんから離れ距離を開ける。


 冒険者風のおっさんは俺が即死スキルで倒した3人の盗賊風の男に近づき首に剣を突きたてる。どうやら止めを刺しているようだ。


 俺もそれを見て、即死スキルで死んでいると思われる巨漢の男に近づき首のあたりを切り裂き止めを刺す。


 「ゴロリ」

 巨漢の男は首が跳ねとんでしまった。


 冒険者風のおっさんはこちらを見ている。止めを刺した盗賊風の男の近くに行き、血をついた剣を盗賊の服で拭って皮の鞘に納めた。


 冒険者風のおっさんは突然両手を腹の前に出して何かの合図のようなものを俺におこなった。

 

 俺は剣を後ろに回し下げたように見せかけ警戒をする。冒険者風のおっさんはゆっくり歩いて近づき俺に話しかけてきた。


 「有難う助かったよ、若いの、うしろに隠している剣をおろしてくれないか。見え見えなのだがな。

 私は君と戦う意思はないよ。

 この先の町で冒険者をやっている者だ、安心してくれ」


 ? なにか言っているようだがまったく言葉がわからない。


 敵意は感じられなく、挨拶のように言っているみたいなので、もしかしたら、先ほど盗賊を倒したのでお礼を言っているのではないかな、そんな感じがする。


 顔が少し笑っているようで、それに何かのアクセサリーのようなひもをついた金属のカードを見せてきた。


 身分証明書? もしかしてこれっていわゆる冒険者のカードのような物かな?


 確か軍に所属する金属の身分証明書みたいなプレイトのような物があったのを戦争映画で見たような気がするが、名称はなんて言っただろうか、覚えていない。


 詳しくは知らないがそんな物があるのは知っているが、それと同じような物だろうか?

 冒険者風のおっさんはさらに何かを言った。


 「加勢をしてくれてありがとな。

 私はガイルだ、よろしくな、若いの」

 言葉がわからないので俺には答えようがない。


 「そう警戒しないでくれよ。

 先ほど冒険者カードを見せたとおり、私はギレンの町の冒険者ギルドに所属して冒険者をやっている者だ。

 これでもA級ライセンスの冒険者なんだぜ。

 ・・・

 それにしてはおまえさん、妙な格好をしているな。もしかして異国の方かな?

 それも裸足ではないか、こんな悪路なのに良くここまで来られたものだな、足が痛かっただろう。

 もしかして他の盗賊にでもあって逃げてきたのか。

 ここら辺は盗賊が出没するのが多いから気を付けたほうが良いぞ。

 まあ、人の事は言えないな、俺もそうだったから。

 ハハハッハ」

 まったく俺にはなにを言っているのかわからない。


 ただ笑っているようなので大丈夫だろう。敵意がない事がわかるのだがどうしたら良いだろうか困ってしまう。

 こちらも話してみようか。


 「I do not speak English」

 しまった英語だった。


 英語は話せないがこれだけは知っていたのだ。つい外人さんと思って答えてしまったよ、どうしたら良いんだ。


 「若いの、やはり異国の方か。

 俺もタグザイア語しか話せないからな。

 すまんな、どうやら言葉が通じないみたいだ。

 魔法で話せるようになることはできるんだが、私には言葉の魔法が使えないんで無理なんだよ。

 この先に町があり、川を渡れば大きな街もある。

 そこへ行ってみれば魔法で話せるようになることが出来るんだが。

 すまんな話せなくて、ああ悪い言葉がわからないんだったよな」

 うむ、何か言っているようだがさっぱりわからない。


 冒険者風のおっさんは、頭をかき困った様子をしていたが、しばらくしてから近くに倒れ死んでいる盗賊風の男の持ち物を調べ始めた。

 調べ始めていると言うよりは使える物を回収、強奪しているみたいだ。


 この世界では当たり前の事なのだろうか? 俺も近くに倒れている三人の盗賊の持ち物を漁ってみる。


 よくわからないが使えるような物を回収して行く。そうでないとこれから先、生きて行くのに困るだろう。


 これは仕方がない生きていくためだ。良くない事とはわかっているが命を狙われたのだ。相手が悪いのだと割りきって使えそうなものを回収して行く。


 ? 

