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Gris Persona -灰色の能力者-  作者: 緒方ユウ
一章 灰色の能力者
43/197

第一章 ???話 ある少年の記憶

──ザザッ───ザザザッ─ザザザザザザザ─


?『本当あんたは使えない!!』

?『この金喰い虫が!!ただ生きてるだけで邪魔なんだよ!!……何だよその目は!文句あるなら出てけ!!』

?『あんたは橋の下で拾った子。あんたみたいな出来損ないで可愛い気のないやつは私の息子じゃない!』


『いい加減にしろ……いい加減にしろ!!てめぇ!!!!』

---------------------

ヴーヴーヴーヴーヴーヴーヴーヴー


 「───っ」


 一人の少年はスマホの目覚し機能で起きた。


ヴーヴーヴーヴーヴーヴーヴーヴー


 「はぁ……朝か……」(また変な夢見ちまったな…)


 スマホの目覚しを消し、時間を見る。


「あー…面倒臭ぇなぁ…」


 時刻は8:16。


「遅刻か…」


 ダラダラとリビングに向かう。


 この少年の朝飯は基本は無い。有るときはそう。


(機嫌が良いみたいだな今日は。)


 ということだ。机の上には小さな菓子パンが一つだけ置いてあった。それを手に取る。


(これ一つって…昼まで我慢か…贅沢は言えねぇよな…)


 徐にパンの袋の先を指で弾く。


 すると袋の先端はパンッと小さい破裂音をして弾けとんだ。


「………」


 この能力は二年前…本当些細な出来ごとから出来るようになった。

 ある日俺は数学の勉強をしていた─その頃相当難しく思っていた関数の問題だ。問題に悩みに悩み。やはり分からない俺はシャーペンをグッと握った、すると先端部分が弾けたのだ。


 他の学生だったら興奮するかもしれない…喜ぶかもしれない…自慢するかもしれない…だが俺にはこれは呪いでしかなかったんだ。


 俺は普通で居たい。俺は普通に生活し、大人になり、仕事をして、何れは結婚して、普通に人生を全うしたい。俺には特別も、異質も、異能も必要無い。普通になれば落ちこぼれの俺でも…きっと家族に認められるからだ…まともな子…だと。



 そして今日も家族と顔を合わさぬ様─遅めに学校を出る─


--ザザザッ-ザザッ-----------


美香「ちょっと聞いてよザーーッ シュウってば中2拗らせて超能力使えるようになったんだってさwww」


「……超能力?」


 この二人はシュウと美香。俺の幼馴染、心の拠り所…かもしれない。


シュウ「そうなんだ!浮く能力をね!やばいでしょ!」


「浮く能力…か」

(まさか…な…)


美香「どうしたのザザザッ、やっぱドン引き?」


「あ、ああ超引いてるよ本当(笑)」


シュウ「ちょっと!!本当なんだからな!!」

キンコーンカーンコーン


美香「あ、ホームルームだ!席戻らないと!」


教師「あー最近学生の家出の報告が出てます、それと近辺の商店街では…」



「その能力の話本当恥ずかしいから周りには言うなよな?」

(まぁシュウのことだ…遅めの中二拗らせたんだろう。)


シュウ「本当だってば!!!」


-----ザーー-ザザッ─ザザザザッ--


「はぁ…」

(今日も疲れたな…こう毎回学校終わりに予備校通って、数学頭に入らねぇのに、これからは古典まで入るってしんどいな…でも…やるしかないよな。)


ガチャン


 この少年は家に帰宅する際ただいまなどの声は出さない。静かに出て、静かに帰宅するのだ。


 居間に行く少年。そこには母親が酒を飲んでいた。


(最悪な場面だな…)


 机の上に置いてあるコンビニ弁当をすっと取る。



母「まるで盗っ人ね。あなた生きてて楽しい?」


(始まった…またこれだ。)


