第二章 9話 B.B.B ☆
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二階応接室付近─
シュウ「どこまで行くんですかーワグさーん。」
ワグ「見ろシュウ!もうあんなに人が居るぞ!」
シュウ「また誰かが帰ってきたんですか?」
ワグ「いや、だからお客だって!いや、客でも刺客か?」
シュウ「刺客って…まさかここに来るはずが、」
ワグ「お!居たぞ!ギリギリ間に合ったな。」
応接室に続く道程は両サイドに沢山の人がいた。
シュウは真ん中を歩く、応接室へ向かう二人の女を見た。正直、衝撃的な容姿をしていた…目は包帯で巻かれ、杖をつき、、片腕が無いのだ。
シュウ「あ、、あの人達は?」
ワグ「あいつらはB.B.B社の人間だぜ。しかもそのリーダー格だ。」
シュウ「B.B.B社…接触するなって言ってたやつですね…後ろに居る髪がブロンドの方ですか?」
ワグ「ちげぇよ。あの杖ついてるやつがそうだ。」
シュウ「え!あの人がリーダー!?」
ワグ「バカ!!声がでけぇよ!」
もう少しで応接室の扉前につく、盲目の女だったが、ピタッと動きが止まる。
盲目の女「…どうやら、失礼な人間が居るみたいだな。どれ、当ててみようか?この盲目の俺が。」
ブロンドの女「ちょちょ、ちょっと!ランファ!」
ランファと呼ばれた盲目の女はブロンドの女の制止を聞かず、まっすぐこっちに向かってきた。
ザワザワ ザワザワ
周りはざわめき、盲目の女に道を空ける。
ワグ「ヤバ……」
シュウ「ど、どうしましょう、、」
コツコツと白杖をつき、シュウの前にランファはやってきた。
ランファ「………」
シュウ「」ゴクッ
シュウは緊張のあまり生唾を飲んだ。
ランファ「ハッまだまだガキじゃないか。生唾を飲むほど、緊張しているか?」
シュウは恐怖していた。ランファの背は少しだけシュウより高いがその恐怖では無い。何か得体の知らない大きな闇をその女から感じとったのだ。コイツはヤバいっと体が硬直し、動く事が出来ない。
ランファ「怖いか…?」
シュウ「すいません…」
ランファ「ハッ何を怖がる?何を謝る?この容姿でその酷評をされるのは慣れているさ。」
シュウ「……」
ランファ「俺はな、お前の声を聞いて、まだまだルーキー、いや、それ以下なイメージが沸いたんだ。だからこそ、、見せてやる。」
ランファは右腕をバッと捲る。
右腕は肘から先が無くなって居た。
ランファ「俺の容姿をしかと見ろ。頭に記録しろ。これが戦場だ。お前にそれは出来ない。さっさとここを辞めて、家に帰れ。」
シュウ「っ!」
シュウはその言葉に異論があり、キッとランファを睨む。
ランファ「怒るか?だが、お前には向いてないよ。やるなら、せいぜい、この寮のゴミ掃除でもするんだな。ゴミが溢れてそうだからなここは。」
ワグ「て、テメェ!」
ランファ「なに、洒落だよ。ここは笑う所だぞ。ハッ俺も仲良しごっこしたいものだね。」
ランファはハハッと笑い戻っていった。
ブロンドの女「もう、ランファ…司令に言われますよ?」
ランファ「すまんなレベッカ。司令は何も言わないさ、きっとな。」
二人は応接室へ入っていった。
ワグ「なんだったんだアイツ。気にすることねぇぜシュウ。」
シュウ「はい…でも、、何か変な気分でした。」
ワグ「…は?変な気分?」
ばかにした表情で言うワグ。
シュウ「何か…やめろとか、向いてないとか言われたんですが…なんというか…嫌な思いはしなかったんですよね…何でだろう…悪意が感じられなかったのかもしれないです。」
ワグ「はぁ?端から聞いてたら完全に悪意の塊だったぞ!あ…分かった…お前Mなのか?」
シュウ「違いますけど!!」
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応接室─
龍義「よく来てくれたな。腰を掛けてくれ。」
応接室には机を挟み、四つの椅子がある。
ランファ「言われなくても座るさ。」
ランファとレベッカは腰を掛ける。
龍義「すまんな、エンフィールド。焔は今不在なんだ。」