 冒険者のおっさんの方を見ていたら、おかしなことに気付いた。


 持ち物を回収しているのだが、カバンらしきものに詰め込んでいるが、あきらかにカバンが小さすぎるのだ。


 それなのに回収していた物が吸い込まれるようにカバンの中に入ってしまう。これってもしかしてゲームなどで定番なご都合主義の異空間収納カバンかな。


 確か空間魔法を用いた異空間収容カバンが設定であると聞いたことがある。

 ゲームで言えば課金して倉庫の容量増やすのと同じように多くの持ち物を持てるカバンだろう。


 あきらかに入らなそうな、長い剣とかが、小さなカバンの中に「スー」っと入っていく。


 それといらなくなった物なのかな? 突然大きな物をカバンから取り出し放り投げている。

 入れ替えているのだろうか、それにしても奇妙な事をしているように見える。

 

 うむ、あのカバンにかなり興味が出てきたのだけど、どこかに売っているのだろうか? 


 買えるのだったらほしいな、絶対の必需品になるだろう。なんにでも使えるからな。


 冒険者風のおっさんはひととおり作業が終わったようで、俺に近づき左方向へ指を指した。


 もしかして先ほど見えた街と違う別の町がこの先に合って向かうと言うことなのかな、ついて来いって言っているような気がする。


 冒険者風のおっさんは俺に背を向け歩き出した。今まで俺が歩いて来た道成だ。行先は同じなので後をついて行ってみる。


 しかし疑問に思ったのだが先ほど倒した盗賊の男たちの死体そのままで良いのか? 使えそうな物だけ回収して立ち去ってしまったけど良かったのだろうか?


 冒険者風のおっさんは死体を放置していったので俺もそれに習って放置してしまったけど良かったのだろうか?埋めて供養した方が良いのではないのか?

 今も疑問に思っている。


 おっさんの後をついて行ったら森を抜けられた。抜けた先には広大な草原が広がっている。その先に町が見えている。


 先ほど見えた街とは違うな、やはり町があったようだ。しかし遠くに見えかなり歩きそうだな。


 町までの道成りに歩いたら、冒険者のおっさんが立ち止まり、道端に大きな布シートを出し広げはじめた。町に着くまでまだあるから一端休憩をはさむのか。


 シートを敷いてから、座りはじめ、あぐらをかいている。やはり一端休憩をはさむみたいだ。


 先ほどの小さなカバンから食料や水を取り出し、並べ始めた。俺に手招きしているのがわかる。


 おそらくだが、こっちにこいと言う合図はどこでも似たようなジェスチャーなのかな?


 たぶん来いと言っているのはジェスチャーでわかるのだが、警戒は解いていない。一応、信用できそうなので俺はシートの端まで寄ってみる。


 冒険者風のおっさんは木でできたコップを2つ出し、革袋の水筒から水を入れた。

 そして木のコップの一つを俺に差し出した。俺は近くに寄りコップを受け取る。


 ちょうど喉が渇いていたところだったので助かった。冒険者のおっさんが先に水を飲んだのを確かめてから、俺は水を飲んだ。


 なんだこれは泥臭くてまずい。水がまずいなんて今まで思ったことなどなかったのに。

 しかし水を戴いたのだ、一言日本語でも良いからお礼を言っておこうか。


 「有難う御座います」

 と俺は言った。


 おっさんはにっこり笑った。言葉は理解していなさそうだが何となくお礼を言ったのがわかったのだろう。

 

 収納カバンからくんせい肉らしきものを出し俺に寄こしてきた。俺は受け取ってしまう。


 つい出されたら反射神経で受け取ってしまうな、これって日本人気質な事だろうか? この現状不明な状態で信用して受け取ってしまうのはどうかなと受け取ってから思ってしまった。