母「ねぇ、聞いてるの?あなたの脳はとうとう日本語を理解できなくなった?」


 少年は母親に見つかると高い確率でこのように暴言や暴力を浴びる。下手に発言すると更に面倒なことになるので、少年はいつも黙る。


「……」


母「はぁ……あんたはいつもいつも…私の気持ちを逆撫でするなぁ!!あぁ!?」ブンッ


 母は少年にまだ中身がある缶ビールを投げる。それは少年の頭に向かって飛んで行くが少年には当たらず壁に当たり落ちる。



母「この生きてるだけで金が掛かる金喰い虫が……何で私が予備校なんかに通わせてるか分かる?学校で留年何かされたら御近所様に顔向けが出来ないからだよ!!これで成績上がらなかったらただじゃすまされないからね!!」



「……」



母「って言うか……何でそもそもこんなレベルの高い学校に行ったのよ…あんたなんかがついていける訳無いじゃない!」



(最初、学校どこいくのか聞いたとき、この学校目指すって言ったら乗り気だったじゃないか…)



母「正直な私の気持ちとしては、こんなとこさっさと辞めて、仕事して、これまで育ててあげた分のお金を返して欲しいわ。あーあ、好一はこんなにも優等生なのに、何でこんな感じに育ってしまったのかしらね。」



 弟の好一は無言でテレビゲームをやっている。


母「あーイライラしてきた。あんたのその目。その目が気に食わないわ。」


 徐に少年の母は立ちあがり少年の前へ来る。そして、平手打ちを1発少年にかました。


パシィン!



母「人が気持ちよく酔っ払ってんのに面見せやがって!」



「………」



母「あんた何か言ったらどうなの?あんた本当に知能は猿以下ね。」



「………」(大丈夫。これは日常茶飯事だ。後少し我慢すれば、もういい、と開放される。)



母「………もう私の堪忍袋の緒が切れたわ。あなたの糞みたいな幼馴染を呼びなさい。」



「……は?」



母「知ってるのよ。あの二人があんたを焚き付けて高校受験に挑ませたの。腹立つのよ。私がこんなに忙しくて大変なのにヘラヘラしてるあんたら思い浮かべると。私が説教してあげるわ。今後一切うちとも縁を切ってもらうわ。」



「……何を言ってるんだよ母さん。」



母「本当、特に芦屋志乃。あの人を見下した態度が腹立つわ。少し仕事が出来るからって調子に乗りやがって……早く呼びなさい。呼べないなら私があなたのスマホから呼ぶわよ。」



「それは勘弁してくれよ母さん。少し酔いすぎだって…」



母「それは勘弁してくれよ母さん~だってさ!お友だちの名前出した途端にこれね。友情って言いたいのかしら?キモ!!」



「っ………」



母「何その目は。何だよその目はぁ!!」


 母は机の上に置いてあったテレビのリモコンを持ち少年に襲い掛かった。


ガシッ


 少年は母の腕を掴み抵抗する。



「やめてくれよ!母さん!」


 勢いがあまり、抵抗され、バランスが取れなくなった母親は横に転ぶ。



母「くっ……」


「酔いすぎだよ!母さん!」


母「腹立つなぁ!!お前はぁ!!」

「ぐっ!」

 立ちあがり、組み付きつつ、少年のポケットからスマホを奪い取る。



「あっ!」


母「パスワードはあんた誕生日だったわね!呼んでやるわここに!」


「いい加減にしろ!!!てめぇ!!!」

ガシッ


 少年は母の胸ぐらを掴む。


母「っ!好一!好一!!警察呼びなさい!!」


 弟の好一は少年に掴みかかる。

好一「兄貴!お前なにしてんのか分かってんのか!!」



「うるせぇ!!!!!」

 少年の片手が好一の胸を押すその瞬間─


バァァァァン!!!!!




