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第21話 貴重なアイテム


 俺のちょっとした変態行為があったので反省している。


 ここではセクハラで訴えられないけど、完全にアウトな事案だろう。

 女性に対し匂いを嗅ぐなど言語道断だった。


 淡々とお金の整理するだけの、気まずい雰囲気になってしまった。


 そうだ、宿屋に渡す賄賂の金額も決めないといけないか、その前にここでのお金の価値がどの程度なのか聞いてみよう。

 お金は手に入れたが銅貨しか使っていないから、その他の価値がイマイチわからない。


 ターナさんに話を聞いたら、この国では貨幣の種類が4種類あり白金貨、金貨、銀貨、銅貨の順に貨幣価値が高いと言う話を聞けた。

 4種類か、金貨の上に白金貨と言うのがあるのか、俺は所持していないな。


 お金を管理する神様がいるらしく、神様がお金の発行と流通を操作して安定した貨幣価値を見いだしていると言う。

 偽造も神様が常に見ていると言う事なので出来ないらしい。


 本当にそうなのかよと疑いが出てくるぞ、汚いよごれた金貨だってあるのだからな。


 どっかの権力者が神の意向とか言って、貨幣の価値をきめているのではないのか。

 俺が別の意味でやったように。

 

 貨幣の価値は白金貨1枚に対して金貨100枚と交換できる。

 金貨1枚に対して、銀貨20枚と交換できる。

 銀貨は1枚に対して銅貨20枚で取引されているみたいだ。

 

 銅貨1枚、200円と考えれば、銀貨は1枚4千円になるな。

 金貨は1枚、8万円と考えて良いだろう。

 白金貨は1枚、80万というところか。


 白金貨は王族が他国と取引に使うお金で市場には出回らないそうだ。

 白金貨があると言う事を知っているだけで見たこともないと言う。

 噂話では金貨の中央に白い宝石が埋め込まれていると言う話だ。


 なるほど、定番な異世界ファンタジーの貨幣設定と似ているのか。

 それだったらわかりそうな気がするけど、物価がわからないから市場調査しなくてはいけないよな、ぼったくられないよに慎重にお金を使おう。

 

 ちょっと気になった事があったので質問してみた。

 銅貨1枚より安い商品はたくさんあると思うが、それはどうするのかと聞いてみたら、銅貨1枚を基準に商品の値段を決めているので安い製品はないと言われてしまった。


 それはそうか貨幣を基準に商品の値段を決めるんだね。

 あれでもそれっておかしくない商品の価値を決めて値段を決めるんじゃないの?

 あ、どちらも同じことか、ただ最低通貨の基準が高くなっているから変な風に思えるんだ。

 

 銅貨1枚、200円とするならば、それを最低基準として物の価値を決めるのね。

 

 日本では1円が最低基準だからわかりやすいんだけど、ここでは200円から商品の値段を合わせて決めるのか、なんかややこしく難しくないか。


 もっと単位の小さなお金があっても良いのかと思えてくるがどうなんだろう。

 せめて大きさを変えて低い貨幣を造っても良いと思えるし、日本では1円から硬貨があるからそう思えてくるのかな。


 1円単位で細かく通貨を出しているのは日本くらいではなかったか? 台湾であったような気がするが間違いだったかな、思い出せない。

 外国での通貨の話は詳しくないけど、1円とかの通貨を聞いたことがないような気がする。

 今は異世界にいるのでネットで調べられないのが残念だな。


 そういえばキースはかなりの金貨を持っていた。

 俺との決闘前の交渉で、金貨3千枚とエルフの少女3人との交換という話だった。


 計算してみれば俺のスーツって2億4千万円もするの? 2億4千万の瞳じゃないよね。なにをバカな事を考えているのだ。

 あれ2億4千万の瞳ってなんだろ? 確かそんなフレーズ聞いた事があるような気がしたがなんだか知らないんだいよな。


 まあ冗談は別にして、商品の価値観の金銭感覚がまったく違うな。

 2億4千万円その金額をすぐに出せるとは貴族ってなんなの?

 それよりもエルフの少女達の方が髙いんだよね。俺は髙くて良いと思っているけど。


 金銭感覚が一般市民と違うのはわかるがあまりにもかけ離れている。

 もしかしてお金を使っても一般市民から税金としてすぐ搾取するのか?