レベッカ「え!?な、何で私に焔不在で謝るのよ!」
龍義「お前は会いたがってると思ってな。」
レベッカ「は?は?バカじゃないの!?別に会いたいとか思ってないし!やめてよ久里浜さん!」
龍義「一応焔は17時帰還予定だ。」
レベッカ「ふ、ふーん、別に何ともないですけどね!その時間には帰りますけど!」
レベッカの顔は少し赤くなっていた。
ランファ「おいおい、もう子供じゃないんだぞレベッカは。」
ランファはハハッと笑う。
龍義「うむ。確かにそうだな。すまなかった。」
レベッカ「いや…別に良いですけど…ってそうじゃなくて!今回の貸し出し金ですよ!部隊費!装備費!その他!550万!お支払いお願いします!」
龍義「12人、グロック12丁と600発の銃弾。これで550万は大分割高ではないか?」
片手で器用にタバコを出し咥えるランファ
ランファ「文句あるなら上に言いな。俺はここに行けと言われただけだからな。」
龍義「ここは禁煙だぞ。タバコはやめてほしい。」
ランファはそれでも火を付けようとし、
ランファ「タバコを吸うなは俺に死ねと言っているようなものだ。……ん、」
ファッと何者かにタバコを取られる。
伊賀崎「タバコは駄目です。禁煙だから。」
ランファ「………俺に死ね。と…」
伊賀崎「………」
ガシャガシャガダッ!!
ランファは持っていた杖を伊賀崎に向ける
伊賀崎は背中の忍者刀を抜いて
レベッカはベレッタ92を伊賀崎に向けていた。
龍義「おい、ランファ。」
ランファ「ハハハッ洒落だよ洒落。そうびびるなガキ。」
伊賀崎「何故、自分の居場所が、、?見えているのか、?」
ランファは自分の頭をトントンと指で叩き
ランファ「お前とは格が違うからさ。」
レベッカ「もう…驚かさないでよ。」
ランファ「ハハッすまんねぇ。」
龍義「ランファ。洒落では済まされんぞ。我々との確執を忘れてないだろうな?これ以上深くしてどうするんだ。」
ランファ「あぁアローナの事だろ?俺はよくやったと思うがね。」
伊賀崎「なっ!」
ニヤリとランファは笑う。
ランファ「一人で四人の能力者を相手に少しも押し負けなかったアイツは戦士の鏡だ。」
伊賀崎「貴様…っ!」
ランファ「何だ?最近のガキはよくキレるな。」
龍義は、はぁ…と少し溜め息をして言う
龍義「ランファ。お前は喧嘩を売りに来たのか?」
ランファ「ハハハハハッ!久々のBARKERs面々だからな!ワクワクして仕方無いんだよ!ハハハッ!!」
腹を抱えて笑うランファと呆れるレベッカ。
レベッカ「もう…笑いのツボが分からないわ…」
レベッカはごそごそっと紙を取り出し、
レベッカ「これにサインと押印をお願いします。この内容で納得してくれるなら。」
龍義「……1つ聞いてもいいか?」
レベッカ「何でしょうか?」
龍義「我々とB.B.B社で手を組む考えは、」
ランファ「それは無い。」
龍義の話を最後まで聞かず、打ち消すランファ。
ランファ「俺らは仲良しごっこはしない。お前らみたいな、ぬるいやつらとはな。」
龍義「だが、手を組めばお互いの目的をすぐにでも達成出来るのではないか?」
ランファ「あぁ…そう、これが俺らの答えだ。」
ビッと手品のようにタバコを手から一本出し、ふぅっと吸い始める。
ランファ「今後も金さえ積めば部隊は貸してやる。」
そして隣にふぅと煙を吐く。
伊賀崎「ぐっ…」
姿を消してランファの隣に来た伊賀崎の顔面に煙がかかる。
ランファ「俺は帰るぜ。」
立ち上がるランファ。
レベッカ「え!ちょっと待ってよ!まだ見積書が!」
ランファ「後で金を振り込んでおくように龍。」
二人は出口に迎い、ランファは少し振り返りニヤッと笑う。
ランファ「今後もB.B.B社をご贔屓に。」
バタンッ
伊賀崎「ケホッ許せません。何故アイツらと手を組もうなど!」
龍義「………」
龍義は眉間に深くシワを寄せたあと、すぐに解き、目を閉じた。
イラストはそらとさんからです!
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