 母と弟の胸付近から血が飛び散った─



「はぁはぁはぁ……」



 母と弟は倒れていた─

-ザザッザザザザッ---ザザッ----



近藤「はい、もしもしどうしました?君からの連絡なんて珍しいじゃないですか。」


ザザザザザザザザザザザザッ

「……先生…家族を…殺してしまいました……俺、どうしたら良いのか…分からなくて…すいません…」


ザザザッザザッザザザザッ

近藤「……なるほど。今どこですか?」


----ザーー-ザザザッ--------


近藤「……ご家族は即死でしたね。」



「……そう…ですか…ザザザザ俺は、自首したほうが…」

ザザザッザザッ


近藤「いやいや、とんでもない!ザーッは神に選ばれたようなものなのですよ!?」


「神に選ばれた?」


近藤「はい!実は…フフフ、私も神に選ばれているんですよ。取り敢えずは…私の家に行きましょう。」ニヤァ


-----------------ザザザッ


近藤「いいですか?もう私達は後には戻れません。」


ザザザッザザッ



近藤「私達は神に選ばれた化け物なのです。」


ザザザザザザザザッ


近藤「私はザーー歓迎します。あなたの力が必要なのです。全て私に任せてくれればあなたはきっとこの罪を忘れられる様になりますよ。」


ザザッザザッザザザザーッ


近藤「きっとあなたも気に入ります。我々の生き方を。」


ザザザッ


近藤「もうそろそろ登校の時間ですね。一緒に学校へ行きましょう。シュウ君が気になります。」


「シュウはザザッザザッ。俺はシュウを巻き込みたくないんです。」


近藤「私としては仲間を増やせるなら増やしていきたいんですよねぇ……それとザザザッは二人と一緒に居たくないんですか?私の言う通りにしてくれれば三人でこれからも仲良くいれますよ?」ニヤニヤ


(俺は……もう戻れないのか…?)

ザザザッ──---ザザザッザザッ---




近藤「何故放送で呼び出したのにこない!?」


(良かった……)


近藤「まぁ良いでしょう。時間はまだ沢山有ります。連れていきたい所があるんです。4限終わりまで理科室の準備室に居て下さい。」

ザーーザザザッザザッ----------



 とあるBar─


ザザザザザザザザッザザザザザザザザッ-


「一体ここへ何を、」


近藤「フフフ、簡単に言うなら神そのものなのかもしれませんね。」


「?」


 二人は中に入る…そこには男が三人、女が一人キャバクラに置いてあるような長いソファに座っていた。


 一人はあからさまにやザザザザザザザザッ隣に女が寄り添っている。その男の隣には侍のザザザザッ最後の一人はパッと見ザザッザザザザザザザザッ


ザザザザザザザザッザザザザッザザザザッザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザッザザッザ


「羨ましいな。お前のその友情が…」

ザザッザザザザザザザザザザザザッザザザザッ


「おいおいおい!っとまぁこんな感じかぁ?覚えておけよ俺の名前を!!小野でザザッザザッ」


ザザザザザザザザザザザザッザザザザッザザッ


「ハハハッ余興か近藤?」


ザザザザザザザザッザザッザザッザザッザザザザ


「ザザザザッさま?この子良いわ!是非とも!!」

ザザザザザザザザザザザザッザザッザザッザザザ


「勿論だ。お前の感情ザザッ実にザザザザ頭を貸せ。」


「やめろ!!!」


近藤「抵抗はしないほうが良いですよぉ?」


「ぐっ足が!!」

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ



---------------------



シュウ「お前!!どんだけ探して、、どんだけ心配したと思ってんだよ!!」

ガシッ


 急に?シュウに胸ぐらをつかまれる。そして、1発殴ってやろうと腕を振りかざしたシュウの姿。


シュウ「お前…そんなにやつれてたか?ってかなんか言い返せよ。」



(あれ……俺は何をしてたんだ?なんで公園に…?)


