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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
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第一章 5話 浮く能力初披露!


 勿論、校庭から教室に帰ってきたシュウとトモはしっかり美香に怒られた。




   キーンコーンカーンコーン


近藤先生「はい、今回の授業はここまでです。しっかりと元素記号を覚えておくように。それでは帰りの支度をしてください」



 ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ




 シュウは振り返り美香に話しかける。


シュウ「なぁまだおこなの?美香?」


 美香はジト目で答える。


美香「げきおこですけど、普通あの場面で置き去りにする?」


友樹「本当シュウのやろうな」


 トモがいたずらっぽい目つきで振り返り言う。


シュウ「裏切ったなトモ!おい、美香!トモのやつ近藤先生とサッカー部で楽しくサッカーやってたからな!」


友樹「お前も楽しそうにやってたじゃん」


美香「二人とも許さないからー!」



 シュウとトモはヘヘヘっと笑い、それにつられて美香も笑う。



シュウ「あ!今日こそ見せるからな!帰ろうぜ!」


 美香は呆れて言う。


美香「また言ってるよー、下らないマジックでしょ?」


シュウ「ねぇ、何で?何でそんなに頑なに見てくれないの?新手のドッキリなの?」


美香「私はこれから部活だから一緒には帰れないかなー」


シュウ「ぐぅ…トモは?」


友樹「……帰れるぞ?」


シュウ「よっしゃ!じゃあトモに見せるからな!あーあ!美香残念だなー!一緒にこの感動を分かち合う事が出来ないのは残念だなー!」


美香「シュウ、あんたが一番残念だよ?」


友樹「違いないな」


シュウ「もー!!冷たいよ二人とも!!」


 三人は今日も笑い合い学校生活を送った。




---------------------


 学校の帰り道─


シュウ「さあトモ!見せるからな!絶対これだけ見てから帰れよ!」


友樹「あー俺早く帰りたいんだよな。予備校の予習があってな」


シュウ「すぐに終わるから!そんな何時間も居させないから!」


友樹「はぁ分かった分かった。正直その話題にはあまり触れたくなかったんだけどな」


シュウ「え?何で?」


友樹「……恥ずかしいからに決まってんだろ。」


シュウ「見たらその言葉後悔するからな!」


友樹「んで?どこの公園に行くんだ?」


シュウ「俺らの家の近くで良いでしょ!」



 その公園は俺らの思い出の場所である。よくトモ、美香、妹の莉沙でよく遊んだ。学校の帰りによくここで語ったりもしたものだ。



友樹「はぁ分かった。じゃあそこにしよう」


シュウ「嘘じゃないって所見せてやるからな!」



---------------------


 公園─


友樹「何か久しぶりに来た感じだな。いつぶりだ?」


シュウ「高1の秋頃が最後じゃないかな?トモも美香も忙しいもんな」


友樹「シュウも何だかんだ家事もしないといけないもんな。お前は偉いよ」


シュウ「そう?でも皆いつかは自分でやらないといけなくなるし、それが早まっただけだよ。まぁ家族の為に何かするのは嫌じゃないしな!」


友樹「家族の為にか…本当羨ましいよなシュウの家族は」


シュウ「そう言えばトモの家族、」

友樹「早く見せろよその、浮く能力ってのを」


シュウ「あ、おう!見とけよ!」


 シュウはジャングルジムを上まで登る。そして周りに誰も居ないことを確認する。


シュウ「じゃあここから飛ぶからな!」


友樹「おいおい!そこからもろに落ちたら怪我すんぞ!」


シュウ「大丈夫!見とけよ!」


 ポーンとジャングルジムの天辺からジャンプをする。そして、すぐさま下に落ちる。


友樹「あ!おい!」



 そして、地面に着くより数十センチ上に止まりそこを浮遊するシュウ。



シュウ「へへへ!落ちるかと思った?ドッキリでした!」


 トモは唖然とした顔でシュウを見る。



友樹「お前………」



 シュウはとんでもないほどのどや顔をトモに放つ。


シュウ「どうだ!ビックリしただろ!凄くね!?これ凄くね!?なあこれ、凄くね!?」


友樹「………マジかよ」


シュウ「もっと驚いていいんだぞ!」



 友樹は周りを見て言う。


友樹「早く降りろ!見られたら何言われるかわかんねぇぞ!」


 友樹の必死の止めにシュウは少し気圧される。


シュウ「わ、分かったよ。降りる降りる」


 スタッと降りる。


友樹「……」


 友樹は青ざめた表情で何かを考えている。


シュウ「なぁやっぱそんなビックリした?感想は?なぁなぁ!」


友樹「あまりこれは周りに見せないほうが良いぞ」


シュウ「やっぱ心臓に悪いかな?」


友樹「普通の人は理解が出来ない」


シュウ「んー、まぁそりゃそうか!取り合えず、後、美香に見せようかなって思う!」


友樹「……それは、よくないな」


シュウ「え!あまりにも凄すぎるから?」


友樹「……そうだ。刺激が強すぎる」


シュウ「うーん……」


シュウ(確かにあのトモがこんなに青ざめるくらいだからな……)


 シュウがうーんと悩んでいる間にトモはスマホでチラッと時間を見て言う。


友樹「すまん。俺もう帰るわ」


シュウ「え、あ、分かった!ありがとうな見てくれて!」


 友樹はその言葉に一言も返さず、すたすたと家に向かい始めた。


シュウ(そんなにビックリしたのか……見せて良かったな。あのトモをここまでしたんだからな!)



 シュウはしてやったりのウキウキした気持ちで帰路についた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 浮く! 浮くといえば、レビ◯ト~ 浮く浮くって気持ちいいですよね。  でも、落下して落下にはならなかった。大ケガしなくて良かったです。 [気になる点] あれ? 浮く? 浮く? 浮く!  な…
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