 実際ヨーロッパの貴族社会が成り立っていた時に、美術品の購入やパーティーの披露などのお金が足りなかった時は、その日に街頭に行って税金を搾取する行為があったと本で読んだ事があるぞ。

 それと同じような事がありそうで怖いな。


 貴族と言う立場を利用して、好き勝手に冒険者をやっていたから貯め込んでいたのだろうな。

 恐らくだが貴族同士の趣味や遊びなどにだけ大金を使うのだろう。


 一般市民には一斉お金が回って来ないのだろうな。

 市場経済にお金をまわさないから、発展も出来ず一般市民が貧しいままの悪循環に陥っているって事かな。

 確か中世ヨーロッパはそんな感じだろう。


 貴族同士の趣味や遊びに金を使うならそのお金を公共事業などをやって市場経済にまわしたほうが良いと思うがな。

 だから文化が発展できずレベルが低いって感じたのか。


 今はキースのお金は今は俺のお金になったのだ、有効に使わせてもらうとしよう。


 契約でターナさんを1日、金貨1枚で雇う事にした。1日8万円か確かにかなり高額だな。

 でも今までキースにこき使われていたんだ、その分出してやるとするならば別にかまわんだろう。

 俺が決めたのだ問題はない。


 この世界での3年間、300日、金貨300枚 2千4百万になるのか。

 魔法の収納カバンと適当なアイテムも付けると言う事になっている。

 

 他の2人もこの内容で契約をしてみたいな。


 よっこらしょっと、とりあえず3人分は用意できたか。

 結構、金貨は重いし数が多いので面倒だった。


 それと、今日は買い出しに行くので金貨20枚ほど用意しておこう。

 160万円分、それだけあればさすがに十分だろう。

 

 その他に宿屋に払う賄賂か、これが一番悩むところだ。

 金貨100枚、800万円、賄賂としての金額はどうなんだろう? 出したことがないのでまったくわからん。


 金貨200枚、300百枚はとても出せないな、こういうところはしぶってしまう。


 そういえばキースのやつはこの宿屋にいくら払っているのだろう。

 クロートさんはかなり安い金額で利用していると言っていたけどどのくらいなのかな?

 支配人に聞いて見てから判断しようか、それから決めても遅くはないな。


 それにキースが出しているのではなく本家から雇われていたクロートオさんがお金を出していたって言う事もありそうだ。

 なんかあったらクロートさんがお金で尻無食いしていたのだろう。

 家名に変な噂とか流されると傷がつくからな、お金を払って口止めする、ありそうな話だな。


 ホテルの利用も賃貸が安かったせいで、俺が突然来たのもあって従業員の態度もそっけないのは当然のことだな。


 とりあえず宿屋に賄賂として最低金貨100枚を渡しておこう。

 あとはキースがこのホテルの借りている金額がいくらか聞いてから判断すると言う事でいいだろうな。


 いつ宿屋を出ていくかわからないが、それだけ出しておけば食費の代金くらいにはさすがになると思う。

 お金を出していればそれなりの対応は良くなるはずだ。


 あっ、整理したのは良いが金貨を入れる袋がない。

 タオルがあるからふろしきみたいに包んで紐を結んでくか、そうすれば小分けに出来る。

 巾着袋とか欲しいな、雑貨屋に売っているか探してみよう。


 時間はまだあるな、アイテムも少しだけ整理してみるか。

 ターナさんになんのアイテムかわかるか鑑定してもらおう。


 残念なことに、ターナさんはキースが持っていたアイテムが何なのかほとんどわからなかった。

 俺もまったく見当がつかない物ばかりだ。

 仕方ないのでかたずけてしまう。


 キースが持っていたアイテムは魔法関係のアイテムらしく、それに関してはサレンさんが詳しく知っていると言う話が聞けた。

 3人の中でサレンさんが魔法が一番使えると言う事も聞けた。

 一番教養があるって言っていたな。

 

 サレンさんは奴隷になるまで魔法に従事していた事があったのかも知れないな。

 魔法はサレンさんから教わった方が良いかも知れない。


 アニスさんに回復魔法を教えてもらうと約束していたか。

 2人に教えてもらえば良いか、ターナさんは言葉の魔法と洗浄魔法がうまく使えるみたいだから担当でかけてもらう事にしよう。


 魔法でも系統がいろいろあるのかも知れない。教えてもらえるののだったら全員に教わった方がいいな、教えてもらえるだけ良いと判断しよう。


 ! なんだこれ。アイテムをかたそうとおもったら、やけに奇麗な箱に入っている物があった。


 確か冒険者ギルド職員が最後に持ってきた5つの中のアイテムの1つだった。

 

 冒険者ギルド側がうそをついてでも残しておきたかったアイテムだ。


 このアイテムのおかげで何人も犠牲になった、人が死んでもよいほど残しておきたいアイテムとはどのような物だろう。

 非常に気になるな、いったいなんだろう。


 箱には鍵がないようだけど、厳重に作られている。

 これはふたの部分かな?