「ああ、最近忙しくて寝れてねぇんだ。疲れて言い返す気力もねぇよ。でも…俺をそんなボロボロになるまで探してくれてたのか?お前も。人の事言えないくらいにやつれてるぜ?」


シュウ「え?そうか?そんなになってるか?俺…いや…でもそれくらい悩んだし不安だった。本当に心配だった。だ…だってよ…大親友だから…」

シュウは涙が止まらなかった。本当は怒りたいし問い詰めたい。 だが、今冷たい物が溶けて暖かくなってきたもので頭が真っ白になった。


「シュウ……」

 少年の目からも涙がポロポロと溢れてきた。

「俺は…俺はこんなにも思ってくれる親友が居るんだな…」

(俺は…何でコイツらを頼れなかったんだっ!!)


シュウ「もう居なくならないでくれよザザッ…俺ら三人…最高な仲間じゃないか…悩み事あるんだろ?昔ザザッザザッの母ちゃんが離婚した時、ここで二人で話し合ったじゃんか。あのときは本当にキツかった。だから今もここに居るんだろ?聞かせてくれよ…」


「俺らは最高な仲間…そうだよな…俺らは最高な幼馴染だ…家族も…大事だ…俺は…俺は…」


シュウ「どうしたんだザザザザ?」


(俺は…思い出した……)

「ありがとうシュウ。もういい。大丈夫だ。今日は家に帰ろう。俺はもう帰る…近々しっかり話す。でも今日は一旦帰らせてくれ…」



「じゃあな、シュウ」

──────────────────────

近藤『明日、シュウ君をこちら側に引き入れます。それと美香に関しては生捕りに連れてきて下さい。……最悪美香に関しては死んでいても構いませんがね。死体でも良いので。』


『俺には…出来ない…』


近藤『ほう、まだそのような感情が。あなたは恵まれた人生を送りたいのでしょう?ならば手を貸して下さい。私にはあなたの力が必要なのですから。』


『…分からない。少し考えさせてくれ、先生。』


近藤『明日。夜23時頃から学校の教員玄関を開けておきます。』


『頭が痛い…本当すいません先生。俺外で頭冷してきます。』


近藤『ふん、わかりました。逃げたらどうなるか分かりませんよ?』


『どこに逃げるんですか…俺にはもうここしか居場所が無いのに。』

──────────────────────

(本当…俺の頭は一体どうしちまったんだよ…)


「あーあ……もう疲れたな…」


-ザザザッザザッ-------------


近藤「今日はあなたの成長の第一歩です!本当期待してますよ?シュウ君も、美香も!二人とも我々と共に行くのです!」



「先生…やっぱ俺無理ですよ…俺は気付いたんだ。大事な幼馴染をこの世界に入れることは出来ない。」



近藤「……はぁ………あれですねぇ……このままだと、シュウ君の家族も、美香の家族も大変な事になるかもしれませんよ?」



「!?何でですか!?」


近藤「あの方の強大さは身に染みませんでしたか?今回ミスると大いにヤバいんですよ?」


「俺がミスると…あいつらの家族まで…!?」


近藤「ことの重大さが分かりましたか?では、お願いしますよ?皆、大いに期待しているんです。私は今日は新しく出会った新入りと顔合わせしてきますので。それでは、頑張って下さいね?」ニヤリ


「………俺は……俺は……」


(………そうだ…………もうどっちかしかない。)


