第二章 2.5話 BAR突入戦
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カチャ、カチャ、カチャ、カチャ、カチャ
武装した人間が数名、人気のない闇夜の道を歩く。そして、戦闘に似合わないスーツを着た一人の隊長らしき人間が声を出す。
龍義「止まれ、データではここのはずだ。ここに、奴等が出入りしている。」
人気のない小道、何軒もの営業してないような店が建ち並ぶ場所。立ち止まったところはボロボロなBARであった。
龍義「3秒後、突入を開始する。銃を向けたり、敵意を見せたやつは撃ち殺せ。だが、映像に写っていたやつがいた場合、問答無用で殺すせ。サイレンサーは付けたか?」
武装した者たちが手にしている物はグロック17と呼ばれる小型自動拳銃だ。海外の警官も使う代物である。その先にはサイレンサーと呼ばれる発砲の音を少し抑える筒のようなものが装着されている。
隊員A「皆、装着済みです。いつでも行けます。」
龍義「では、行くぞ。3─」
龍義は扉に手を置く
龍義「2─」
武装した者たちは銃を構える。
龍義「1─」
バンッと激しい音を立て部隊は流れる様に中に入る。
座ってた黒服A「なんだ!!」
座ってた黒服B「敵か!!」
その刹那一人の男はバーのカウンターを乗り越えカウンター下に隠れた。
タンッ!!タンッ!!タンッ!!タンッ!!
サイレンサーを装着していても激しい音であった。座っていた黒服は5人だった。その5人はこの数瞬で銃弾に倒れる。
隠れた男は叫ぶ。
隠れた男「クソッ!!!どうなってるんだ!!あいつら!!裏切りやがったな!!!」
隊員A「そこに隠れているのは小野寺天一だな。抵抗をせずに出てくるんだ。」
小野寺「クッソ!!!クソクソクソ!!!俺が捕まってたまるか!!」
すると2本の大きな酒ビンがカウンター下から隊員目掛けて飛んで来た。その酒ビンは二人の隊員の頭に直撃する。
隊員「ぐあ!!」
隊員C「的確に頭を捉えてきただと!」
そうこうしているともう一本飛んで来てまた1人やられる。
小野寺「近寄れるなら来てみやがれってんだ!!ただではやられねぇぜ!俺はよぉ!!」
隊員D「あいつ、見えてないのに!」
隊員E「能力者か!!」
後ろから龍義は前に出る。
龍義「もうお前らは良い。後は俺に任せてくれ。」
右腕のシャツを捲り、力を込める。その右腕前腕は目映い光に包まれた。そして一気に野球のアンダースローのようなフォームでその光をカウンターに放った。
バジュウウウウ!!!!
その光はカウンター裏に居た小野寺ごと焼き切った。バァァッと血が向こうで吹き出す。
龍義「スケープゴートにされたか…」
ちらっとビンを見て
龍義「投げる能力。ってところか。」
そして捲ったシャツを戻しながらこう言う。
龍義「任務完了だ。遺体はそちらで片付けておいてくれ。」
ビルの屋上にて─
二人の男と一人の女はじっと黙って見ていた。
九十九「天ちゃん、最後はしっかり役目果たしてくれたわね。」
時田「フッ下らん。俺ならば全員殺してしまっていたのに。」
九十九「ダメ、ですよ?葉さまを困らせないで?時田さん。」
神代「もう行こう。ここは用済みだ。」
三人はそこを後にした─