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第二章 13話 能力の暴走と授業について

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 ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ


シュウ「ん……うーーーん!」


 シュウは大きく伸びをする。今日も朝が始まった。勿論、昨日もワグに深夜まで話をさせられていたのでしっかり寝れていない。


シュウ(あ、そう言えば最近忙しすぎて母さんから貰った封筒見てないな…今日夜にでも見てみようかな…)


 ベット横のコンソールテーブルの上に封筒をしっかり置いた。



----------------------


 教育室─


 ガラガラガラ


シュウ「失礼します!」


伊勢原「やあ、おはよう。まぁ座ってくれたまえ。」


シュウ「伊勢原隊長!今日はフランクさんじゃないんですか?」


伊勢原「ああ。フランクは今日緊急の任務に行ったという話だ。だから今回は私が新人教育の担当をさせてもらう。よろしく。」


シュウ「はい!お願いします!」

   (めちゃくちゃ爽やかだなぁ。)


伊勢原「もうここには慣れたかい?」


シュウ「はい!慣れてきました!ただ、ワグさんが中々寝かせてくれない所がありますけど、」

 シュウは苦笑いをして言う。


 伊勢原はハハハっと笑い

伊勢原「そうかそうか。ワグは調子者だからな。私から言っておこう。」


シュウ「いやいやいや!自分的には嫌でも苦でもないんで!大丈夫ですよ!」


伊勢原「ハッハッハ!だが体に負担が出てくるようなら、ちゃんと言ってくれよ?私としてもシュウ君は違う部署だがとても期待しているし、応援している。」


シュウ「あ、ありがとうございます!」


伊勢原「Sfがもし合いそうにもなかったら我々Cfにいつでも移籍をして構わないからね。いつでも何でも不安や不満などがあったら言ってほしい。」


シュウ「分かりました!とても心強いです!」

(本当にいい人だなぁしっかり部下の事を気にかけてそうだし。)


伊勢原「さて、今回の座学研修なんだが、、」


 ペラペラと資料を確認する伊勢原。


伊勢原「最初は能力の暴走について話していく。」


シュウ「能力の暴走?なんか怖い感じですね…」


伊勢原「これは能力者ならば絶対に覚えておかなければならないことだ。」


 伊勢原は資料をしっかり見ながら言葉を繋げる。


伊勢原「能力の暴走とはただひとえに能力だけが暴れるというわけではない。故意による暴走、感情の高ぶりによる暴走、能力の発症による自制が出来ぬ暴走等々、我々が知らない部分も沢山ある。そして、暴走して自分の命を落とした能力者もいる。」


シュウ「じゃ、じゃあもし暴走した場合…どうすれば良いんですか?」


伊勢原「そうだね、、能力の内容によるけど、周りがなんとか抑えるか、自分で抑えるしかないんだよ、極論ね。だからこそ、自分の能力とはしっかり向かい合わなければならないんだ。」


シュウ「能力と向かい合う…」


伊勢原「私が能力者なら詳しく話せるのですが…今は紙媒体で説明出来る所までします。」


伊勢原「能力と向き合うとはつまり、理解すること。自分の限界、能力の可動域、相性、弱点、発動条件、発動イメージ等々ですね。これは応用や発展と似ていますが、今回は自分の能力を抑える為にこれが必要なのです。」


シュウ「なるほど…じゃあ訓練し続けていかないといけませんね。」


伊勢原「はい。能力は車の運転などと似ていて使っていかないと上達しませんし、ずっと使わないとブランクなどが生じたりしますし、レベルが下がったりします。」


シュウ「分かりました。しっかり能力を使っていきます。」

(トレーニングルーム行って能力の訓練しなきゃな…)


伊勢原「そうそう、応用や発展にも繋がる話ですが、自分の能力と似ている人と交流することが良い発見になるかもしれません。」


シュウ「自分と似てる能力…誰か居ますか?」


伊勢原「シュウ君は浮く能力………あ……居ますね…でも…そうか……ちょっと…うーん……。」


 伊勢原は頭を抱えて考え始める。


シュウ「え……そんな変な人なんですか?」


伊勢原「んー……一度会ってみたら良いかもしれません。名前は…えーと…取り合えずはフライトと呼んであげて下さい。よくトレーニングルームに居ます。ワグに言って紹介してもらってください。」



シュウ「フライトさんですね、分かりました!」

   (どんな人なんだろう…)



伊勢原「後は…通常授業についてですね、」


 伊勢原はササッと資料をシュウに配る。


伊勢原「これには授業のカリキュラムが書かれています。一年の間に取っていただく単位は25単位以上です。まぁ忙しすぎて取れなかったり取らなかったりあると思います。別に取れなかったところでどうと言うことはありません。ただ高卒や大卒の資格が取れないだけですので。」


資料を確認するシュウ。


シュウ「現代文や数学って本当に学校と同じことやるんですね!教師はどこからか雇うんですか?」


伊勢原「ん?科目説明の隣はしっかりみたかい?」


シュウ「……あ!BARKERsの人達が教師をやるんですか!」


 資料には現代文の隣に五條、第一外国語の隣にはハートリーなど書いてあった。


伊勢原「その通り。下手したらそこら辺の教師より面白い授業するかもしれないな。」


シュウ「確かに…受けてみたいです。凄く。」


伊勢原「是非とも受けてみてくれ。後は資料を呼んで、科目表を作り、オペレーターに提出か、二階事務室に提出しておいてくれ。」


シュウ「分かりました!」

  (ロッドさんの授業どんなの何だろう…)


伊勢原「よしよし。次で最後だ。これはシュウ君に是非とも力を貸していただきたい。」


シュウ「なんでしょうか?」


伊勢原「ここ、BARKERsにはシュウ君よりもっともっと年下の子達が居るんだ。その子たちは六階に居るのだが、どこかで会ったりしたかい?子供達に。」


シュウ「いえ、まだです。」


伊勢原「そうか、その子達というのは、両親が能力者に殺される、能力者として産まれ気味悪がられ捨てられる、能力者同士の子供、と言った訳ありでBARKERsが保護したという子達だ。12才以下は皆、別の学業のカリキュラムを作っている。その子達の先生として、勉強を教えてあげたり、能力のつかい方を教えてあげたり、遊んであげてほしい。」


シュウ「そんな子達が居るんですね…皆能力者なんですか?」


伊勢原「いや、皆が皆、そうという訳ではない。普通の子ども達もいるよ。今一番上の秋斗(アキト)君なんか普通の少年だよ。」


シュウ「なるほど…分かりました!ですがいつその達のもとへ?」


伊勢原「いつでも良いんだが、取り合えずはオペレーターから連絡が来るだろう。そこで詳しく聞いてくれ。」


シュウ「了解しました!」


伊勢原「よし!」


 サッサッと資料を一つにまとめて一息入れる伊勢原。


伊勢原「今日はこれにて終了だ。では、戻っていいぞ?」


シュウ「はい!ありがとうございました!」


 シュウは立ち、ガラガラっと戸を開け、部屋を出る。



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シュウ「ワグさんにフライトさんの事を聞かないとな!」



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