第一章 36話 二人の変人 ☆
─────────────────────
赤い女「連れてってやるのは良いんだが…アタシ達はもうすぐにでもここを離れなきゃなんねぇんだ。居れて今日含めては二日。それでも大丈夫か?」
シュウ「後二日!?…いや、でも大丈夫です。なんとかします。」
赤い女「…分かった。じゃあ、今日使いが来ると思う。親の説得も兼ねてな。」
シュウ「俺も、母さんの説得はそれまでにしておきたいと思います。」
赤い女「よしよし、んじゃあ、アタシは先に仲間と合流すっから!」
赤い女はそう言って去っていった─
──────────────────────
時刻は3:43。シュウは誰にも見られないよう、浮遊しながら自分の家の窓へ入った。
あれほどの大爆発、母さんの耳には入ってないのだろうか?
そう思いながらシュウは煙の臭い等を落とすためこっそりシャワーを浴びた。
---------------------
チュンチュン、
朝だ。時刻は7:30。シュウは全く寝れなかった。リビングに向かうシュウ。途中で莉沙と鉢合わせる。
莉沙「あ!お兄!起こそうと思ってたんだ!ナイスタイミングだね!」
シュウ「莉沙、おはよう。今日も悪いな、朝の支度をさせちゃって。」
莉沙「ん!違うよ!今日はねー!なんとー!…お母さんが朝の支度をしてくれてるんだよー!」
シュウ「え!仕事は!?」
莉沙「分かんない!けどね!けどね!ホットケーキなんだよ!お兄!ホットケーキ!ホットケーキなんだよ!朝ごはん!」
シュウ(あ、そう言えば夜中作ったんだったな…)「良かったな、莉沙。」
シュウは笑顔で答える。
莉沙「んーー!ホットケーキなんだよー!朝から贅沢だなぁー!しかもしかも!夢でホットケーキ食べた気がするんだよね!」
シュウ「ホットケーキで贅沢なら何度も作ってやったのに。」
莉沙「ほら!いこ!」
莉沙に連れられ、リビングへ。
シュウ母「おー来た来た、愛する若者達。たんと食べな。トッピングも沢山用意しておいたから。」
テーブルの上には、ホイップクリームやカスタード、アイスやバター、蜂蜜も黒糖餡蜜も勿論のこと、納豆やキムチ等バラエティに富んだものが用意してあった。
シュウ「莉沙…これは贅沢だ。」
莉沙「でしょでしょ!嬉しくなっちゃうよね!!」
シュウ母「さぁ食べよ!しっかり食べるのよ!」
シュウ・莉沙「いただきます!」
とても幸せな空間なんだと思う。最高な家族…ありがとう母さん、莉沙。
---------------------
学校は今日は休みであった。食べている時にそのことを母に伝えられた。連絡網で回ってきたらしい。内容は
化学の近藤澄彦の車で実験材料として持っていた化学物質が大爆発を起こして近藤澄彦は死亡。
実は、行方不明事件の犯人候補としても数えられていて、家宅捜査をしたところ、遺体を発見。
そして体育倉庫で悲鳴を聞いたかもという証言により捜索。そこでも大量の遺体を発見した。その遺体にはどれも、近藤の体液が付着していた。これにより近藤が犯人だと決め付けることが出来た。っという結末になったそうだ。
そのため、今はマスコミ等が学校に押し寄せているため登校が不可能とされていて今日は臨時休校。といった感じだ。
シュウ(うちの学校で美香も成瀬愛歌も含めて大量の死者が出てるもんな…マスコミはこれ以上ないネタなんだろう…)
莉沙「お兄!お兄!」
シュウ「ん?」
莉沙「ジャーン!納豆キムチカスタード!!」
シュウ「…」
莉沙「おいしー!!」パクパク
シュウ「……俺は莉沙の味覚を…いや、頭を疑うよ…」
シュウ母(ふふ、シュウ元気になったようで良かった…)
---------------------
莉沙「あー急がなきゃ!学校遅刻しちゃうよー!もっとお母さんとお兄と一緒に居たかったなぁー!」
シュウ母「早く向かいなさーい!遅刻したら晩飯はまた、ホットケーキよ?」
莉沙「えへへ、それでもいいやー。あ、本当にもう行くね!行ってきまーす!」バタバタ…ガチャン
シュウ「じゃあ俺洗いものを、」
シュウ母「今日はいいわ、私がやります。」
シュウ「いや、でもつくってもらったし…」
シュウ母「いーいーかーらー!わーたーしーがやーるーのー!!」
シュウ「あー、分かった分かった。じゃあ一回上に上がるね?」
シュウ母「はーい!任せてちょうだい!」
ガチャン タンッタンッタンッタン… ガチャン
シュウ(こんだけ、幸せだったのはいつぶりだったんだろう……)
シュウは一度ベットに横になる。しかし直ぐに外が騒がしいのに気付く。
?「そうじゃないわ!もっとこう!もっとこうスパッと、キラッと!シャキーンが欲しいのですわ!」
?「ふむ…ではこうはどうですかな?」
?「キラキラ感が足りない…そんな気がしますわ!」
?「キラキラ感……難しいですね…こうですかな?」
?「んー今度は切れ味が足りないわ…それでは只の阿呆に見えますわよ…」
?「ふーむ…難しい…若者とは難しいものですな…」
?「若者!しかも学生ですわよ!?嫌いなはずが、ないですわ!」
シュウ「……」(一体何を外でなにをしているんだろう)
シュウは窓から見ようと思ったがどこにも居ない。
シュウ(え!もしかしてうちの玄関前に!?)
シュウは様子を見ようと窓からふわりと外に出る。
そこには一人の紳士と一人の女性が話していた。
シュウ「あ、すいません…俺の家の前で何をやっているんですか?」
女性「わああああああ!!」
紳士「ぎゃあああああ!!」
紳士は振り返りシュウを見た後、直ぐに窓を見上げる。
紳士「ぬぅぅぅぅん!!窓からかぁぁぁ!!」
女性「むぅー!やりますわね!!」
紳士「だが、タダでは終わらないですよぉぉ!!」
女性「今こそが絶好なタイミングですわ!!」
シュウ「え!え!ちょっとこんな所で何をしようと!」
バアアアアアン!!
女性・紳士「ようこそ!我らがBARKERsへ!!」
女性「私達は歓迎するわ!!」
シュウ「あ…………え?」
挿絵はそらとさんからです!
めちゃくちゃ可愛いですねぇ!!
ありがとうございます!
コメント、感想、ブクマ、レビュー何でも待ってます!
よろしくお願いします!