 おっさんはくんせい肉を食べ始める。


 ビーフジャーキーのような物かな? 俺も食べてみるが、それほど固くなくない。しかし腐ったような肉の味がしていた。


 正直、生臭くまずい。しかしもらったものだしもったいないので我慢して食べてしまう。


 勧められたものは食わないと失礼にあたると思ったのだ。この世界ではどう解釈するかわからないのだが今はこうしたほうが良いだろう。


 口の中が生臭くなってしまった。水でゆすぎたいな、でも水がないのでゆすげないでいる。


 先ほどもらった水はすでに飲んでしまったからな。困ったことだ。


 そうだ、俺は持っていたずた袋から金色の林檎を取り出し口直しに食べはじめる。


 「おい若いの、それは奇跡の果実、おまえどうしてそれを持っているんだ」

 冒険者風のおっさんは声を荒げ、驚いた様子で立ち上がった。


 俺は警戒したが驚いただけの様子を見せたので、特に気にしないで普通に金色の林檎を食べていた。


 1つ目を食べ終わったら、ずた袋からもう2つ金色の林檎を取り出し、1つは冒険者風のおっさんに渡そうとする。


 「水と食料をもらったお礼です。お1つどうぞ」

 言葉は通じないと思うが、冒険者風のおっさんは意図がわかったらしく受け取り食べ始めた。


 「これはうまいな。これって1つ食べれば300日は若返ると言う、若返りの果実、奇跡の果実だぞ。

 それを食えるとは夢にでも思えなかったよ。

 有難く戴くことにしよう」

 何を言っているのかわからないが、うまそうに食べている。


 どうやら金色の林檎には毒はないようだ。冒険者風のおっさんがどんな反応するのかわからなかったので少し見てみたいものがあったのだ。


 金色の林檎は普通に食べられるらしい。おっさんはうまそうに食べていた。

 ただ少し気になったことがあった。


 金色の林檎の入ったずた袋をちらっと見た時に、嫌な感じがした。まさかと思うが、気のせいだろう。


 とりあえず食事が終えたようで、移動をはじめるようなのでついて行こうと思う。


 途中まで歩いていたら、突然冒険者のおっさんは指を刺し始めた。

 小高い山の下に大きな城壁に囲まれた町が見える。でも最初に見た街とは景色が違うな。


 もしかして別の街かな? まっいいか、人間が多く住んでいる場所があると確認できただけでも良いかな。

 

 それもここから、直線上に行けばかなり近くに見える。目の前の草原の中を通れば近いようなそぶりをしている。

 道がないのだがついって良いのかな?


 冒険者のおっさんはこの中を通るみたいだが俺は警戒する。先ほど、ちらっとみた金色の林檎が入ったずた袋を見た時に嫌な感じがしたのだ。


 だが俺は街に行く道を知らないのでここは信用して冒険者風のおっさんの後をついて行ってしまった。


 草むらを抜けたら大きな川にたどり着いた。生い茂っていた草のせいで川があったのが気づかなかった。


 どういうことだ? 川があるが橋や船などの通れそうな場所がないのだ。これは行き止まりではないのか。


 しまった、このおっさん俺をはめやがったのか?

 冒険者のおっさんはいきなり剣を抜き、俺に剣を向ける。


 「若いの、おまえさん魔導士だな、先ほどは見事な魔法だったぞ。

 でもな魔導士であれば魔法封じのアイテムがあればどうってことはない。

 効果は数秒だがこちらには魔法封じの粉水晶がある。これで十分だろう。

 もっともこれだって金貨2枚はするんだけどな」

 なにか口ずさんでいたが俺にはわからない。


 冒険者風のおっさんは俺に何かを投げつけてきた。投げつけてきた物が足元に散らばり赤色に光り出した。


 「お前が悪いんだぜ、奇跡の果実を見せるからな。

 あれを1個売るだけでも金貨100枚にはなる。

 恨まないでくれよ、ひと思いに楽にしてやるからな」

 何かを俺に言って切りつけてきたが、その前に即死スキルを使って冒険者風のおっさんを倒してしまう。


 「ドサリ」

 冒険者風のおっさんは倒れた。即死したようだ。


 「いったいなんだって言うんだ?

 盗賊といい、この冒険者風のおっさんといい、なぜいきなり襲ってくるんだよ。

 俺が何をしたんだって言うんだよ。

 ちくしょうが。

 この異世界ってそうまで荒んでいる世界なのかよ」

 俺は倒れた冒険者風のおっさんを見て絶叫した。


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