ザザザッザザッザザッザザザザザザザザ----


夜の学校─



美香「え、え、連れて来たかった場所ってここなの?」


「ああ。ちょっと話したい事があってな。」

美香「え!え!嘘!わ、私も!私も話したいことあるんだ!」


「?まぁ取り敢えず中に入らないか?」


美香「え!!え!!なか、なか、中に!?は、はは入れるのかな?」


「実は教員玄関が空いてるのは知っているんだ。」ガチャ


美香「えええええ!!い、いいよ、?じゃ、じゃあ中に入って話そ?」アセアセ


 階段を上っていく二人。



美香「な、なんか、悪いこと…だよね?何か夜に学校って…なんか!ドキドキするね!」


「あ、ああ。何か出そうな雰囲気かもな。」



美香「あ、うぅ。そう…だね……そっちかぁ…」ボソッ





「着いたぞ。ここが良い。」


美香「え、うちのクラスじゃん。」ドキドキ


 二人は歩いて真ん中付近まで行く。


 少年はスマホでシュウと連絡を取る。



美香「で、で?話って何?」


「もうちょい待ってくれ。そしたらすぐ話す。」


美香「う、うぅ……」




「なぁ美香?」


美香「え?何何?」


「お前は…シュウの事どう思ってる?」


美香「え、シュウ?んー…私達三人の中のムードメーカーでうざいとき有るけど…いざって時頼れるし…私にとっては一応はかけがえのない家族みたいなもんかな!」


 少年はニコッと笑う

「俺もそう思ってる。」


(だから、だからこそ、二人に話とかなければいけないんだ。)


(……そろそろシュウも来る頃か。)


「なぁ美香。」


美香「いや、先に私が言うわ、言わせて、」


「?何を」


美香「ザザザザッ私と付き合って?」


「は…?」


美香「私、ザザザザの事ずっと好きだったんだ!」


(やめろ!)


美香「かっこよくて、優しくて、冷静で…何でも出来るザザザッがずっとずっと好きだったんだ!」


(もうやめてくれ!)


美香「私、ザザッが見つかって本当にホッとしたし…んで今日ここに呼ばれて…私ここで絶対コクろうって決めてたんだ!」


(俺の考えは甘かった……きっと…もう俺が考えた…策は無駄だろう…もう…これしかない。)


「……美香………はは…やっぱそうだよな、お前もか…」


美香「え?お前も?…って?」


「おい、もう居るんだろ?入ってこいよ」


 その言葉にシュウは戸を開ける。


美香「シュウ!?何でここに!?」

そこで、すかさず少年は美香を羽交い締めした。

美香「んぐっ!?!?」


シュウ「!?おい!!ザザッ!何してんだよ!!何の真似だよこれ!!」


美香「ど、どうしたの?」


「黙れ…もういい…もう疲れたんだ俺は。」

(そうだ……俺はもういい。シュウなら…きっと行動に移すだろう。)


 そう言って手を片方は首の方へ片方は胸を鷲づかんだ。


美香「ちょちょちょっと!!ザザッ!!いい加減に…」

「黙れって言ってんだよ!!!!」

シュウと美香はその怒号に驚き口を閉ざした。


「もうこりごりなんだよ…何もかも…大親友?幼馴染?付き合う?好き?家族?信頼?将来への期待?もう要らねぇ!!もう何もかも要らねぇんだよ俺は!!もう戻れねぇんだよ!!昔みたいに!!明るい幸せの未来なんてもうねぇんだ!!」


シュウ「な、、何でそんな事言うんだザザッザザッ?お、落ち着けよ何をそんな、」

「殺した。」

シュウ・美香「え?」


「殺したんだよ俺は人を…家族を!!!この手で!!ただ少しカッとしただけだった…真剣に勉強して真面目に予備校通って!俺は色々我慢してきてんのに!!色々考えてんのによ!!慣れない真面目と真剣を身に付けて!!結果も出てきてるのに…なのに…なのに母さんは…俺を金食い虫だとか努力が足りねぇって…今思えば何であそこまでカッとなっちまったんだろうな…母さんの胸ぐらを掴んで…その後止めに入った弟も…二人とも俺が壊しちまった…」

美香「ザーッ…」

シュウ「そんなことがあったなんて…」


「俺はなもう化け物なんだよ。家族を殺しちまったからでもある。が、皆には言ってない事があるんだ…シュウ…お前と似てるのかもな」

(俺はきっと恨まれる……だけどこうするほか無いんだ。ゴメンな、ゴメンな。)


シュウ「?どういう…」


 シュウが言葉を言い終わる前にパァァン!!と大きな破裂音が響いた。


 三人に温かい何かが飛び散る。シュウと美香はそれが何か最初は分からなかった。が最初に異変に気づいたのは美香だった。


美香「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 悲痛な叫び声が響く。シュウも何だかそれで分かった。


