第二章 11話 初めてのミッション
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ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ
シュウ「はっ!」
スマホを見るシュウ。時間は9:00。
シュウ(良し!大丈夫な時間帯!)
昨日は珍しくワグは寝ていたらしい。いつも夜中まで話をするのに……逆にどうしたんだろうと少し心配してしまう。
シュウ「体調悪いのかな?」
チラッとシュウは乗り出しワグの姿を除く。が、ワグが居なかった。
シュウ「あれ?居ない?」
シュウ「………」
シュウ「んー…まぁそういうこともあるか。」
シュウはさっさと準備をして教育室へ向かった。
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教育室─
ガラガラ
シュウ「失礼しま、、」
ワグ「遅いぞシュウ!もう皆集まってんぞ!」
シュウ「え、何で?」
教育室にはフランクとワグと歓迎会のときの優しそうな女の人…確か小張さんが座っていた。
フランク「皆さん揃いましたね。」
小張「よろしくねー!シュウ!」
シュウ「あの、これは?」
フランク「今からシュウ君にも説明しますよ。まずは、御掛け下さい。」
シュウ「あ、はい、。」
シュウは小張とワグの真ん中に座る。
フランク「それでは、、今回のミッションの説明を始めます。」
シュウ「え!ミッション?」
ワグ「ああ、シュウの初指名ミッションだな!」
シュウ「ちょ、待って下さい!聞いてないですよ!しかもいきなり指名任務なんて荷が重すぎますよ!」
小張「大丈夫だって!私がついてるからさ!」
シュウ「いやいや!個人的な心の準備が!」
フランク「まぁ…驚くのも無理はありません。ですが、今回のミッションは貴方にも入って欲しいのです。」
ワグ「正直俺もビックリだぜ。俺と小張って二人は分かってたんだけどまさかもう一人がシュウだったとはな。」
シュウ「何故…俺なんでしょうか?」
フムと少しフランクは考え、
フランク「色々な理由がありますね。浮く能力がこのミッションに向いていること、比較的安全な事だと思っていること、君たち三人だからこそとも。」
ワグ「まぁ確かに俺とシュウは戦闘に不向きだから安全な方が助かるなー。」
シュウ「なるほど…」
フランク「Bfの小張さんは言わば保険ですが、あなたのその人を引っ張れる性格を強く評価しました。」
小張「あ、ありがとうございます…フランクさんに、そう言われるとは…こ、光栄です、」
小張は顔を赤くした。
フランク「………」ぽっ
ワグ「何であんたも赤くなるんだよ!」
フランク「いやぁ…何か、真面目に誉めてしまった私が恥ずかしくなってしまって…」
シュウ「あー…そう言えばフランクさんはこういう人でしたね、」
フランク「そんなことより!このミッションは急を要します。チャンスは三日間しかありませんからね!」
シュウ「三日しかない!?どんなミッション何ですか?」
フランク「はい。では三人には…」
シュウ「」ゴクッ
フランク「サーカスに入団してもらいます。」
シュウ「………」
シュウ「ん?」
あまりにも平和過ぎる単語に頭の中が対処出来ないでいるシュウ。
ワグ「シュウ。サーカスだ。」
小張「サーカスだよ。」
シュウ「あ、いや、サーカスは知ってますよ?でも何故サーカスに?」
フランク「シュウ君、フリークショーというものはご存知ですか?」
シュウ「フリークショー?それは知らないです。」
フランク「言わば、見世物小屋のような物なのですが、例えば生まれもって毛深すぎる人、出来物が肥大し過ぎて人としての原型が無い人、体が普通の人より違う人、何かしらの奇病にかかった人、人より特別な能力をもつ人などがそれをサーカスの為に使うというものです。」
シュウ「なるほど……あ、もしかしてその中に!」
フランク「That's right!!その通り!そのフリークショーに能力者が居るという情報が来ました!」
シュウ「やっぱり…でも、フリークショーって普通より違う人達が集まるんですよね?もしかしたら皆さん、そうという可能性が?」
フランク「フフフ、私を見くびらないで貰いたい!アラスカまで飛んで見てきました。結果、一人だけ見てて有り得ない人が居たのです。」
フランクはペラッと写真を出す。
フランク「本当は撮影は禁じられているんですがこっそりね。」
その写真には身長がとても高い男が写っていた。だが目を引く所はそこではなく、その男は腕を伸ばし、熊と戦っていたのである。
フランク「これはフリークにしては異質過ぎる。言うとしたら伸びる能力ですかね。名前はノブと言われてました。日本人…だとは思うのですが、日本人と思えぬほど背が高いですね。」
ワグ「ほえぇ…熊と戦うって相当な強さだなこの人。」
シュウ「この人の勧誘ですね?」
フランク「そうです!このノブと呼ばれるお方の勧誘をお願いしたいのです!勧誘がダメなら協力関係を持ちたい!」
シュウ「なるほど……俺、頑張ります!」
フランク「その意気です!では詳細を言います!」
サッサッと三人に紙を机に滑らせ渡す。
フランク「潜入場所はバンシャ・フリークショー。バンシャ・デイリーが団長を勤めています。彼のフリークショーに接触し、ノブと言われる方とコンタクトをとってください。彼らが日本に滞在する期間は三日です。フリークショーは全世界ではタブーです。なので、観客達はどこぞの金持ちや何か特別な権限をもつ方しか来ません。メディアに出てくるには時間がありますが…長くはないでしょう。だからこそ、この三日は重いと考えて下さい。」
シュウ「分かりました!」
ワグ「はーい。」
小張「はい!」
フランク「この任務は5日後に開始します。随時連絡を気にすることです。」
ワグ「今回の総合オペレーターって誰だ?」
フランク「椎名さんです。」
ワグ「え、何で?」
フランク「椎名さんしか居なかったんです…」
ワグ「何でだよ!指名任務なのにオペレーター椎名しかいねぇって!」
フランク「うぅ私も、私もアリサさんや、幾さんが良かったですよ!でも皆さん任務が被っているんですもの!椎名さんはずっと有給と休みを取っているから何時でもいるんですもの!」
小張「流石椎名さんね。」
シュウ「…何かその椎名さんに任せても大丈夫なんですか?会ったこともないですけど、話だけ聞くにしっかりやってくれる感じが…」
ワグは腕を組み、少し眉間にシワをよせ、
ワグ「んー…始まった時はしっかりやってくれるかもだけど…椎名のモチベーションの維持が大変なんだよな。」
シュウ「なんと言うか…面倒臭がりですか?」
小張「しっかり仕事しているところは中々見ないわね。」
シュウ「えぇ………」
フランク「一応は渋々任務の参加の了承はしてもらいました。今は椎名さんは寝ているので夕方にでも顔を合わせといて下さい。」
シュウ(夕方なんだしかも。)
フランク「ではお願いいたしますよお三方!頼りにしてます!」
こうして今日の座学は終わり、飯を食べた後、三人で椎名と呼ばれている人の所へ向かった─
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