 細い模様のような線があるのだが、隙間がなくどうやって開けるかわからない。

 この部分がふたになると思うのだけど違うのかな?


 開け方がわからなかったが、箱のふたらしいところに紋章が刻まれていて触っていたら「バッチ」と音がしてそのままふたが開いてしまった。

 

 中には奇麗な小さな青い小瓶が入っていた。

 それを取り出し、ターナさんに見せたら驚かれてしまった。


 ? ポーションが入っている小瓶かな。

 まるでファイナルファンタジーで出てくるポーションみたいだ。


 ターナさんが驚いているので聞いてみたら、その青い小瓶の中身はおそらくエリクサーではないかと言っていた。


 エリクサーか、よくゲームで名前は聞く、ゲームでは伝説になっているアイテムだ。 

 でもゲーム内では伝説でも誰でも手に入るアイテムなんだよな。


 確か、完全回復の効果を持つポーションだったはずだ。


 「! ターナさん、もしかしてこれを使えば半分に切られた耳が直るのではないの」

 「確かに治りますと思いますが・・・」

 ターナさんはうつむいたままになってしまった。


 「試しに使ってみるかな」

 俺が言ったら驚きの様子を見せていた。


 「貴重なアイテムです。私などに使うのは勿体ないです」

 「直せるかも知れないアイテムだったら、使用しても問題はないと思えるんだけど」

 「ですけど・・・」

 「魔法で直せるのだったらポーションで直しても同じだよね。

  耳が直って、エルフの生活に戻れるのだったら良いではないかと思うよ」

 「ですが1つしかありません」

 「あっ、サレンさんとアニスさんもいるのか、数が足りない」

 そういうことか、1人だけ直してもそれはそれで困ってしまうな。


 ターナさんはそれで遠慮してしまったようだ。優しい子だと認識ができる。


 残念な事に1本しかないのでこればかりは仕方ないのか。

 3分の1づつわけて使用すれば良いのではないかなと思うがそれじゃダメなのだろうか。


 内容量が少なそうだなさすがに3人分は使えない。

 水で薄めて使えないのかな? 蒸留水作って水増しすれば、いや水増しとかいう事ではないのか、さすがにそれはやってはいけないな。


 どこまでの効果があるかわからないし、その前に本物かどうか不明だ、本当に直るかもわからん。

 試しにと言う事で3人そろったら使用しても問題はなかろう。


 あっ、もしかして、直ってしまったら彼女らの目的の一つが達成するんだけど、俺的にはどうなんだ。そうなると俺の元から去ってしまうのか。

 でも、彼女たちが半耳で差別を受けるよりも良いと思うんだけど、これは判断に悩むところだ。


 ! いや、違う、駄目だ。別の意味で駄目だ。

 早めに使って処分してしまおう。

 これってやばいアイテムを見せてしまったのかも知れない。


 まさかだが、ターナさんがエリクサーを欲しくて、俺を襲うってことはないよね。

 あのおっさんのようになるとは思わないけど、ちょっとだけ気にしてしまった。


 やばいアイテムを手に入れてしまったのか、黄金の林檎なんか非ではないはず。これは早めに処分したほうが良いな。


 2人が起きたら早速使ってしまおう。

 と言うか、今から起こしてもらい3つにわけて使ってしまおう。


 こんなトラブルがおこしそうなアイテムは手元には置いておけない。

 3人のエルフ達にとって喉から出るほどほしいアイテムだと思う。


 「ターナさん悪いが2人を起こしてもらえないか」

 「わかりました」

 とりあえず起こしてもらいこのアイテムを2人に見てもらおう。


 貴重な価値があるポーションらしいがここは割り切って処分してしまおう。

 おっさんのような事件があるのは嫌だからな。


 しかしこのエリクサーってどう使うのかな。

 ポーションだから飲んで使うのか? それとも傷口にかけて使う?

 サレンさんが魔法アイテムに詳しいらしいから聞いてみよう。


 「お早うございます。ご主人さま」

 サレンさんとアニスさんは俺に駆け寄りあいさつををする。


 「おはようさん。悪いね、起こしてしまって」

 「いえ、こちらこそ起きるのが遅くなり申し訳なく思います」

 2人は深々と頭を下げた。


 「ちょっと良いアイテムがあってね。それを使ってみようと思うんだ。

 サレンさんは魔法関係のアイテムが詳しいと聞いたのでね、このアイテムをどう使用するのかお聞きしたいんだ」

 サレンさんはアイテムを見たとたん、目を見開き手を口に押え驚いている。


 やはりこれはエリクサー、貴重なアイテムのようだな。

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