 飛び散ったのは美香の右胸だった。


シュウ「っ………美香!!トモ!!何をしたんだ!!」


「言っただろシュウ?俺とお前は似てるかもって。お前、、浮けるんだろ?」


シュウ「お前…まさか…お前も…」


「そうだよ!!俺は〔弾ける〕能力を持っちまったんだ!!これで俺は家族を殺した!!殺しちまったんだ!!」


シュウ「ぐっ……何でこんなことを!!美香の出血が酷い!!美香を離せ!」


(大丈夫だよ、シュウ……表面上だけだ…美香には本当に悪いが……お前らが死ぬよか…良いよな。)


「そうはいかないんだシュウ。俺はな…俺はお前らを殺す事に決めてるんだよ。」


シュウ「!?」

 少年は美香の首を思い切り絞め始めた。


美香「グッ!!かはっ…」


(来い!シュウ!!お前なら来てくれるはずだ!)


シュウ「やめろぉぉぉぉぉ!!!!」

 バゴォッ!


 シュウは美香の首が弾け飛ぶ前にすかさず前に出て少年の顔面を思い切り殴った。


  ガシャァッ!!!


 机を押し倒す形で少年は倒れた。美香は拘束から解かれたがあまりの恐怖で失神してしまっていた。


シュウ「こんなことしてどうなるっていうんだよ!!何がしたいんだよお前は!!俺らは大親友じゃなかったのかよ!!」


「だからお前らが邪魔なんだ!!!!もう要らねぇんだよ!!俺が先に進むには、、俺が化け物として生きるにはな!!」


    バァン!!

 少年は机を弾けさせ破片を飛ばした。


シュウ「グッ!」

破片を腕で庇った瞬間腹に重い衝撃が走った。

 ドガッ!!ガシャァ!!


思い切り腹を蹴られ窓際の壁に叩きつけられた。


シュウ「がはッ!、」


「化け物にはな…化け物の生きる場所があるんだよ、もう終わりにしようシュウ。」

(早く俺を…)


 少年は倒れたシュウに近付き顔に触れようとしたがゴッという音と鈍痛でそれは阻まれた。

シュウは近くに落ちてた広辞苑で殴り付けたのだ。ついでに腹に1発寝ながら蹴りを与え少年は倒れた。


 少年すぐさま立ち上がったが更にもう一撃腹に重いものが入った。先ほどより重く突き刺すような痛み。シュウは椅子を持ち椅子の足で突き刺したのだ。


「ガファッ!!」


 そのまま物凄い力で押され逆窓際まで押し付けられた。


「ぐぁっ…やっぱ、り浮けたんだ、な」

(これで、良かった、、これで良かったんだ、、)


 シュウは数十㎝浮き横にスライドするようにして突き刺したのだ。


シュウ「もう終わりにしようザザザッッモ…自首しようよ…」


 シュウの顔は涙と血でまみれていて、とても悲しそうな顔をしていた。。


「そういう訳には…もういかねぇんだよ!!」


   ババァン!!


 椅子の足が弾けとんだ。


シュウ「ウワァァァァ!!ザザッ樹ぃぃぃ!!」

 シュウは思いっきり前にスライドし残って兇器と化した椅子の足をそのまま突き刺し押した。


 バァリィィンッ!!という音を立て窓が割れた。二人は窓の外へ出たのだ。


  バァン!


 残りの椅子の足を弾き飛ばした少年だったがもう遅かった。シュウは助けようと少年を抱えようとした。しかし少年は─


  パァァン!!

 シュウの僧帽筋部分を軽く弾き飛ばした。


(お前ならやってくれると思ったよ。)


シュウ「うがぁっ、!友樹、友樹ぃぃぃ!!」


落ちるその刹那、友樹は一言言った


友樹「ありがとう、シュウ」


(美香の事は頼んだぞ………)

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ────

──────── プツン


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